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サード・パーソン

サード・パーソン  サード・パーソン

 

 おすぎさんの““おすぎのビデ・シネプレビュー”は助かります、おかげで「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」「もうひとりの息子」も当たりだった。でも本作については“つまらない”という評価で、ムムム。ずっと前だけど監督のポール・ハギスが好きな同僚がいて、「クラッシュ」が傑作なもんで彼の作品には、劇場に足を運ぶ習性が身に着いちゃってる。で、けっきょくおすぎさんのご忠告は参考に止めた。

 

 何かの縁なのか川崎でコレを観るわけですけれど、「告発のとき」の時はチネグランデだった。しかし閉館していて、別なものに様変わりしている状態に呆然となり、寂しさが・・・。もうホントに中年になったことを実感で、「機動警察パトレイバーTHE MOVIE」で松井刑事が東京について語る「ちょっと目を離すと別なものに変わっている」というセリフが頭をよぎる。

 

 ただしそんな中年だけに心地よい作品でもあります、悪くないんですよ。関連でオススメできるのは「360」「ヒアアフター」といった辺りで、世界をそのキャンバスに、点在する人々を繋げて物語を綴る形式。でも先に挙げた2作品ほどカッチリ仕上がっていないから、評価が低くなるのもうなずけます。ところがぼんやり眺めるのには適しているし、トシいった人々に向けてのほろ苦い恋愛劇にも見える。

 

 リーアム・ニーソンが作家で、冒頭に登場であるから構造全体のヒントになる。「LIFE!」のような展開かもしれないし、作家が主人公のスタイルかも?と想像は膨らむ。フランスのホテルに滞在している作家のマイケルを、美女オリヴィア・ワイルド扮するアンナが訪ねてくる。「スリーデイズ」では双方ともチラリ出演でしたが、本作では主要人物で大人の関係を見せてくれる。

 

 リーアムはドラマ仕立ての「愛についてのキンゼイレポート」などがありますが、オリヴィアはその類まれなる美貌を活かした、「トロン:レガシー」とか「TIME/タイム」などのSF作品がほとんどだった。でもこういう日常を生きる美人も悪くない。続いてイタリアに登場するのはエイドリアン・ブロディ。前夜に見た「デタッチメント 優しい無関心」が素晴らしかったけど、この人も自然に役になりきります。

 

 産業スパイというほど仰々しくはないけど、エイドリアン演じるスコットはファッションのデザインを横流しにするいかがわしい男。飲み屋で気になったロマ族(ジプシー)の女と“関わらなけりゃあ良かった”コトに巻き込まれるうちに、情が移って深みにはまっていき・・・のお話が展開する。ロマ族の女=モラン・アティアスは「スリーデイズ」にも出ていたそうな、なかなか濃い感じで印象深い。

 

 そして「ジュピター」公開が控えているミラ・クニスとジェームズ・フランコがニューヨークのパートを担う。「ロード・オブ・クエスト」などにも出ますが、あくまで自然体のジェームズと、新しい奥さん?に扮しているロアン・シャバノルは美人でニヤニヤしてしまう。そこにマリア・ベロ(「プリズナーズ」)が他のエピソードへリンクさせる役として登場するんですけれど、カッチリ分かりやすく説明していない。

 

 ですから「アンナオズ」っぽいのかな?の予想も意味がなくなって、ただぼーっと眺めているに尽きます。この流れはそんなに退屈じゃないし、美女と各都市の描写は心地よい。「リベンジ・マッチ」でお婆ちゃんにされてしまったキム・ベイシンガーも、オッサンの私めにとっては目の保養なのです。「シルビアのいる街で」を劇場で体験していたらこんな風に感じたかもしれない。

 

 群像劇の場合、ポール・トーマス・アンダーソンの「マグノリア」とか「ブギーナイツ」は傑作で文句はない。ロバート・アルトマンの「今宵フィッツジェラルド劇場で」は芸術的なまでの流れで観客を唸らせた。前回完全リメイクに挑んだポール・ハギスが独自路線を貫いたとも言えるし、“らしい作品”を目指しすぎるのもナニだけど、劇場観賞する価値はある。ま、あくまで大人にとってのお話です、「ザ・ホスト/美しき侵略者」とは対象年齢がまるで違う。

 

現在(6/21/2014)公開中
オススメ★★★★☆

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関連作

  デタッチメント 優しい無関心

 

 エイドリアン・ブロディが製作もかねて主演の“師と弟子”映画の傑作。本作を見るまでは「ミュージック・オブ・ハート」がこのカテゴリー不動の位置にあったが、これは私にとってのベスト。21世紀の現実も物語に反映させていて、苦い良薬になった。フランスのドキュメンタリー「パリ20区、僕たちのクラス」が捉えた“学校の今”は合衆国とて無縁ではない。

 

 確かに熱血教師が生徒を導くのも事実だろう、そのドラマには観客の心理を救済する作用が含まれているし、なくてはならない作品群だ。でも本作は大人が目を背けている“我が子を預けている学校はもしや”の不安を倍加させてしまう。そんなホントのことを観客に直視させる勇気は「アメリカンヒストリーX」の監督トニー・ケイにしかないのかも。喜んで出演したであろうキャストは驚くべき豪華さだ。

 

 マーシャ・ゲイ・ハーデン(「ミラーズ・クロッシング」)もルーシー・ルー(「ラッキーナンバー7」)も入魂だがジェームズ・カーンは健在で唸る(「ゲットスマート」ではちょっとくたびれてたからね)。もちろん主演のエイドリアン・ブロディ扮するヘンリー・バースが目にする現実、置かれた状況は我々の隣人のものだ。ダメな学校を建て直すはよくある話。しかし非常勤講師として熱意ではなく、淡々と動じない態度で臨むことが今は求められるのだ。

 

 民間の力を用いても悪化するばかり、セールスマンみたいなのが教育を土地運用にたとえて先生たちが呆れるシーンは象徴的。路上で暮らす少女との部分がなかったら、とてもじゃないけど救われないラストだった。データを漁ってから映画を見ている昨今、本作に賞を与えられた東京国際映画祭にまたまた感心。合衆国の現実をアメリカ人に教えてあげるんじゃなく、そう遠くない将来を日本人が見ておく意味でも受賞作は粒が揃ってる。いや、既に現実化しているか。
オススメ★★★★★

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