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マップ・トゥ・ザ・スターズ

  マップ・トゥ・ザ・スターズ

 

 「クラッシュ」などの変態映画御用達監督だったのは過去の話で、昨今はヤバイ雰囲気のお話を手がける人になりつつあるデヴィッド・クローネンバーグ。ヤクザな過去を隠した善良な男(「ヒストリー・オブ・バイオレンス」)、ヨーロッパの裏組織に潜る捜査官(「イースタン・プロミス」)、ユングとフロイトの物語(「危険なプロット」)、リムジンから出ない虚しい金持ち(「コズモポリス」)など。

 

 前作は劇場で観賞できなかったので、本作は本来の映画体験(座席指定ナシ)ができる新宿武蔵野館に足を運んでウキウキ。だって、女優陣が豪華なんだもん。ミア・ワシコワスカは「嗤う分身」を見逃しちゃったけど、昨年の「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」でも確実に成長し続けている。サラ・ガドンはカナダ代表だと「複製された男」でも証明で、「サボタージュ」でメロメロのオリヴィア・ウィリアムズも出ている。

 

 で、賞も獲得しているしジュリアン・ムーアがすごいのかと思いきや、それは完全にブラフだった。予告編というのは、今や劇場で“観客の予想を覆させるため”のものになったのか?グロテスクな「クラッシュ」の監督、クローネンバーグが帰ってきたという気がしてニヤニヤしながら画面に釘付け。見かけは華やかなれど、中身はグロテスクな人々が巣食うハリウッドって映画ならこの人は適任。

 

 映画業界の裏側を辛辣に描いたものなら「ザ・プレイヤー」とか「トラブル・イン・ハリウッド」とか。「ウィズアウト・ユー」もそうだったし、胡散臭さは「ワグ・ザ・ドッグ/噂の真相」もか。映画への愛があると「映画に愛をこめて アメリカの夜」とか「ヒューゴの不思議な発明」になる。俳優さんも映画になっていて、チャップリンだったりヒッチコックだったり、ピーター・セラーズも。

 

 ぜひ「精神科医ヘンリー・カーターの憂鬱」がオススメなんですけれど、機械化の果ての都市=ロサンゼルスに暮らす人々の、虚しい日常を背景にした物語として見るのは一興かも。「妹の恋人」「暗殺者」などを経てインディ系なら気合の入るジュリアン、彼女は本作のモチーフを象徴している。それは“母親の妄想にとり憑かれている女優”というもので、テーマは近親相姦へとシフトする。

 

 ミア・ワシコワスカがまさに主人公で、てっきり「ハリウッドにくちづけ」みたいな内容かと思いきや違ったんだよね。だってわざわざキャリー・フィッシャーまで出てくるからさ。なお元レイア姫の登場シーンは時の残酷さを思い知らされた、「スターウォーズ/ジェダイの復讐」の記憶が鮮明だっただけに・・・。実名のキャリーとミア演じるアガサをつなぐのはツイッターというのは時代記号(「舞妓はレディ」みたい)。

 

 物語の本筋はてっきり脇でチラリ出演だと思っていたジョン・キューザックと、明らかにジャスティン・ビーバーを茶化したキャラクターのベンジーを演じるエヴァン・バードがキモ。彼らは強烈にその個性を放っている。13歳にしてヤク漬けになり、子供にたかるエージェントたちを見下し、言いたい放題のセリフの中にたっぷり毒がこもっている。それにしても犬を撃ち殺すギャグは辛辣すぎて笑えなかったのかな?ベンジーだよ。

 

 「グランド・ブダペスト・ホテル」でシアーシャ・ローナンの顔にはアザがあって、それはアクセントだった。本作のミアにはヤケドの跡で、それは背景のおぞましさがうかがえる記号。目一杯の熱演で臨んだジュリアンを尻目に、キ印っぽい雰囲気で“奴隷秘書”のふりして、なんとか平穏を保とうとする家族に迫るアガサに化けたミア。彼女は今後も要注目になりました、「嗤う分身」を見逃したことはホントに悔やまれる。

 

 21世紀を描く場合「ゴーン・ガール」デヴィッド・フィンチャーには悪意があり、クローネンバーグはそのおぞましき現代を、独自の味付けで観客に提供している。主要キャラクターが幻覚を見ているというのも凄くて、「複製された男」ドゥニ・ヴィルヌーヴがここまで来るには時間を要しそうだ。「マルホランド・ドライブ」以来ご無沙汰のデヴィッド・リンチも復活してくれないものか。

 

 「アデル、ブルーは熱い色」に賞をあげるカンヌ映画祭、本作でも脇役のハズのジュリアン・ムーアが獲得していて読めないですな。もっとも映画賞は業界関係者にしかアピールしないみたいで、今後はクローネンバーグの映画でさえ劇場で拝めるか、ヒヤヒヤすることになる。変態趣味が復活してくれたと勝手に解釈してニヤニヤしているだけにね。

 

現在(12/30/2014)公開中
オススメ★★★★☆

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  暗殺者

 

 初見ではそろそろシルヴェスター・スタローンも下り坂なのかと思っていたが、データから映画を見る現在(2014)では、捉え方は変わる。監督は「リーサルウェポン」のリチャード・ドナーで、脚本にはこの後「マトリックス」を手がけるウォシャウスキー兄弟なのだ。IT時代になって脚光を浴びることになる彼らが関わっているだけに、殺し屋は連絡をパソコンを使ってやっている。

 

 興味深いのはその機種がアップルで、コレが時代記号。現在もスティーブ・ジョブズ氏の会社は健在だが、画面に映る主流のパソコンはhpだったり、DELLでないと説得力がない。また勝手な解釈ですけれど、タクシー(イエローキャブ)が出てくるのは監督の次回作「陰謀のセオリー」へ継続されているようで顔がほころぶ。若さはじけるアントニオ・バンデラスもセクシーですな(「フィラデルフィア」の2年後だ)。

 

 目的はジュリアン・ムーアだったんだけど、ぜんぜん面白い。切って捨てて損したスタローン映画(「ジャッジ・ドレッド」「コップランド」も)。IT時代を描くためにウォシャウスキー兄弟が呼ばれてるんだけど、その肝心な部分が20年前には分からなかった。ハッカーというワードに反応できなくてはね。で、演じるジュリアンはさすがのなりきりで、「ヨルムンガンド」のアマダ博士に通じる。

 

 クリント・イーストウッドが演じていたら?という気もするけど、後に「エクスペンダブルズ3」で再共演のスタローン&バンデラスも見ものだし、濃い2人に負けてないジュリアンもさすがです。だってただキャーキャー叫んでる位置に甘んじていないんだもの。「ドン・ジョン」で平気な顔しておばさん役も出来てしまう彼女の「マップ・トゥ・ザ・スターズ」も楽しみ。
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