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ザ・ホスト/美しき侵略者

  ザ・ホスト 美しき侵略者

 

 シアーシャ・ローナン主演によるエイリアンものトワイライト・シリーズの原作者ステェファニー・メイヤーがプロデュースも手がけている、じゃなくて「ロード・オブ・ウォー」アンドリュー・ニコル監督作だから観に行く、という人は少ないかもしれない。ホームページで「ガタカ」「TIME/タイム」の監督として謳われていて、彼の代表作とされるのは無難な方みたい。

 

 でもさ、「シモーヌ」なんかもいけるし、脚本の「トゥルーマンショー」も辛辣で面白いんだけどね。監督としてはダーレン・アロノフスキー(「ノア/約束の舟」)よりお気に入りのアンドリュー。ただし本作は“雇われ監督”に徹しているようで、毒も辛辣さも控えめだった。前作も大通り寄りの作品だったし、武器商人とかTV視聴者の恐ろしさばかりを描いていては、仕事に差支えがある。

 

 ただしエイリアン映画は昨今お見かけしないからありがたかった。路線としては「インベージョン」よりマイルドな感じで、この種の題材はやはり「ゼイリブ」とか「ヒドゥン」なんかが合っているのだなと再確認した。まだまだ成長過程のシアーシャ・ローナンとダイアン・クルーガー(「ミシェル・ヴァイヨン」)共演で、ウィリアム・ハート(「ニューヨーク冬物語」)などが出ていてもB級です、そのつもりで観ていればけっこういける。

 

 これは観客の努力次第になっちゃうけど、目くじら立てないで自分で面白い部分を見つけて楽しむに限ります。“エイリアンに乗っ取られたけど、地球は穏やかで平和になった”がイントロで、“支配下に置く”という旧来のイメージとは設定を変えている。でもコレがあんまりアピールしない。エイリアンの正体もビフィズス菌みたいで、新鮮のはずなんだが、迫ってくる感じがない。

 

 要するにエイリアン映画は圧倒的な科学力で、強引に侵略するキモい宇宙人じゃないと、観客を作品世界に連れていくのが難しい。パロディなら「宇宙人ポール」のような展開もできるけど、スタイリッシュな映像だとそうもいかない。では本作の持ち味はというと、一人漫才とジュブナイル・テイスト。「鉄腕バーディーDECODE」が最も近いんだけど、身体は一つ、心は二つの状況が特色の一つ。

 

 女優シアーシャ・ローナンの見せ場はココで、寄生した生命体も乗っ取られた地球人も一人芝居で持ちこたえなければならない。頑張ってましたよ、更に彼女の美貌はハナタレの10代だったら、間違いなくノック・アウトされていたハズ。染み一つない色白で端正な顔では個性が引き出せないから、「グランド・ブダペスト・ホテル」ではわざわざアザ作ったんだもんね。

 

 そんな彼女に美貌で引けを取らないダイアン・クルーガーも相変わらず美しい。この2人で「スノーホワイト」も成立するよな、などと思ったりして。ただねぇ、綺麗な男の子も出てくるんだけど、甘酸っぱい恋模様=ジュブナイルテイストはオッサン向きじゃない。もうちょっと「アイランド」みたいに激しく動くか、ヨーロッパテイストの「インストーラー」みたいに非人間的に迫っても良かったのでは?

 

 今後「ダイバージェント」なども出てくるから、「トワイライト初恋」「ハンガーゲーム」が切り開いた流れはまだ続きそう。「ニューヨーク/冬物語」であれば作品世界に入れたんだけど、もうあまりティーン・エイジャー向けはピンと来なくなった。アメコミ映画もそうで、トシには勝てません。ただし監督の次回作は引き続き期待だし、シアーシャ・ローナンも次作「わたしは生きていける」に興味津々。本作とのギャップを楽しめそうだからね。

 

現在(6/14/2014)公開中
オススメ★★★☆☆

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関連作

  天使の処刑人 バイオレット&デイジー

 

 新しい映画を創造することは難しくても、観客が新しいと感じたら楽しめる。「プレシャス」の脚本担当だったジェフリー・フレッチャーは、そんな気にさせてくれる監督。確かにクエンティン・タランティーノ(「パルプフィクション」)の影響もあるけどさ、「セブン・サイコパス」とかクライム・コメディでもなければ、洋画のコメディが劇場公開されるケースは希になった。

 

 で、主演のバイオレット&デイジーになった2人、アレクシス・ブレデルとシアーシャ・ローナンはウェス・アンダーソン作に出演歴がある。アレクシスが「天才マックスの世界」で、シアーシャが「グランド・プタペスト・ホテル」。データを漁ってから映画観賞とはなんとも珍妙だが、昨今ずっとこんな姿勢で見ている。そして本作に至った経緯もジェームズ・ガンドルフィーニがカギ。

 

 「おとなの恋には嘘がある」だけでなく本作の彼にもご注目、2人の美少女だけでは成立しない。「疲れてるから、仕事したくなーい」などと言ってる殺し屋コンビは、洋服欲しさに依頼を受ける。ところがターゲット(=ジェームズ演じるマイケル)と過ごすうちに・・・。彼が亡くなったのは惜しいなぁ、ポッカリ穴があいちゃったな、と痛感するラストはぜひご覧になってご確認を。

 

 オッサンのキャストは他にもマチェーテ=ダニー・トレホなどが出てきたりして、映画好きとしては美味しい。牛乳の白い痕を鼻の下に付けちゃったり、殺人マシーン「ハンナ」とは別人のシアーシャは等身大で可愛い。既に吸血鬼にはなったから、「ザ・ホスト/美しき侵略者」ではどんな変身ぶりか?でも既にストックされている「わたしは生きていける」は監督がケヴィン・マクドナルドと気になります、注目女優です。
オススメ★★★★☆

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  鉄腕バーディー DECODE

 

 漫画家ゆうきまさみの原作映像化作品で、最も有名なのは機動警察パトレイバーだ。今年(2014)も実写化されたものが連続してイヴェント公開されている。しかしワシが高校生の頃に初めて触れたのは究極超人あ〜る。写真部ならぬ光画部の面々が繰り広げる等身大の小気味よいギャグは、「日常」などが継承しているようだ。で、本作もだけど手塚治虫の傑作「鉄腕アトム」をその遠い先祖に持っているハズ。

 

 R田中一郎の出生エピソードはまさにアトムのパクリで、本作のタイトルもまたしかり。しかし主人公のバーディーは宇宙刑事で、「コブラ」「クラッシャージョウ」なんかの影響もあったのかな?原作を読んだのはずいぶん前だし、正確なところはわからないけど、要素はきちんと抽出されている(と勝手に解釈)。

 

 「ザ・ホスト/美しき侵略者」でシアーシャ・ローナンは一人漫才を繰り広げますが、コチラはバーディーと、彼女に身体を吹っ飛ばされた千川君の掛け合いが見もの。画の雰囲気に慣れたら、一気に作品世界に入り込んでしまう。それもこれも強く、明るい正義の味方=バーディーのキャラクターがキモ。「有田しおんであります〜」と口をついて出るようなったら、あなたも虜。未だDVDの2までしか見ていないけど、続きが楽しみだ。
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