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 もうピカピカのHD画面には慣れっこになっていて、たまには“午前十時の映画祭”で雨降ってる映画が観たいなぁ、などと思ってたら、本作はフィルム撮影された映像で一気に引き込まれた。このあと予定しているのは「インターステラー」で“俺はフィルム派”のクリストファー・ノーランだから(「サイドバイサイド」をご参照ください)、本日はフィルム映画2本立てになる。

 

 ずいぶんと妙な言い方になってしまいますが、コレが21世紀の映画事情。「ソーシャルネットワーク」の時はまさかここまで役者にハマり込むとは思いませんでしたけど、主演はジャスティン・ティンバーレイク。「ステイ・フレンズ」がなかなかで、「人生の特等席」でも上手くて、持ち前の歌唱力を「インサイド・ルーウィン・デイヴィス」でご披露。

 

 気がつくの遅いですけどあの'N SYNCの人だったのね、ちなみにあのグループのお気に入り曲はもちろん「ミュージック・オブ・ハート」のテーマ。役者人生も歩み出した彼は若手俳優が一度はやる“ギャンブルねた”に挑戦。トム・クルーズ「レイマン」「ハスラー2」マット・デイモン「ラウンダーズ」「ラスベガスをぶっつぶせ」が2008年で、ジム・スタージェス君も順調に出世している(「ワン・デイ」「クラウド・アトラス」など)。

 

 ただ、ポール・トーマス・アンダーソンの処女作「ハードエイト」にしても博打といえばカジノが舞台。ところが21世紀はソコに行かずとも、家で賭けができるネット社会。「リンカーン弁護士」の監督なんだからキッチリ現実を描いていて、セリフの端々にのせて最新事情を教えてくれる(株も不動産も)。ジャステイン演じるリッチーは、ネット・カジノのアフィリエイトで稼ぐプリンストン大学の学生。

 

 もちろん友達をギャンブルサイトに紹介したりするもんだから、学長に釘刺されたりして。人にやらせているうちはオケラにならない博打に手を出し、全財産スッちゃっう。引けなくなって元締めを念入りに調べてイカサマを発見、アメリカ人のワルがやりたい放題のコスタリカに直行。ところがベン・アフレック演じる“21世紀の成功者”に気に入られて、同じ穴のムジナに。IT関連の成功者なのに、悪役のアイテム=ワニを飼ってるのは笑える。

 

 もうワン・パターンと言えばそれまでなんだけど、どういうワケかボスの女とデキちゃうところまで王道。でも「レインディア・ゲーム」の頃はベンがその役回りだったんだよね。この連綿と繰り返される物語でも、監督のブラッド・ファーマンが手をつけてくれるのはありがたい。ひたすら長く、難しくなるアメリカ映画に、とにかく短く簡潔にまとめる手腕はなくてはならない。

 

 突っ込もうとすれば幾らでもいけるけど、脇も十分締りのある人たちで見事に成立させている。ボスの女になったジェマ・アータートン(「ヘンゼル&グレーテル」はカッコイイから見てね)はやはりフィルムに映える本物の映画女優。ヤクザも顔負けの非合法捜査をするFBI=アンソニー・マッキーも気合入ってる。この人も「セレブの種」の時は坊やだったんだよなぁ。

 

 「メビウス」が参考になりますが、警察が手も足も出せない賢い連中の犯罪は、同族間で食い合させれば良い。もちろん本作のリッチーはその計略にハメられて、にっちもさっちもいかなくなる。ただし、したたかな彼は大逆転に賭ける・・・ぜひご覧になってご確認を。確かに痛快映画のパターンは限られているけど、91分の上映時間に収める手腕こそ希少価値があります。

 

現在(11/23/2014)公開中
オススメ★★★★☆

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 きっとマシュー・マコノヒー(「リンカーン弁護士」)も、ベン・アフレック(「ランナーランナー」)も、このテイストでくると期待してブラッド・ファーマン作品出演を決めた可能性が高い1本。デビュー作に気合が入っているのは、デヴィッド・エアーの「バッドタイム」とご同様。そしてパッケージもイケてなくて、店頭から下げちゃったレンタル屋が多いのもまた。

 

 ロサンゼルスの現実を描いた2作品を、並行してご覧になるのも良いかもしれません。方やイラク戦争から帰還した兵士の職探しで、方やメキシコ系の警備員の復讐劇。「狼たちの報酬」「ブレイキング・ポイント」などクライム・サスペンスとして認識されますが、その範疇を超える見応えは請け合います。それは映画好きにとってたまらないキャスト、その起用のされ方でも証明されている。

 

 ジョン・レグイザモ(「リンカーン弁護士」に出てました)とロージー・ペレス(「ハードプレイ」をぜひ)が磐石だとしても、ボビー・カナヴェイルが切れ者捜査官になっているのにガッツポーズ、「WIN WINダメ男とダメ少年の最高の日々」「ブルージャスミン」観ているだけにニヤニヤ。そしてタイリース・ギブソン悪役ぶりが貴重。あの「トランスフォーマー」のエップスですから。

 

 警備員が仕事中に襲われて、頭まで撃たれたのに容疑をかけられるのは、ロスでは不思議なことではないんでしょう。全編ロケで撮影され、フィルムの感触は後の2作に継承されていている。臨場感も生々しく、ドキュメンタリーにすら見える。ぜひ特典映像も合わせていかがでしょう、監督だけでなく関わったスタッフが熱く語ってます。クライム・サスペンスが看板だとしても、犯罪を被った家族の再生を正面から描ききってる。
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