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オンリー・ゴッド

  オンリー・ゴッド

 

 昨今のTV宣伝(ニュース)ではタイは政治が不安定な国として喧伝されている。映画で知り得たかの国は、先進国の有象無象が“公にできない醜いこと”をしているという認識がある(「闇の子供たち」)。単純にTVがカモフラージュで、映画が実態というわけではないけれど、タイに関心があるのは「バンコック・デンジャラス」を製作したニコラス・ケイジだけではあるまい。

 

 宣伝文句は“「ドライヴ」コンビの熱狂再び”と謳われていて、適切な言い方だと思う。実際予告編でライアン・ゴズリングは隙のない、渋い佇まいで決まっていた。観客動員は良かったけど、ピンとこなかった前作より、今回は格段に好みにマッチしていた。片道2時間近くかかる電車の中で「ブロンソン」を見ていて、監督のテイストに慣れていたせいかもしれない。

 

 観光宣伝も考慮しなければならないTVは、“夢の中で生きたがっている視聴者”に、当たり障りのない情報を供給し続ける(当然だ)。だが、デンマーク出身のニコラス・ウィンディング・レフンは「シージャック」「未来を生きる君たちへ」の国の人だけに、タイの現実を背景に選んだ。ムエタイのジム、少女買春をしている夜の店、ヤクザの代わりに町を仕切っている警察。

 

 「アウトレイジ」と同様に裏社会を描く場合、嘘臭い味付けだと一気に漫画になってしまう。それはタイの作品「マッハ!」と比べれば分かりやすい。韓国は「アジョシ」が忘れられないけれど、あれば東映ヤクザ路線を先祖に持つ。翻ってこちらは北野武のテイストだ。ただし、「青い塩」よりディープに美を感じさせるのはデヴィッド・リンチの色も出ているからだ。

 

 北野武、デヴィッド・リンチともに、サドンデス的に残酷な描写が差し挟まれることで美を醸し出すけれど、この監督も間の取り方が絶妙。監督の要求を満たしているライアン・ゴズリングは、段々お気に入りになりつつある。「プレイス・ビヨンド・パインズ」も申し分ないし、本作のニコラス・ウィンディング・レフン、「ブルー・バレンタイン」のデレク・シアンフランスとの共犯関係は今後も楽しみ。

 

 「砂漠でサーモンフィッシング」でコミカルになったクリスティン・スコット・トーマスも、ヤクザ兄弟の母親という新境地開拓。「ラルゴ・ウィンチ/宿命と逆襲」とも違う役作りで、「サラの鍵」とは別人だ。ふとケイト・ブランシェットだったら?という想像も頭をよぎる。「ロストハイウェイ」「マルホランド・ドライブ」からずいぶん経つし、物足りなかったところへ嬉しかったですね。

 

 悪役のあのワケの分からない歌などが、まさにリンチっぽくて、ぜひご覧になってご確認を。なお、タイで思い出すのは赤坂で働いていた時、タイ料理の店が近くにあって、昼飯をよく食ったものだ。店主のウィチャイさんは、ちゃんと日本人の口に合うように米の炊き方を工夫してて、美味かったなぁ。彼の夢は“母国に学校を建てる”だった。この手の裏社会があるからこそなのかもね。

 

現在(1/26/2014)公開中
オススメ★★★★☆

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関連作

  ブロンソン

 

 自称チャールズ・ブロンソンと現実にある英国の地獄巡りができるユニークな作品。主演のトム・ハーディなくしては成立しなくて、バットマンではベインを演じたが、ピエロ顔をするときなど、まさにジョーカー。刑務所をホテルだなどと称するとは不届き千万ながら、一般の倫理が通用するような男ではない。ジャック・メスリーヌもタジタジ。

 

 傍若無人で果ては精神病院送りながら、そこでペット・ショップ・ボーイズのIt's A Sin が鳴り響いて爆笑。若い人がこの監督に熱くなるのも納得だ。ガイ・リッチー(「スナッチ」)出現の時に“すでに俺の感覚は古いな”と思い知らされたが、さらに感性は様変わりか。でも冒頭はどことなくデヴィッド・リンチ風でホッとしてしまう。

 

 “21世紀の「時計じかけのオレンジ」”と評されるように、本作にはスタンリー・キューブリックのテイストも垣間見える。ただ“衝動を持て余した若者が共感を覚える”などというリミットを、軽く超えてしまっているこの男は実在するんだよな。大英帝国ってフツーの家庭でもすんげぇ奴が出てくるのね。ジョン・レノンとはエライ違い。
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