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機動戦士ガンダムUC episode7 虹の彼方に

機動戦士ガンダムUC episode 7 虹の彼方に  機動戦士ガンダムUC episode 7 虹の彼方に

 

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 さて、映画がスタートすると前作までとは違って、オリジナルのガンダムからのイントロ。宇宙世紀の成り立ちなどが語られ、懐かしい映像にいちいちうんうんと頷いてしまった。ま、観客のほとんどはガンダムに一家言ある人たちだから、良いとする人、ダメとする人多々ありそうだ。それにしてもガンダムって層が厚い。ただ現在の10代にはどう映るんだろう?

 

 物語は最終章だけに急展開する。フル・フロンタルはラプラスの箱を奪取するためさっさと目的地へ。バナージ君は追っかけるんだけど、バンシィに乗ったリディ少尉が待ったをかける。激しいバトルは、ガランシェール隊を加えたネェル・アーガマ付近でも展開。メカに関してはガンプラファンを満足させるに足る戦闘シーンでいっぱいだ。きっとケロロ軍曹はむせび泣きするに違いない。

 

 だが、軍曹より遥かにオッサンのワシにとってはマリーダ・クルスが急所。あの瞬間には瞳孔が限界まで開いてしまった。悲しい強化人間の宿命は、宇宙世紀にも繰り返される戦争の無残さを刻んでいる。彼女の××がリディ少尉を救う結果になる。その部分はぜひご覧になってご確認を。そう、予想していたのはバナージに立ち塞がるリディは捨て駒だった。

 

 しかしZガンダムのカミーユに相当する彼を切り捨てないで、活かしたことに読めないラストが効いてくる。原作者の富野由悠季は、当時の若者=現在40代の我々に託す事に不安があった。システムにやすやすと飲み込まれてしまう子供たちを見てのことだったんだろう。ワシが共感するジンネマンとオットー艦長などががその年代に相当するが、自分たちが成せなかったことを託す勇気を持つ。

 

 前作で「伝説巨神イデオン」の要素があると気がついたが、加えて今回はまさに「地球へ」が思い当たる。最終到達地=メガラニカにたどり着いたバナージとオードリーにサイアム・ビストは「ずいぶん長く待った、たったひとつのことを伝えるために」と告げる。これは「地球へ」と全く同じセリフ、ラストに明かされる真実がシンクロするので、身体が痺れっぱなしだった。

 

 新人類=ミュウを人類は虐げてきたが、完全管理システムを構築した先人はエリートに地球の未来を託さなかった。体が不自由なため超能力を持つに至ったミュウがその先の世界を生きるのだ。新人類=ニュータイプをめぐってガンダムは語られる。ずっとニュータイプとは“宇宙にいった人間が、超能力を持つかもね”という仮説だと規定していた。が、それは哀しいモノの見方しかできない、さもしい発想です。

 

 人類の脳はまだ未開拓の領域、思念が信じられないエネルギーに転化することだって十分ありうる。また箱に刻まれた秘密とは軽視してはならない文言のこと。これは現在、危機的状況にある我が国とて同様だ。法に則ることはあっても、利用しては法の意味がない。あまりに今の状況をとも解釈できるけど、不変的なテーマなのかもしれない。

 

 そんな只中をバナージとオードリーは懸命に生き抜こうとする。激しいメカ戦にはついていけないが、訴えているテーマは半端な感動作を吹き飛ばす。多種多様なキャラクターを自然に配置して、他の国には見られない世界観を背景に不変的なメッセージとして残す。素晴らしかった、そして同時にこれがガンダムの見納めなんだなぁと予感した。寂寥感ってやつだな。

 

現在(5/24/2014)公開中
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  機動戦士ガンダム

 

 放映当時を思い起こすと、「宇宙戦艦ヤマト」の起こしたアニメブームは沈静化していたはずだ。ただし第一回から見ていた者は狂喜したエポック。当時の子供がこの作品の何に惹かれたかと言えば、宇宙戦艦+ロボットものだったからだ。ヤマトによってちょっと小難しいSF設定が付いていないと、物足りなくなっていた時期。“ジオン独立戦争”なんて、分かんないけど面白そうと小学校六年生の私は思ったものだ。

 

 しかし根強い支持で長持ちする作品のスタートは芳しくない。ガンプラブームは後発で、最初の玩具メーカーは倒産している。メカ・デザインが斬新だったから、オモチャに向いてなかった。監督にとってもチャレンジで、ザンボット3、ダイターン3の後番組がこうも長寿だとは思いもしなかったに違いない。この辺りまでは40代の元アニメファンには通じるトリビア。

 

 で、「機動戦士ガンダムUC7」のイントロ部分は実に今に通じる見映えのする部分を摘まんでいて秀逸。もう一度じっくり見れば、笑える部分も込みで美味しい酒の肴。だってさ、一見主人公は洋名のアムロとかブライトとかでカッコいいけど、物語は少年が成長する過程を追ったロボットスポ根もの。古谷徹が主人公ですぜ、「巨人の星」の星飛馬を担当していたんだから、保険ですよ。

 

 ただし、全話数が43というのが伊達じゃなくて、成長の背景にある宇宙戦争もじっくりと描かれる。宇宙に戻ったホワイトベースに襲いかかるシャアとララアは確かにそれ以前のアニメにはなかったキャラクターなのだ。「作画のクォリティも一定していて、「宇宙戦艦ヤマト」との違いとなる。

 

 ずいぶんVHS のリリースがなくて、フィルムが現存しないんじゃ?とも囁かれたが、全話を現在は拝むことができる。そしてクオリティに物足りなさを感じたら、劇場版にシフトされると宜しいでしょう。最新作には及ばなくとも呆れることはなく、簡潔です。でもガンダム芸人の情報量はこんなもんじゃないだろうな。
オススメ★★★★☆

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