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her/世界でひとつの彼女

  her/世界でひとつの彼女

 

 渋谷のシネマライズでもやっているが、MOVIX 橋本での観賞。経済的にも時間的にも体力的にも余裕がないので、この選択となるわけですけれど、見知らぬ劇場に足を運ぶのも悪くない。小田原のコロナシネマワールドで「家路」「ザ・ホスト」などを拝みましたが、地方都市のシネコンは、この手のミニシアター系観賞には適している。席に余裕があって、ワリと静かに落ち着いて楽しめるのです。

 

 ホアキン・フェニックスが今後も成長していく美人女優に囲まれるIT 恋愛劇。このネタはこのあと観る「トランセンデンス」にも近い中身と予想。方や超大作、方やインディ系(アスミックエースだけに)。で、関連作で思いつくのは「エレクトリック・ドリーム」(DVD 日本版ありません)、84年の作品で曖昧な記憶だけど、コーヒーか何かをキーボードにこぼしたら、パソコンがしゃべり始めるって話だった。

 

 さてこの30年間でIT周辺のテクノロジーはどう進化したかというと、キーボードが見当たらなくて、音声入力が主になっている。冒頭にホアキン演じるセオドアは、手紙の代筆を話しながらやっている。そして時間が来たら静かに帰宅。この描写に妙に感じ入ってしまった。高層タワーに働く人すべてが高収入ではないが、知的労働はハイクラスの生活を約束する。案の定、主人公は家賃が高そうなマンション住まい。

 

 格差を批判するのでも、皮肉混じりに訴えるのでもなく、ビルを下から見上げている庶民が“あの建物の中でなにやってんのかな?”に自然に応えるような導入部。「スター・トレックW」でパソコンを前にした機関士のスコットは、「コンピュータ」と呼びかける。キーボードのない集積回路との接触は、より23世紀に近づいた証なのか。セオドアは至る所で、現在我々が指でしていることを音声を通じてやっている。

 

 妻が去ったあとの彼にはIT環境がなければ、日常が成り立たない。そこに新型OSのサマンサが登場する。どこまでが未開発で、どこまでが達成されているかは不明ながら、説得力ありますね。圧倒的なデータベースを所持している知能との会話に、知的なセオドアが退屈するわけはない。ゲームなどの機器に囲まれて生活している彼にとっては、心地よい環境が現出するわけだ。

 

 監督のスパイク・ジョーンズはIT環境に生きている我々を、批判も皮肉も込めないで、ファンタジーのテイストで描いている。「アイムヒア」「かいじゅうたちのいるところ」の人だけに向ける目線は優しい。もはや当然のように持ち歩いている、スマートフォンを否定できないでしょう。ただ同時に進化することを覚えたテクノロジーは、秒進分歩で先に行ってしまうことがテーマかも?ぜひご覧になってご確認を。

 

 ほろ苦い大人坊やの成長をホアキン・フェニックスが絶妙に演じていて、アカデミー賞を獲得するのも納得のスカーレット・ヨハンソンを引き立てている。声だけの彼女も素晴らしいけど、「サードパーソン」に近い印象のオリヴィア・ワイルド、エイミー・アダムスも文句なしだし、ルーニー・マーラがねぇたまらなく美人で惚れてしまいます。彼女はキワどい役はやったから、もっと等身大の恋愛劇を見たいなぁ。

 

 劇場のある橋本駅周辺の景色は主人公が暮らす街に近い。高層マンションがあり、通勤に不自由のない程度の電車が走っている。アメリカ映画なのに本作にはほとんど車が映らないのも特徴の一つで、知的な人は環境に配慮して、穏やかに暮らしていることを示したのかな?「RD潜脳調査室」は未来のことを描いているようで、現代の延長線上の世界が広がるからホッとするし、本作もまたしかり。

 

現在(7/5/2014)公開中
オススメ★★★★☆ 

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関連作

  かいじゅうたちのいるところ

 

 スパイク・ジョーンズ監督による本作は絵本をドキュメントタッチで追った傑作です。幼少期、少年期、青年期、それ以降に見るのとそれぞれ印象は違ってくる。きちんと子供が退屈しない造りながら、大人が感銘を受け、問われているようにも見える。特にマックスが暴君である部分は、自分も反省してしまうし、現在我が国において権力の側にいる人々にも該当する。

 

 てっきり子供の現実逃避か、現実を戯画化した内容かとずっと思ってきたけど、描写が美しく堪らなかった。ティム・バートン、ミシェル・ゴンドリー(「ムード・インディゴ/うたかたの日々」)、ウェス・アンダーソン(「グランド・ブダペスト・ホテル」)、に続いて、今後このスパイクも要注意人物。ウェスと事情は似ていて、どーも合わんなという偏見を自分に植え付けて損しちゃった。

 

 先に「アイムヒア」「みんなのしらないセンダック」を見ていて、本作を拝む人は少ないのでは?というくらい公開時は話題になったし、大手ワーナーブラザーズ社製だけに特撮は豪華。声の出演もクリス・クーパーフォレスト・ウィテカー、ポール・ダノ(「ルビー・スパークス」)に加えて、ジェームズ・ガンドルフィーニ(「おとなの恋には嘘がある」)がねぇ、「her/世界でひとつの彼女」は亡くなった彼に捧げられている。
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