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しあわせへのまわり道

しあわせへのまわり道  しあわせへのまわり道

 

つい長くなってしまいました。

 

 くどいようですけれど、 CDV-NET のおすぎのビデ・シネプレビューには何度も助けられてます。ジム・ジャームッシュ「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」などはまさに。「しあわせはどこにある」はスルーのおすぎさんなれど、邦題がほとんど同じの本作は秀作なのだそうな。私めが感謝なのは監督がイザベル・コイシェなんだよね。

 

 「ナイトトーキョーデイ」以来 5 年経過して公開される彼女の新作は嬉しい。この作品に尽力したのは主演のパトリシア・クラークソンで、おすぎさんの評にも書かれていたし、朝日新聞にも記事が載っていた。彼女を見たのは直近で「ラースと、その彼女」。マジなお医者さんだけに笑いが増す役割で、「ステイフレンズ」「小悪魔はなぜモテる?!」ともやや路線がちがう。

 

 かといってカチカチの面を「ザ・イースト」では見せていたり、新作は果たして?ベン・キングズレー共演と聞いて、おっと、そういえば「エレジー」の浮気相手だったな、などと思い当たったりして。 5 、 6 年前が遠い昔に感じるのはトシのせいか、加速する時代の為せる技か。時代はどんどん先に行っちゃって、進めている人たちもその先は見えていないと思う。

 

 ま、忙しくてそんなコトに頭使ってる時間がないワケだよな。昨今アップル、グーグルが神になる日を読んだんだけど著者は頭の良い技術者だけにかなりストレート。これは「人工知能は人間を超えるか」の時にも感じたんだけど、皆さんなにモタモタしてるの?というニュアンスがそこかしこに感じられる。取り繕わず正直です、ホントに立ち遅れてんだもの、我が国は。

 

 ただ、あらゆる方向にひたすら突き進んでいる今、せっかちに生きると、立ち止まった時途方に暮れたりする。こういう時代背景があるからなのか、自分を見つめる作品、再発見の旅を題材にした作品が幾つか出てきましたね。いやいや、そういう作品を自ら選択してきたのだ。ジュリア・ロバーツ「食べて、祈って、恋をして」は分かりやすい。

 

 また共演したハビエル・バルデムは「BIUTIFUL ビューティフル」で厳しいバルセロナの現実を生き、人生の終わりと向き合った。またジュリア「幸せの教室」で共演のトム・ハンクスも人生を見つめ直す男。さすがにトム・クルーズはやらないけど、明るい方面だったら「 LIFE! 」「しあわせはどこにある」ですかねぇ。男の話はどうもいじましいな。

 

 アレジュリアより年上のパトリシアのお話は興味深い。私めが若ければ、女性版「イントゥ・ザ・ワイルド」=「わたしに会うまでの1600キロ」だったけど、年相応にコチラを選択。恐るべきことに人生が 300 年になってもおかしくない 21 世紀(「NEXT WORLD」)、あきらめたら途端に老けちゃいます。「シドニアの騎士」なんて平気で数世紀生きてる小林が「 100 年ぶりか」などと言っている。

 

 「限りある命だから人には思いやりがある」と力強かったのは「銀河鉄道999」の星野哲郎。それは間違っていない、ただスパンが伸びたのだ。科学の成果とは、必ずしも幸せとは直結せず、驚いた後は慣れるしかないのかも。進めている人たちは着々とやっていて、道徳やら倫理は後から付いていく。この不可逆かつ不動の流れに抵抗を試みているのが、エライと称されている人々やマスメディアなのかな?

