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きっと、星のせいじゃない。

  きっと、星のせいじゃない。

 

 完全にネタバレです、ご観賞後にどうぞ。

 

 「(500)日のサマー」があったのが2010年、5年経過して近いテイストの作品が拝めるんだから、“自分とは縁もゆかりもない”ネタでも劇場に行ってしまいます、それも衝動的に。宣伝にジョセフ・ゴードン=レヴィットアレが使われていたけど、主演のシェイリーン・ウッドリーも合衆国ではかなりインパクトがあるに違いない。だって既に「ダイバージェント」に出ているんだから。

 

 ホントにトシとった証拠に、彼女の履歴を漁り「ファミリーツリー」のあの娘かと思い当たったりして、悔しいったらありゃしない。ま、全部の映画を観るなんて不可能です。そして大作の「ダイバージェント」を見ていたら、本作主演の2人が兄弟役。これはもう宣伝材利用には使えないのかな?しつこく見せられたTOHOシネマズの予告でも触れられてなかったしね。

 

 更にホームページの予告と並行してデータベースを眺めていると、難病の少女が憧れる作家役にウィレム・デフォーがクレジットされている。きっと「ミラル」のようなキャラクターに違いない、号泣必至の感動が待ち受けているに決まってると勝手に想像を膨らませて劇場に・・・。おかしな時代ですよ、ボサっと劇場の前を通りかかって、ふらっと入ったのは2005年の「セルラー」が最後だもんね。

 

 さて脳内にデータをいっぱい詰め込んで、スクリーンに対峙するという奇妙なオッサンですけれど、冒頭は可愛らしくも風通しが良いスケッチ風でニヤニヤ。直近で「はじまりのうた」がありますけれど、遡れば「シングルス」などインディ系って作りには弱い。ただし主人公はガンを患っている少女ヘイゼルですから、鼻に付けられた呼吸器がそのことを観客に忘れさせない。

 

 「50/50 フィフティ・フィフティ」とは違ってヘイゼルの病状は末期だから、患者同士が話すサポートグループに参加している。賢い彼女はその様子を客観的に眺めていて解説してくれるけど、なかなか鋭くもユーモアのある娘だ。でも、もうありきたりの展開なんだけど、ひと目で明るい男の子オーガスタスに恋しちゃうんだよねぇ、いいよなぁ。

 

 オーガスタスを演じるアンセル・エルゴートには「ダイバージェント」の弱気な印象がまるでない。もうちょっと若ければ確実に「抱きたいカンケイ」のアシュトン・カッチャーがやりそうだけど、オヤジ目線で鋭く観察しても健全で安全な感じがする。2人が近づいていく部分はもう微笑ましいったらありませんよ、若いというより幼い10代なんだもんね。

 

 科学が進歩しすぎている合衆国には、“ドナーを人工的に産む”「私の中のあなた」みたいな側面もあるのですが、幸か不幸かヘイゼルの一家はそこまで踏み込んでいない。難病の悲恋映画というとオッサンは「忘れられない人」を思い出しちゃうんだけど、21世紀のアメリカ人はもっとタフで現実的な物語を求めている。このカップルはアムステルダムまで行って、憧れの作家を訪ねるんだもんね。

 

 待っているのがウィレム・デフォー演じるピーター・ヴァン・ホーテンなんだけど、ものすごくイヤな期待の裏切り方をしてくれて、この役者の株が上がりました。「かわいそうな自分を慰めて欲しいのか」なんて人としてサイテーなんだけど、いかにもありそう。描いている世界が素晴らしくたって、書いている本人がそうとは限らない。「小説家を見つけたら」は偏屈だけど全然マシ。このタフな展開にやられてしまいました。

 

 とうとう最後まで涙する瞬間のなかった本当の感動作。メールのやり取りが画面に出てくるのは可愛くて、21世紀の日常でホッとする(「ハウス・オブ・カード」に至るまで)。10代の女の子が運命を受け入れるタフさ、残された家族の心配までするなんてさすがです。そういえば母親役のローラ・ダーンも着実にキャリアを築いておりますな(「遠い空の向こうに」をご参考までに)。ウィレムと一緒だった「ワイルド・アット・ハート」なんて今からは想像もできない。親の役者にしか目がいかないか・・・。

 

現在(2/21/2015)公開中
オススメ★★★★☆

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  ダイバージェント

 

 「ハンガーゲーム」も当たったことだし、トワイライトシリーズという成功例もあるから、ティーン向け小説の映画化は予測される流れ。ただシアーシャ・ローナンの「わたしは生きていける」「ザ・ホスト/美しき侵略者」も観たけど、守備範囲外の印象があるし、幾つか摘んで見たけどダメだったものがある(タイトルは内緒)。なんで今回見たかというと「きっと、星のせいじゃない。」があったからだ。

 

 秒進分歩の時代だけに、次から次へと公開される映画について行くのは至難の業。監督が「幻影師アイゼンハイム」「それぞれの空に」のニール・バーガーだと知っていても腰が上がらなかったけど、主演のシェイリーン・ウッドリーが決め手。トシはとりたくないものですよ、「ファミリーツリー」で今後ブレイクするなんて書いてるくせに、すっかり忘れていた。

 

 彼女が人気を得るのはジェニファー・ローレンス抜きには語れない。第一印象で男の子がすぐに飛びつく清純派イメージがない。むしろ芯が通ってて、同性が頼りにしそうな雰囲気を漂わせている。シアーシャ・ローナンと比べると分かりやすくて、20年前くらいなら男の子がやっていそうな役回りをこなさなくては、21世紀に女優として開眼するのが難しくなってきた。

 

 で、実際に彼女じゃなかったら成立しない近未来SFで文句なしだった。この手の話は描かれているのは未来のようでも、それは背景だけ。今の問題点を浮き彫りにできる。一度その道に進んだら、“そのままでいなければならない”とは窮屈なものだ。ただし“全体の幸せのためには仕方のないことだ”はどこかの国でも使っている方便。そこに異端者=ダイバージェントが登場する。

 

 “どーも世の中オカシイな”と思っている人々にとっては希望の光だし、逆の立場なら“世の中引っ掻き回して”と敵視されることになる。この要素を根底に持っているので、オッサンでも食いつくことができるのです、ぜひご覧になってご確認を。ま、ボサっと冒頭を眺めていたら、「きっと、星のせいじゃない。」の2人が兄妹役なんだもん目が離せないよ。

 

 それだけじゃなく「とらわれて夏」で逃亡犯を匿った挙句に、恋に落ちてしまう女性が良かったケイト・ウィンスレットが悪役。「コレクター」から幾年月のアシュレイ・ジャッドもお母さん役かと思いきや、「ゴースト/ニューヨークの幻」とか「ラストサムライ」のトニー・ゴールドウインも無欲なお父さんですよ。親の代のキャストは確実に楽しませてもらった。結局遅ればせながら2、3を観に行くことになるな。
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