関連テーマ 

 

 

 

 


サイドボックス

ここにテキスト


出し

アクトレス/女たちの舞台

  アクトレス/女たちの舞台

 

 本作の報に接したのが1年以上前、シネマトゥデイのカンヌ国際映画祭を特集したページ。再度見てみるとそこには「あの日の声を探して」「さらば、愛の言葉よ」「サンドラの週末」などが原題のまま載っていて、それらと比べるとコチラは遅い公開ということになる。もっとも“〜賞獲得!”の宣伝より、俳優さんが1年に何度も顔を見せる方が、忘れっぽい人々には効果があるかもしれない。

 

 クリステン・スチュワートが出演していた「アリスのままで」が7月で、3ヶ月してまたスクリーンで彼女を拝めるのは悪くない。ま、あのシリーズから解放されて本業に専念できる状態になったのかな?そして彼女からすれば、大女優なのがジュリエット・ビノシュ。“光陰矢の如し”という諺はトシ取らなくちゃ実感できません、あの「存在の耐えられない軽さ」の可憐な少女も今や・・・。

 

 このあと控えている「ダイバージェントNEO」にもケイト・ウィンスレットとナオミ・ワッツが出ていて、色々思い出しながらの観賞となります。賑やかな日曜日の109シネマズ湘南には場違いな客ですな。ま、寂しいのは中年の常ですが、本日は“華やかな新旧女優競演2本立て”です。そして本作はその女優業を描き出していてなかなか興味深い。

 

 監督のオリヴィエ・アサイヤスは「パリ、ジュテーム」しか観てないけど、「カルロス」も「夏時間の庭」も見てみたくなった。フィルム撮影だと思われるスイスの景色は、デジタルには出せない優しさを感じる。リマスターされた「エル・スール」、「ミツバチのささやき」もモニターでの観賞ながら、しみじみ味わうことができます。観客を飽きさせない仕掛けはデジタル技術だけではない。

 

 映画に出てお芝居するのが女優さんですけれど、その仕事は撮影現場だけではない。移動中でも常に電話をかけまくって、アチコチ連絡を取り合っていなければならないとはお忙しい。「マップ・トゥ・ザ・スターズ」では奴隷秘書などと呼ばれていましたが、クリステン演じる個人秘書のヴァレンティンと大女優のマリアの関係はもっとまともに見える。

 

 ところがアレコレ命じられるままに仕事をしている方が、むしろ楽だという役割を担わなければならないヴァレンテイン。マリアの本読みに付き合う部分がモロなんですけれど、ストレートにぶつけてくる大女優とサシで勝負。ここが見所で、クロエ・グレース・モレッツとの対決かと思いきや、ジュリエットとクリステンの演技合戦になっている。

 

 「アリスのままで」でもジュリアン・ムーアを受け止める役でしたが、今回のクリステンは予想していた通りだった。そしてもう過去と決別し、次の段階に進むべき女優マリアは果たして・・・、の部分はぜひご覧になってご確認を。「コングレス未来学会議」ではデジタルデータ化しようとする女優をロビン・ライトがやってましたけど、「デブラ・ウィンガーを探して」を見るともっと面白いかもしれない。

 

 映画監督の仕事を今までなかったアプローチで描いたのが「天使が消えた街」。既に50代のジュリエット・ビノシュが、今だからこそ演じられる旬な作品とも言えます。映画好きとしては女優さんの日常が垣間見られるだけでも美味しい。もっともジュリエットは余裕でこの役を演じていることは「おやすみなさいを言いたくて」が証明している。そうそう、「ブルックリンの恋人たち」のジョニー・フリンはやはりミュージシャンの方が合っているかも。

 

現在(10/25/2015)公開中
オススメ★★★★☆

Amazon.com


前のページ     次のページ

 

top

 

関連作

  おやすみなさいを言いたくて

 

 いきなり心胆寒からしめるシーンから始まる。お葬式の様子をジュリエット・ビノシュ演じる女性写真家が撮影しているかと思いきや、自爆テロの実態が描かれる。「アメリカン・スナイパー」の冒頭がそうだったように、どれだけTVニュースで自分をごまかしながら生きてたって、世界の実情は甘くないことを思い知らされる。ジュリエットは声まで変えて挑んでいるシリアスな1本。

 

 岐路に立つ女優を演じる「アクトレス/女たちの舞台」は余裕だったのだ。既にコチラで仕事と家族との間で引き裂かれる女性を演じていたんだから。「アイアン・ソルジャー」では家庭が崩壊してしまっていますが、ジュリエットが演じるレベッカには、妻を心配する夫と帰りを待つ娘2人がいる。母国アイルランドの自然は美しく、彼女が赴く戦場と残酷な対比をなす。

 

 興味本位や金目当てでレベッカが命をかけているわけではない。長女に語るシーンでハッキリしますが、彼女を突き動かしているのは怒り。「セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター」で幾つも見ましたが、内に秘めた強い何かがなければ、力のある写真は撮れない。レベッカは特定の誰かではなく、今も世界のどこかで撮り続けている写真家の一人。

 

 「ある愛の風景」も参考になりますが、「ドローン・オブ・ウォー」とは逆の視点でアフガニスタンの今を知ることになった。「U2/魂の叫び」の頃とはまるで違うラリー・ミューレンJr.にはビックリしましたが、夫役のニコライ・コスター=ワルドーは「オブリビオン」の時の予感が的中。ヨーロッパは仏英伊独だけを注目していれば良いというわけではない。

 

 「ブルックリンの恋人たち」アン・ハサウェイも入魂でしたけれど、本作のジュリエットも年期が違います。一般的な我々よりよほど世界を知っている、出るべき作品を分かっている。Kindleコンテンツで新聞などの情報を補正、映画で身体に染み込ませるように世界を見ておかないと・・・。でもちゃんと感動作になっていますので、ぜひご覧になってご確認を。涙止まらなかったんだよな。
オススメ★★★★★

Amazon.com

DMM.com


ホームページ テンプレート フリー

Design by

inserted by FC2 system