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VHSテープを巻き戻せ!

  VHSテープを巻き戻せ!

 

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 閑話休題、末端のお話だけでなく、仕掛け人たちも続々と出てきて興味深い。今となっては“未開拓の市場に気がつかないのかよ”となりますが、まさかビデオの市場がハリウッドの売上7割(一時期)に達するとは、80年代には予想されていなかった。また同時に80年代とは、我が国の家電メーカー“最後の輝きを放った時代”でもあったことに気づかされる。それはぜひ「陽はまた昇る」を同時にご覧ください。

 

 VHSとベータの競争は本作でも語られていますが、ベータを最初に買った私めもモロに被りましたよ覇権争い。でもレコードとCDとは様子が異なります。これは映画の中でVCR(ビデオカセットレコーダー)の出てくる場面が、“ある限定された国のみ”と勝手に思っているからなのですけれど、ビデオは日本と合衆国以外ではあまり普及していなかったハズ。ビデオが普及していなかった分、タイとか中国でDVDが爆発的に広がったのでは?

 

 劇中押井守が語っているように、「海賊版はおにぎりより安いんだもんね」だそう。これはホントの話で、10年前には映画会社の人が「タイでさ、300枚くらい買ってきちゃったよ」などと聞かされて唖然としたものです。ま、その昔「ターミネーター」の粗悪品を死ぬほど繰り返して見ていたから、人のことは言えませんけれど。このドキュメンタリーは実にツボを押さえているというか、VHSの歴史を完全網羅している。

 

 完全にするためにはアダルトを抜きにしては語れないので、もちろんちゃんと組み込んでいる。「ブギーナイツ」でも描かれましたが、映画関係者でなくとも参入を可能にした(もっと進んだのが「恋するポルノグラフィティ」ですね)。視聴環境はどんどん先に行っていて、You Tubeの時代が現在。ですから「LIFE IN A DAY 地球上のある一日の物語」は画期的で、もっと発展させた何かが生まれる予感がある。

 

 恐らくなんですけれど、極言すればVHSの残したものとは恣意性でしょう。いつでも好きな時に好きな場所でコンテンツを楽しめる。それはスマート・フォンを使っている今に通じる。そしてなくなっていく時に気づかせてくれたのは作品の消失です。フォーマットが変わる時に起こる現象で、このページをコツコツ作る動機がまさにそう。だって世界に通じる押井守の「ダロス」を今見ることはできないじゃないですか。

 

 このドキュメンタリーは若い人には実感の薄い事柄も語られますが、VHSを通して見えてきたことがほとんど網羅されていて脱帽。保存に向かないことも警告されますが、ホントです。耐用年数は10年が限界で、縦に置かなきゃダメ。でも保存は万全と思われたDVDですけれど、光学メディアだけに紫外線には弱く見られなくなるケースがあります。注意書き通りに日の当たらないところに保管されるのがよろしいでしょう。

 

 夜の渋谷を歩くなんて10年ぶりの体験で、建物だって店だってどんどん様変わりしている。それは泊まった宿の周辺も然りで、変わり続けるのが世の常。でも加速度的に変化している今こそ、“VHSがなんだったのか”を刻んでくれた監督に感謝。確かにHDDのコンテンツを見ている人間ですが、どこかに釈然としない気持ちがある。それは何人も年配のお客さんから「もうビデオないの?」と言われたからですかねぇ。

 

現在(8/14/2014)公開中 ただそんなに長くは上映してないかも
オススメ★★★★☆

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 基本的にこのページ(サイト?)に載せるのは見て面白かった作品、オススメ品に限っております。DVDでレンタル可能なのは当然で、視聴不能の商品は避けている。そのどちらの条件もクリアしておりませんが、視聴環境は変化しておりますので、ひょっとするとほじくり返されるかもしれない。ま、ピーター・ウェラーかサム・エリオットが気になる方には「試しにいかが?」と後で怒られることを覚悟でオススメします。

 

 昨今ピーターは「スター・トレック/イントゥ・ダークネス」で悪役ですけれど、「ロボコップ」が当たって勢いのあった頃。細面だけに弁護士役で、巻き込まれて刑事と組むバディものが可笑しかったような。サムも今やじいさんですけれど(「ランナウェイ/逃亡者」)、タフな刑事がよく似合っていた。実は彼の「ロード・ハウス」での役に不満だったから、こちらが印象に残っていたようなもの。

 

 でも“記憶に引っかかっている何か”があると、のみの市でつい手が出ちゃうもので、「VHSテープを巻き戻せ!」のシーンは人ごとじゃあないんですよ。唖然とするラストだけは忘れられなくて、確かにもう一度確認してみたい。特撮混じりの有り得ないあの場面をね。
オススメ★★★☆☆

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