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コングレス未来学会議

  コングレス未来学会議

 

 つい30分くらい前にIMAXで「マッドマックス/怒りのデス・ロード」にぶっ飛んだ後は、シネマカリテに移動して近未来SF3本立ての締めくくり。ま、経緯は「しあわせはどこにある」を調べていて、この劇場のホームページの告知に触れ、けっきょく2週連続で新宿までやって来ることになったわけだ。もう完全にマスメディアをスルーしている。

 

 サービスデーの関係なのか、8割の入りでちょっと驚く。それは若い人が多かったからで、彼らが私めのようにロビン・ライト(「誰よりも狙われた男」「美しい絵の崩壊」をぜひ)、ハーヴェィ・カイテル(「グランド・ブダペスト・ホテル」をぜひ)出演で足を運んだとは思えない。たぶん題材に惹かれたんでしょう。またこの劇場のプログラムはなかなか個性的なライン・アップとなっているし、工夫を凝らして集客力を上げるという正攻法で継続していただきたい。

 

 さて中身は本日観賞作中もっとも新しいネタと感じさせてくれる。新しかった士郎正宗に時代は追いつき、体裁は近未来なれど今を描いているマックスのお話より生々しい。「チャッピー」に付随してチョロっとカジった本によって、“オレちょっと情報更新しちゃってる”気になっている私めを満足させてくれます。予告でも描かれていますけれど、“映画会社が俳優をデジタルデータ化して所有する”という設定は現実的。

 

 「NEXT WORLD」に出ていたんですけれど、自分のライフログをインターネット上にアップロードしている人がいるのだそうな。既に「バットマンズ・フォーエバー」の時に俳優の実写部分とCGの境界は狭まっていて、「スターウォーズ・エピソードU」のメイキングではユアン・マクレガーの首から上だけが実写で、後はCGだとジョージ・ルーカスが言ってたような。

 

 デジタル化は2012年の「サイド・バイ・サイド」よりさらに進行しているのは間違いなく、“もう若くはない”ロビン・ライトにデジタル化のオファーが来る。ま、実際の彼女は身勝手女優ではないと思うけど、「プリンセス・ブライド・ストーリー」「フォレスト・ガンプ/一期一会」が挙げられているから、虚実入り乱れていて興味深い。「ステート・オブ・グレース」に触れているのにはニヤリ。

 

 ただ、“全てに金が絡む”映画のことを批判する内容ではなく、もっと広範囲に資本主義社会への警鐘が込められている。ポール・ジアマッティ(「WIN WINダメ男とダメ少年の最高の日々」をぜひ)扮する医師がアッサリと、「いくら薬で夢に浸かったって幻に過ぎない」とロビンに告げるけれど、肝に銘じておかなければならない真実だと思う。確かに新しいテクノロジーによって、寿命も伸びるだろうし、資本が注入されているから注目度も増している昨今。

 

 しかしながら元を正せば“病に苦しんでいる人の為”から発していることなのだ。そこに配置されているのが息子のアーロンで、演じるコディ・スミット=マクフィーは「ザ・ロード」「モールス」からどんどん大きくなっていてびっくり。さらに目を引いたのがお姉さん役のサミ・ゲイル。上手いわけだよね、この人は「デタッチメント 優しい無関心」でキーになる少女だったのだ。

 

 「プリデスティネーション」の時に世界がデジタル化する前に書かれたものの方が、現在渦中にあって、洗脳されつつある人間が書くものより豊かなのでは?という気がしましたけれど、レイ・ブラッドベリ(「サウンド・オブ・サンダー」)にしろ、このスタニスワフ・レムにしろ効きますね。もっともこの監督の持ち味=アニメーションがダメで、「スキャナー・ダークリー」みたいに家でもう一度じっくりいかないと。

 

 早い話が腹八分目で劇場を後にしたんですけれど、後々面白さが分かってくるに違いないことは確か。“新しいもの”はその時にはチンプンカンプンでも、情報が積み重なっていくと分かってくることもある。これは昨今身に染みるようになっていまして、ティム・バートンなんかモロだ、スティーヴン・スピルバーグだって発見しつつある段階だ。簡単にその場でダメと決めつけるのはまさに短慮、お楽しみは後ほどという作品があっても良いのです。そういえば、デジタル化した彼(超大物スター)ってアニメになると歯が際立ってますね。

 

現在(6/24/2015)公開中
オススメ★★★★☆

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