関連テーマ 

 

 

 

 

 


サイドボックス

ここにテキスト


出し

VHSテープを巻き戻せ!

  VHSテープを巻き戻せ!

 

長くなります、思い出話とトリビアばかりです

 

 愚痴になりますが、映画を観るのに1泊するハメになりました。ところがなかなか得難い体験をさせてもらう、貴重な1本との出会い。経緯はというとまず「太秦ライムライト」のようにallcinemaで見つけて気になり、「なんだ、押井守も出ているではないか」と観賞決定。そこまでは良かったんですけれど、なーんにも考えないでVHSテープの形をした前売り券を買っちゃったのが運の尽き。

 

  いざ観に行くとなったら終映時間は、ド田舎に帰って来れない深夜帯。前売り券に関して押井守は鬼門です、「THE NEXT GENERATION/パトレイバー」がそうでしたから。ただ衝動的になるもんです、自分が四半世紀も携わってきた商売道具のドキュメンタリーなんだから。宿探しから始める映画観賞とはホントに間抜けながら、かつて住んでいた西大井で寝床を確保してから夜の渋谷へ。

 

 アップリンクでの観賞は今を去ること14年前、ハル・ハートリーの「ブック・オブ・ライフ」に行って以来。もっとも場所は移動していて、小奇麗になっていました。映画マニアにとっては“なくてはならない場”かもしれないけれど、ただの映画好きはホント一見さん。渋谷はオーディトリウム(「第九軍団のワシ」の時)にしてもユーロスペース(「四つのいのち」の時)にしても、たまーに寄らせていただいている程度。

 

 シアターNは閉館してしまいましたが、新宿の映画館とは作品傾向がちょっと違うのかな?シネマライズはワリと口当たりの良い作品(「her/世界でひとつの彼女」)ですね。お客さんもまたしかりで、通の人か映画関係者っぽい雰囲気の人を散見。レンタル屋をしてきたような人は見かけなかった。でも現在もレンタル屋は存在するんだから、お勉強の意味でも観ておいて損はないと思うんだけど。

 

 「僕らのミライへ逆回転」もタイトルは“BE KIND REWIND”でしたけれど、本作も“REWIND THIS”。でもDVDから映像コンテンツの体験をスタートした若い人が、巻き戻せって注意書きを理解できるものかな?初期のコンピュータも記憶媒体はカセットテープだった。これは順次アクセスのみの機能で、すぐにランダムアクセス可能なフロッピーディスクが出てきて取って代わられた・・・。

 

 この手の話を長々とすると収拾つかなくなりますので割愛。ただレンタル屋の貸し出し管理をコンピュータを使ってやっていたので、オマケとして機械の方も強くなったのです。さて、映画が始まるとノミの市でVHSの中古を探している人が出てくる。嬉しくなっちゃいますね、売る方も買う方もやったから(よく正月は店の外で売ったなぁ)。で、探して何を買っているかといえば「シェイクダウン」という珍品。

 

 続いて「ピープルVSジョージ・ルーカス」にも出てきそうなマニアの人たちが続々と持論を展開。ホラーのファンが多くて、珍品を探しているならこの人たちに尋ねるのが一番でしょう。「宇宙人ポール」の2人などはまだマイルドな方で、自前の作品を撮り続けている人、VHS販売店を継続して維持している人たちなどを見ると、元同業だけに色々こみ上げてくるものがあります。

 

 確かに映画を好きな時に観賞できるのがビデオの特徴なれど、ランダムにアクセスできるDVDに取って代わられるのが宿命。劇中「ヒストリー・オブ・バイオレンス」の頃にはVHSは終わっていたのだと語る人が出てきますが、「スターウォーズ・エピソードT」とエピソードUの在庫状況を比べると一目瞭然。2000年にリリースされているTはまだDVDとVHSを同時に仕入れる必要があって、DVDの在庫は1枚。

 

 翻って2002年にリリースされたUの在庫は数枚と、5年くらい前には“DVD化が完了しつつあるな”と思ったものです。正確に数値化できませんが、VHSからDVDへの移行は5年くらいかかっています。2008年の「僕らのミライへ逆回転」で触れていますけれど、あれから遡ること5年前(つまり2003年)にはVHSを貸し出している店が現存していた。

 

続き

 

前のページ    次のページ

Amazon.com

 

top

 

関連作

陽はまた昇る  陽はまた昇る

 

 30代以下の人々にはチンプンカンプンの内容になる、日本サラリーマン物語&家電メーカー競争史。VHSの事情を知るには最適の1本。後に「半落ち」「ツレがうつになりまして」を手がける佐々部清監督だけに、題材の選択眼はさすが。彼の日本社会に向ける視線は冷静かつ鋭いので、「東京難民」など怖くて観に行けなかった。また「終の信託」と比べると、やや情緒に訴える感じは日本人には合っている。

 

 確かに日本映画の典型的な部分もあるが、実際のメーカー名を伏せずに使っているので、美談(NHKのあの番組)に陥らずニュースより濃く、後の資料としても価値を有する。実際にユーザーの視線で眺めると、必死の努力を続ける技術者だけでなく、営業の人たちも協力して結実したビデオデッキなんだなぁ、と改めて感心したりして。もっともベータのデッキを持っていただけに複雑でもあるんだけど・・・。

 

 会社上層部から従業員整理命令を受けた男が、起死回生の機械を生み出す。新しいものだけに周囲の賛同も理解も得るのは困難で、成功したから日の目を見ることができた、数ある物語の一つ。たぶん開発当時のビクターはオーディオメーカーの色が濃く、ビデオデッキは家電に類するのでは?と今となっては気づかされる。そしてその先のDVDとはIT機器に属しているのでは?

 

 こういう分類が正しいかどうかは分からないが、オーディオ機器はごく一部のユーザーを対象としていたが、ビデオデッキはもっと広範囲の人々を取り込むことに成功したので家電(一家に一台)の位置づけが正しいように思われる。「アメリカン・ギャングスター」を参照して頂ければ、70年代後半にはmade in Japanの機械がアメリカ産に勝利していたことは描かれています。

 

 自動車産業とともに日本経済を牽引していた家電だけに、ドメスティックな競争に終始していればよかった。国内メーカーの覇権争いとはまさに時代記号で、これが結果的に日本のIT化促進を遅らせた遠因とも言える。もっとも21世紀の今、思い当たっただけで、批判しても意味がない。窮地に陥った時どのようにして逆境を脱したか?のヒントがこの作品全般に散りばめられていて、登場人物たちは世間を呪ったりはしない。

 

 主演の西田敏行は温情と根性と人情のあるキャラクターを、過不足なく演じきっている。「遺体 明日への十日間」も素晴らしかったけど、ハマちゃんだけの人ではない。しかしもっと貴重なのが次長役の渡辺謙ですよ。今や「ラストサムライ」「インセプション」「GODZILLA ゴジラ」とアメリカ進出しているこの人の、身近にいそうな感じは新鮮でした。

 

 VHS対ベータのフォーマット競争で植えつけられたのは、“買うの待っとこう”という心理で、あまりメーカーにとって有益なことではなかった。そして“世界一”のブランドをこの時期に日本のメーカーは獲得。そして頂点に立っただけに、その後は・・・。下請けのエピソードから、松下幸之助まで引っ張り出してきて、文句なく日本人に訴える内容。40代以上の方必見。
オススメ★★★★☆

Amazon.com

DMM.com

ホームページ テンプレート フリー

Design by

inserted by FC2 system