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 「2011年に公開された「ラブアゲイン」をオレは劇場で観てんだぜ」などと偉そうに体験談を披露したところで、「なにそれ?ずいぶん昔のことだね」と言われそうな、“時の流れが超高速化”している21世紀。kindleでNEXT WORLD―未来を生きるためのハンドブックを読んでいるので、あいた口がふさがらない今日この頃。映画へのアクセスも多種多様で、観客の嗜好も多種多様、批評も星の数ほどあって・・・。

 

 けっきょく頼りになるのは自分なんだけど、記憶を外部化(ページとして残す)しておいたおかげで興味が絞り込めます。いちおうオススメするのが本ページの趣旨ですけれど、副次的な機能として“過去の自分から”イヤというほどある新作の選別を助けてもらっている。頭の働きは確実に衰えていて、「her/世界でひとつの彼女」よろしくAIがあればなどとも思う。よって「チャッピー」に注目しているんですけれど。

 

 で、時代が進むと根絶できるのかは分かりませんけれど、詐欺という犯罪も生き残っている。“ウィル・スミスが天才詐欺師ミッキーに扮して、凄腕チームを率いて大勝負を繰り広げる”というのは宣伝のイメージで、中身はデートムービーとしても成立するオシャレなモノになっていた。それは冒頭の空撮にも出ていて、ダンディなミッキーが駆け出しのスリ女を逆に出し抜いちゃう。

 

 あのバッドボーイズ「エントラップメント」のショーン・コネリーみたいな役回りです。でもスリ女=ジェスが本作最大の収穫で、マーゴット・ロビーがいなければ成立しない。「ラム・ダイアリー」で発見のアンバー・ハードに近い感じなんですけれど、ゴージャスです。でも中身は小娘らしさが残っているから、余計に惹きつけられる。「ターゲット」の時のエミリー・ブラントもそんな感じだったな。

 

 フットボールの試合会場では詐欺というより泥棒集団がやりまくり。財布の紐が緩くなって浮かれ騒いでいる人々を相手に、ミッキーをリーダーにしたチームは堅実なお仕事をしている。ただこの作品は警鐘を鳴らす作品ではないので、120万ドル稼いじゃうんだなぁで切り上げ。「60セカンズ」も車泥棒のテクニックを詳細には描いていませんでしたから。

 

 さらに詐欺師の“騙し騙され”もそれほど込み入ったものにはなっていない。玄人っぽさでしたらデヴィッド・マメットの「ザ・プロフェッショナル」とか「スパニッシュ・プリズナー」があります。派手さで「グランドイリュージョン」と勝負しても面白みに欠ける。ただ詐欺師集団のbQの人と、ファーハドを演じたアドリアン・マルティネス(「LIFE!」)はスパイスとしてよく効いています。

 

 で、肝心のテーマは男と女の間にある結びつきでは?前作より派手だし違っているようで、監督の2人グレン・フィカーラ&ジョン・レクアは切っても切れない人と人の縁を描いている。それはラストのビックリシーンで、“あっ、やはりこうきたか”と落としてくれたので納得。ニッキーを大人に見せるのは小娘ジェスだけど、彼を若造にしてしまう人物とは・・・、ぜひご覧になってご確認を。

 

 ウィル・スミスが主演なので、なんとか公開されたオシャレな恋愛映画。前作が小規模公開だっただけに、ホッと一安心。で、TVの前の世間様はGWなのだそうで、小田原コロナシネマワールドはなかなか盛況だった。ただチビっ子たちが観る作品が幼稚なのは当然だとしても、大人まで連れられることはないと思うけど。そういえば「エグゼクティブ・ディシジョン」でギラギラしていたB・D・ウォンなどオッサンになっておりました。

 

現在(5/4/2015)公開中
オススメ★★★★☆

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関連作

  グリフターズ/詐欺師たち

 

 「ハイフィデリティ」「クイーン」「噂のギャンブラー」を先に見ていたわけですけれど、紛れもなくスティーブン・フリアーズの代表作。映画監督たるものヒッチコックに挑戦したい気持ちはあるでしょう。映画のスタートは出演者それぞれの若き日に驚かされるけど、だんだん恐ろしさが増していって、なるほどなぁと唸ってしまった。モーテルがやたら出てくるのも、「サイコ」へのオマージュですよ。

 

 ジョン・キューザックの若さというより、ツルツルの幼さがやけに不気味に映ったのも、アネット・ベニングがわざわざヌードを披露するのも、アンジェリカ・ヒューストンのブロンドも込められた記号ですな。ジョンは今でこそオッサンですが、若い頃から芝居はしっかりしていて、アンジェリカの色気に押されっぱなしではない。「あの日の声を探して」では老けましたが、アネットも尻軽女に見えてヒトクセある。

 

 後半のフィルムによる暗さは今や失われた感触で、たまらないですね。リマスターしてしまうと効果は削がれてしまうでしょう。「フォーカス」は申し分なかったけど、観客を詐欺師映画だと思わせておいて、サスペンスとして完結させるコチラは映画通向け。当然アカデミー賞インディペンデント・スピリット賞も獲得で、マーティン・スコセッシが製作として参加。公開当時はけっこう話題になっていたなぁ、でも経年熟成中。
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