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ゴーン・ガール

 ゴーン・ガール  ゴーン・ガール

 

×はネタバレになりますので、ご観賞後に

 

 昨今はホントにTVを見る習慣がなくなった。恐らく見ていれば、現在国内興行成績が1位の「アオハライド」もピンときたかもしれない。ところがそのポスターを見ても、一人として出演者の顔に見覚えがない。今年の流行語も、一年を表す漢字もサッパリだ。オマケに車吊り広告も、ただ美観を損ねる汚れに見えてくる始末。「ブランデッド」のラストみたいに消え失せてくれると・・・。

 

 そんな偏屈なオッサンが見事に入り込んでしまう、デヴィッド・フィンチャーの新作がコレ。コーエン兄弟「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」で優しい視線をご披露してくれたけど、この人の辛辣さは継続されている。全編に渡って彼の皮肉な批判で貫かれていて、むしろ爽快なくらいだ。“現代の魔女狩りは怖い”というメッセージがあった「デビルズ・ノット」より突っ込んでいる。

 

 予告編では“失踪した妻が夫に殺害された”という雰囲気のみが強調されていた。ところがそれは一方の視点で、物語は打算と悪意に満ちた進行となる。一人も清廉潔白な人物が出ていない原作に、この監督が惚れるのも納得。失踪したと思っていた妻が実は・・・、という展開はぜひご覧になってご確認を。もっともネタバレしないで書くのはかなり難しい。

 

 今回関連作として予定していた「007/ダイ・アナザー・デイ」「ロング・グッドバイ」に続いて、ピタリと当たってしまった気がします。だって、ロザムンド・パイクが両作とも××なんだもん。幸福な結婚をしたまでは良かったものの、だんだん倦怠期を迎えて、様相が「××××××××」「××××××××」みたくなってくる。

 

 つい最近の「×××××××××××××」くらいでとどまるかと思いきや、「×××」「×××」と進み、遂には「××××」になってしまう。たぶんこのニュアンスは合ってると思います。「アウトロー」では可愛いくらいだったのに、今回のロザムンドはものすごい変身。「ランナーランナー」の悪役だったベン・アフレック、命がいくつあっても足りない究極の恐妻家にされてしまう。

 

 もし今回ブラッド・ピットが出てくるとなると、キャラクターの変更を余儀なくされるから彼が適役。「カンパニーメン」「トゥ・ザ・ワンダー」ベンだけに、平均的なアメリカ人が似合う。脇を固める二人の女優も無視できなくて、双子の妹になったキャリー・クーンと、刑事を演じたキム・ディケンズは21世紀を象徴する配置。もはや男で構成するには無理があるのだ。

 

 特にバリバリの女刑事が男を使って、捜査するという光景は当たり前になった。「THE MENTALIST」のロビン・タニーがそうだし、「サボタージュ」のオリヴィア・ウィリアムズも。彼女たちは颯爽としてカッコ良く芯が強い。むしろどうして今までいなかったのか?というくらいです。今の日本だって、車掌さんだけでなく電車の運転だって女性が当たり前。

 

 そして今回もっと興味深かった21世紀の描写は、朽ちゆく合衆国が画面の背景にあったこと。失踪からすぐに記者会見を行うというのも実に奇妙だが、今では当たり前。キャンペーンを張れば無銭飲食にありつこうとする者がいたり、全体を称して刑事が変人というのも納得。「プリズナーズ」と比較すると、ありありとその違いが浮き彫りになる。共通しているマトモな部分は冷静な切れ者刑事くらいだ。

 

 それにしても廃墟になったショッピングモールにホームレスが住み着いていたり、紙媒体で寵児だった絵本作家も経済的に苦しかったり、介護施設を脱走する父親がいたり。明らかに「セブン」の時より進行している合衆国の凋落を、画面のそこかしこに散りばめている。告発するとか嘆くというのではなく、悪意をもってTVの情報を真に受ける人々を辛辣に刻んでいる。

 

 たぶんクリント・イーストウッドだったら?という仮定は意味がなくて、デヴィッド・フィンチャーにしか描けない21世紀の合衆国。“TVが諸悪の根源だ”などと、浸かっている人々に訴えても無意味。それは我が国の選挙結果を見ても明白。インターネットにシフトして安堵しても意味はない、すぐに追いつくからね。知らん顔もできないし、やれやれですよ。

 

 ですから終盤にかけて、どんどん物語は深刻になるのに笑いがこみ上げてくる。悪意をたっぷり込めた、ブラック・ジョーク以外の何ものでもない。このくらい辛辣にしないと人々に響かないのか、それともここまでやってもなお・・・。「セブン」に次ぐフィンチャー作品のお気に入りが出現、今後ともこの監督との腐れ縁はまだまだ続きそうだ。

 

現在(12/19/2014)公開中
オススメ★★★★☆

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関連作

  007 / ダイ・アナザー・デイ

 

 ダニエル・クレイグに代替わりする一歩前の、ピアース・ブロスナン版ジェームズ・ボンドのラスト。彼が007に相応しかったかどうかは、近日公開の「スパイ・レジェンド」ともう一度並行観賞してみるのも面白いかもしれない。ピアース版の特徴はなによりジュディ・デンチのMだからして。舞台は共産国の2国(北朝鮮、キューバ)で展開していて、かなり笑っちゃう描写なんだけど英国からの捉え方だとすると興味深い。

 

 メインのボンド・ガールはもちろん、ハル・ベリーがバリバリのプロポーションで魅せてくれる。マドンナまで出てくるのに、この作品でデビューのロザムンド・パイクは美味しかったかも、なにせ××だし。「007/慰めの報酬」のジェマ・アータートンは「ランナーランナー」ベン・アフレックと共演しているけど、サブのボンドガールって今後は要注目、「ゴーン・ガール」ではどんな風になるのか。

 

 未知の国=北朝鮮だけにやりたい放題だけど、「ディクテーター」よりはマシな扱われ方。いちおう放蕩息子の暴走ってことになってるからね。ザオ役のリック・ユーンが「エンド・オブ・ホワイトハウス」にも似たような感じで出てきたから、本作の影響はあったでしょう。派手な見所の中でQに怒られるBMWの使い方はどんなTV-CFにも負けない出来栄えで楽しませてくれます。

 

 北朝鮮を扱ったのは早いけれど(「ソルト」の前だし)、そこにシエラレオネのダイヤモンド(「ブラッド・ダイヤモンド」)を絡ませているなど、さすがワールド・ワイドな本家スパイ映画。ラストなんて“あの後北朝鮮はどうなっちゃうの?”ですけれど、公開当時の上客はサッパリした。わずか10年で世界は様変わりしている。詳細に見られる時代になったゆえの「007/スカイフォール」だったのでしょう。
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