関連テーマ 

 

 

 

 

 

 


サイドボックス

ここにテキスト


出し

チャッピー

  チャッピー CHAPPIE

 

 副次的ではありますけれど、本作のおかげで2、3冊A.I.について書かれている本を手に取ることになった。すると「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」「her/世界でひとつの彼女」などが次々に公開されていることに合点がいく。ホントに絵空事ではなく、“技術的特異点”なるものを人工知能が超えた場合、目まぐるしい今よりもっと時代は加速しそう。

 

 未整理であろうがなかろうが、さっさと作らないと時代は先に進んじゃって、ポイントを確認することができなくなる。珍品ではありますが、「サウンド・オブ・サンダー」で示された考え方は参考になる。“ある起点から波が派生して未来が変わる”というのはさすがレイ・ブラッドベリ。よって「スティーブ・ジョブズ」「ソーシャル・ネットワーク」もあの時点でなければならなかった。

 

 で、「第9地区」「エリジウム」のニール・ブロムカンプですから期待できます。前2作に共通するのは格差であるとか差別であるとか、人間の悪しき部分が描かれている。なので当然本作にもそれが込められている。もっとも今回はそれほどキツくはなく、監督自身が自作を整理しているかのようだ。冒頭部分がまさにそうで、A.I.のことをTVニュース風に映し出しているのは処女作そのもの。

 

 で、強引ですけれど「ロボコップ」「A.I.」の合体技を、庶民レベルで描いている。ついさっき観終わった「サンドラの週末」もそうですけれど、会社のCEOとか先端の科学者が主人公だったら、映画好きは満足しない。A.I.関係の本読んでから来るのも物好きですけれど、わざわざ金払ってTV洗脳みたいな代物を見せられてもありがたくない。

 

 さて、会社の資産をこっそり家に持ち帰って、寝る間も惜しんでせっせとA.I.を完成させるのが技術者ディオン。彼が開発したシステムが警察に好評なので、社長のお気に入りなんだけど、金にならないモノは相手にされない。社内には軍人上がりのライバルもいたりして。軍隊を辞めて民間軍事企業に就く人もあれば、ノウハウを活かしてシステムを開発する人もいるわけね。

 

 社長がシガーニー・ウィーバーでライバルがヒュー・ジャックマン。両名ともロボを操縦する役になっているのでニヤリとしてしまう。シガーニーは「エイリアン2」だし、ヒューは「リアルスティール」。目立つのはこの2人で、当然脇を締める役に徹している。翻ってチャッピーの創造者は初めてだなぁ、というのが誤りで「スラムドッグ$ミリオネア」の主役だったりして。

 

 新鮮だったのはチャッピーをかっぱらって、お仲間になるギャングの面々。パパとママになるニンジャとヨーランディは個性的で、本作が“我々からかけ離れた物語”になるのを防いでいる。「ヨルムンガンド/PERFECT ORDER」にも似たような殺し屋チームが出てきますが、キカイダーが悪い連中に拾われたらどうなったんだろう?を見ているようで楽しい。またチャッピーの電池切れは「ブレードランナー」っぽかったりして。

 

 全体的に過去作品のオマージュ満載で、それを見つけるのは映画好きのお楽しみ。「人工知能は人類を超えるか」の詳細を映画にするのは無理がある。よって、「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」にもあった“機械との融合”だけで十分。実際にやろうとしている人いますからね。「NEXT WORLD」の“脳をアンドロイドに移植する”を参考までに。

 

 本作の社長は金にならないから見向きもしないけれど、実際にはこの種の研究に資本が注入されている。研究していた人々は前からだけど、黄昏時の先進国だし“少しでも健康で、長く生きていたい”という欲望がその流れを加速させているのかもしれない。参考にした「人工知能は人類を超えるか」によると、人工知能にはかつて冬の時代もあったそうな。

 