 

 前置きが長くなりました、以前働いていた上大岡のTOHOシネマズまで遠路はるばるやってきての観賞。神奈川県での上映館がココしかないからか、平日の1回目に9割入っています、それも女性ばかり。思うに現在も夏休み超大作でスクリーンは占められているし、大人の好みに合う作品がないからでしょう。もちろん私めはモロに“エサに釣られておびき寄せられ”ました。

 

 自動車教習のお話が基本にありますけれど、ベン・キングズレー演じるダルワーンはインドから亡命してきたシーク教徒で、夜もタクシー運転手として働いている。ココが嬉しい要素で「ナイト・オン・ザ・プラネット」っぽいイントロが可能になる。いきなり後部座席で別れ話の修羅場が展開、パトリシアにどやされている亭主役がジェイク・ウェーバー(「ジョー・ブラックをよろしく」から老けました)。

 

 独りになって途方に暮れては「ワンダーランド駅で」が思い出されますが、仕事中毒が災いして・・・というお話はホントに尽きない(コメディの「ジングル・オール・ザ・ウェイ」とかね)。もちろんそこから再生していくのも王道なんだけど、そこに自動車教習というネタは新しい。大人の女性が発見していくお話はあっても、教えてもらう物語にするには最適。

 

 それにしても「ボラット」にもありましたが、合衆国ではいきなり路上講習なんですな。教習所で仮免とって、その後でじゃない。ま、私めも20数年ぶりに車を運転し始めましたけど、あっと驚きます今の車。キーをさす動作がないし、ギアチェンジはないし、ガソリンもあんまり減らない。素人が「はい、ウィンカー出して、前後確認したら車を通りに出してね」と言われてもOKなわけです。

 

 確かにパターンどおりに進んでいくようで、ちゃんと時代記号は込められている。ターバンを巻いているだけで、ひどい言葉を投げつけられたりする現実はさりげないけど必要。移民に関しての事情は2009年の「扉をたたく人」からあまり変わっていないんですね。でもホントに自然なトーンが最後まで続くので、ホッとします。監督の次回作にも期待できるから。

 

 もちろん入魂の主演女優パトリシア・クラークソンが素敵なのだ。ヌードも披露は女優根性ですけれど、少しずつ教官のダルワーンに惹かれていく感じ、そしてラストがたまらない。彼女の頬をつたう涙こそ本作最大の見せ場、ぜひご覧になってご確認を。「セレステ∞ジェシー」のラシダ・ジョーンズもしっかり歩いていく姿が爽やかだったけど、惚れてしまいました。ま、もともと年上の女は男子至上の理想です。

 

現在(8/31/2015)公開中
オススメ★★★★☆

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関連作

  エイプリルの七面鳥

 

 淡々と進むインディ系特有の小品でニヤニヤして見ていたら、ラストにじんわり泣かされてしまった秀作。本作でパトリシア・クラークソンが賞を獲得するのは、最後に見せる芝居で納得です。それまではどうして?と思っていていたけれど、あの瞬間に助演女優賞しかないでしょう、になります。また主人公ですからケイティ・ホームズも後の仕事(「バットマン・ビギンズ」「サンキュースモーキング」)が想像もできない変身ぶり。トム・クルーズが惚れるのも本作ゆえか(このあとお付き合いなんだよね)。

 

 監督のピーター・ヘッジズにとっては処女作で、気合いが入っている。もちろんその熱意は逆作用しているくらいに抑制の効いた演出で、音楽もかからないし、観客の感情を必要以上に刺激しない。シニカルな笑いを散りばめているのはさすが「ギルバートグレイプ」の原作者で、家族の絆を安っぽいドラマにしていない。近い作品は「8月の家族」「クリスマス・ストーリー」辺りかな。家族といっても仲が良かったり悪かったり、あって当然。

 

 ニューヨークの下町に関しても、キャラクターを適所に配してかの街を表現している。エイプリルの階下に住む黒人夫婦は絶妙なスパイス。スパイク・リー(「セレブの種」)もジム・ジャームッシュも地元だし、ロバート・デ・ニーロ「ブロンクス物語」、最近では「靴職人と魔法のミシン」もあった。またエイプリルの彼氏が「フルートベール駅で」を思い出せてくれる。あとはオリヴァー・プラット(「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」)もいいとこを持って行っちゃうんだよなぁ。ぜひ「しあわせへのまわり道」とご一緒にどうぞ。
オススメ★★★★★

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