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インヒアレント・ヴァイス

  インヒアレント・ヴァイス

 

 「ザ・マスター」でポール・トーマス・アンダーソンを劇場初体験してから、2年経過して新作がお目見え。それにしても公開館数が少ないです、次回は大丈夫なんだろうか?と心配になります。劇場券売機まで「ドラゴンボールZ」の宣伝に使われている桜木町のブルク13、47歳の私めが高校生の時に連載されていた漫画ですからねぇ、驚くなぁ。ま、本作を上映してくれるだけありがたいです。

 

 世知辛い21世紀を描くと観客も窮屈になっちゃうから、70年代が舞台のお話を映画にしたのか。前作がシリアスかつカッチリした世界だから、ボンヤリしていられる時代を描くのは戦略としてアリ。映像がフィルムの感触というか、肌色が特に気になったんですけれど、赤みがかったトーンで目が疲れない。最近見た「ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間」と比べても違和感がない。

 

 もちろん現代の映画作家ですから、かなり綿密に画面の設計はしているでしょう。でも観客は冒頭から、ヒッピーが生息していた時代に連れて行ってもらえる。ここで「ロング・グッドバイ」っぽいな、と思えば映画通かもしれません。でも映画のことまだまだ分かっていないので、関連作は「ビッグ・リボウスキ」をオススメします。ヤク漬けの男が小突き回されて、事件を解決したんだか、しないんだか。

 

 小突き回されるのがホアキン・フェニックス扮するラリーで、ずーっとマリファナ吸ってる、いろんなヤクをやっちゃう。あの作品の繊細な感じとは別人。もっともこの人は世間をだまくらかしたモキュメンタリーという前科があって、守備範囲内でしょう。彼を引き立たせているのがジョシュ・ブローリンで、「L.A. ギャング ストーリー」をグッと間抜けな感じにしていて楽しげだ。

 

 で、70年代は子供だった私めが楽しかったのは、このキャラクターの配置がまんま「ルパン三世」とか「探偵物語」がピンと来て、楽しくて仕方ない。確かに元カノが突然現れて、不動産王にまつわる厄介ごとに巻き込まれるんだけど、警部補とへべれけ探偵のやり取りが何より貴重。だってさ、「SHERLOCK/シャーロック」の21世紀ですよ、しち面倒くさい科学的ご説明されたらグッタリする。

 

 ただし、原作者のトマス・ピンチョンも意図してコレを世に出してきたのでは?てっきり70年代に書かれた小説かと思いきや、出版されたのは2009年なのだそう。展開なんか「羊をめぐる冒険」にも近いんだけど、物語の端々に込められている情報を読み取れないので、“分かる部分だけで”美味しい思いをしちゃった。ということは後年発見のある作品ということになります。

 

 込められている情報は恐らくダテに出ていないオーエン・ウィルソンとベニチオ・デル・トロのパートでしょう。FBIのスパイやら海運業専門の弁護士とか。小説だけにいずれ、ハタと気がつく事態に出くわすかもしれない。「セルピコ」を見たら「ゲットショーティ」のウマ味が増したように、音楽業界のことが分かってきたら「ビークール」にゲラゲラ笑ったりするみたいに。

 

 本作の収穫はなんと言ってもシャスタ役のキャサリン・ウォーターストンで、ヒッピー探偵がついつい逃れられない魅力を発散。「セッション」のメリッサ・ブノワ共々ちゃんと覚えておかないと。麻薬とは無縁なんだけど、昨今は記憶が定かじゃなくて「JIMI:栄光への軌跡」のイモージェン・ブーツなんかすっかり忘れてたもんなぁ。そのくせ本作のリース・ウィザースプーンは分かるというオッサンです。

 

 ただやはりというか、このポール・トーマス・アンダーソンにとってもフィリップ・シーモア・ホフマンという役者は欠くことのできない存在だったみたい。「パンチドランク・ラブ」を再見したので、余計にそう思うのかもしれないけど、出演している誰と置き換えるかではなく、それぞれの役者との相性も含めて何か物足りなさを感じる。

 

現在(4/20/2015)公開中
オススメ★★★★☆

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関連作

  パンチドランク ラブ

 

 「ステイ・コネクテッド〜つながりたい僕らの世界」のアダム・サンドラーが出ているからか、ついついジェイソン・ライトマンを思い浮かべてしまうポール・トーマス・アンダーソンの軽めなコメディ。コレと「マイレージ、マイライフ」は並行鑑賞に向いています、どちらもマイルに振り回されているアメリカ人を描いてますから。消費の極致というか、成れの果てというか、新聞広告も電話の詐欺を載せてんだもんね。

 

 お姉さんがいっぱいいて、女難の相がある主人公は電話サービスで見事にカモられてしまう。個人情報の漏洩がヤバイ事を描いていますが、同時に「ちゃんと恋人がいればそんなことにはならないよ」というメッセージでしょう。憂えたり、批判するのではなく、この監督の倫理観はかなりしっかりしている。映像は冒頭に車がひっくり返ったりと奇抜なようですけれど、物語はオーソドックス。

 

 エミリー・ワトソンがヒロインというのも納得で、アダムと相性が良い。で、それだけだと味気ないので、電話詐欺の元締めが出てきた瞬間に映画にしまりが出る。フィリップ・シーモア・ホフマンってこの監督の映画に不可欠だったんだなぁ、と改めて思わされる。しょぼい悪役で、どうってことはなさそうなのに、インディ系の作品で光るんですよ実に。
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