 また47歳のオッサンが思い出してしまうのは、「銀河鉄道999」の星野哲郎と「ルパン三世VS複製人間」のマモー。どちらも70年代末期にスクリーンに登場したキャラクターで、当時の日本人は若かったから、“永遠に生きる”ことに魅力を感じなかった。星野哲郎は「機械の身体なんかいらいない」と宣言、ルパン三世は「マモー、やっと死ねたんだ」とつぶやく。ま、ここまで発展させたらヤバかったよね、人工知能に注目させてくれた監督に感謝。

 

現在(5/26/2015)公開中
オススメ★★★★☆

Amazon.com

DMM.com

 

前のページ     次のページ

 

top

 

関連作

  A. I.

 

 映画関係者は先端の情報に触れやすい。それだけでなく発見されたばかりのソレを元に、未来を描くことも可能なのだ。スティーヴン・スピルバーグの作品に何度も驚かされるということは、それだけ“遅れている自分”を発見することなのかもしれない。原案はあの「2001年宇宙の旅」の監督スタンリー・キューブリックで、メイキングをご覧になると、スピルバーグが託されたことが分かります。

 

 「シックスセンス」の天才子役ハーレイ・ジョエル・オスメント君の熱演に目がいけば「ピノキオ」のSFリメイクだし、「鉄腕アトム」の延長線上に思える。公開当時の印象もまたしかりで、そのまま脳内にしまいこんでいた。ところが「チャッピー」に合わせて幾つかA.I.に関しての本を読んでから見ると、現在でも笑われないお話になっている。特にA.I.が人類を超える“技術的特異点”を刻んでいるのでは?

 

 関わっているのがスピルバーグだけなら、人間のエゴまでは強調されなかったに違いない。しかしキューブリックが加わっているだけにヒトクセある。ひょっとするとA.I.が欲望を獲得した時点が“技術的特異点”なのかもしれない。アレでも人間の悪い部分が出てくると、一つ進化したのでは?と感じる。もっともより知的な好奇心を満たそうとするアレのような可能性も同時に存在する。

 

 派生した作品は多々あって、ロボットを破壊する残酷ショーなどは「リアルスティール」がマイルドに再現している。また公開年が2001年というのは象徴的。もちろんキューブリック不朽の名作は当然ながら、9.11発生前ですから2000年後までワールドトレードセンターが、ニューヨークのランドマークだと信じられていたのだ。SFの設定は他に紙の本がまだ残っていて、端末の画面に触れる描写が興味深い。
オススメ★★★★☆ 

Amazon.com

DMM.com

top

 

  ロボコップ

 

 「トータルリコール」「スターシップ・トゥルーパーズ」もコチラも、後にリメイクされていますけれど、監督のテイストはその“どぎつさ”。よって敬遠する人も多いんだけど、新しい方に物足りなさを感じたらオリジナル、古い方にうんざりしたら新しい方にという並行観賞も可能です。パトロールの警官は危険と隣り合わせ、撃ちまくられるマーフィが見ていてホントに気の毒だった。実態はコチラをご参考までに。

 

 警察が手に負えない犯罪に、企業が手を貸す。公開当時に本作が新自由主義を批判していたかまでは分かりませんでしたけれど、今だと痛感。利潤追求と公益を計りにかけるとどうなるか?自動車産業が衰退して、壊滅的になったデトロイトが舞台というのもオランダ人監督ヴァーホーヴェンならでは。「ホワイトハウス・ダウン」のローランド・エメリッヒも遠慮ナシなのは近い感じです。

 

 確か「宇宙刑事ギャバン」がデザインの元になったそうですけれど、ナンシー・アレンの役名がアン・ルイスというのも日本に対する配慮だったんでしょうか?顔だけ出ているピーター・ウェラーですけれど、このイメージを払拭できたのは「裸のランチ」か「愛のめぐりあい」辺りか?「スター・トレック/イントゥ・ダークネス」ではバッチリ悪玉に変身でしたな。
オススメ★★★☆☆

Amazon.com

DMM.com

 

ホームページ テンプレート フリー

Design by

inserted by FC2 system