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GODZILLA ゴジラ

  GODZILLA ゴジラ

 

 やりました、ギャレス・エドワーズの前作を観ておいて良かった。映画好きの卑しい優越感=“俺、この監督の処女作劇場で観てんだぜ”を満たしてくれる作品がやってまいりました。しかも「ゴジラ」リメイクですからね、ウキウキ。夏の超大作は来月の「トランスフォーマー/ロストエイジ」くらいしか予定していないので、期待は高い。で、中身もさることながら、宣伝戦略にやられてしまった。

 

 予告編からはまず予想できない展開になっていて、ほとんど触れられません、ぜひご覧になってご確認を。ただ大枠で「ゴジラ」だとしても、「ガメラ」「ガメラ2」の血も本作には流れている。それだけ金子修介による平成ガメラシリーズは出来が良かったということですか。「ラストサムライ」も製作陣は我が国の時代劇を大量に見たそうですけれど、かなり研究している。

 

 ただ面白い部分を我が国の特撮から抽出してはいても、監督の独自路線も同時に貫かれている。「モンスターズ/地球外生命体」の特撮は監督自身が手がけていて新鮮だった。そのテイストはこちらにも活かされていて、CG場面でウトウトしてしまうことが多かった、他の超大作とは一線を画します。戦闘機が2機並行して飛ぶシーンは印象的。更にロボットもタジタジの米軍を封じるのに、電磁パルスってのがミソですな。

 

 CG部分で退屈しないので、ドラマが展開するパートが重要になってきますが、ココもちゃんとしている。ゴジラが出現してもチラ見せ程度にとどめて、パニック映画に通じる“家族の絆”をキッチリ描いている。遠くから見ている分には「スゲェ、あの下はどうなっちゃってるんだろう?」で済むけれど、間近であんなデカイ代物が動いたら、天災と同じ被害を被るのが人類。怪獣は足元のことなんか気にしません。

 

 人々が右往左往する部分に特化したのが「クローバー・フィールド」で、コチラは超大作ですから作戦司令部も科学者も出てくる。前夜に「ラストサムライ」を見ていましたが、渡辺謙はアメリカ映画でまたまた代表作を獲得。助手の位置にあるサリー・ホーキンスは「ブルージャスミン」の雰囲気が微塵もなく、「コンテイジョン」のジェニファー・イーリーみたいで知的かつ凛々しい。

 

 ですが、怪獣騒ぎに翻弄されるブロディ一家が本作の主人公。ジュリエット・ビノシュ(「トスカーナの贋作」)は出番は少ないものの、夫役のブライアン・クランストンと共に原発事故の恐ろしさを描くのに、重要なパートを担っている。息子がアーロン・テイラー=ジョンソンで、キックアスVSゴジラじゃない?なんて誰も想像できないくらいに、頼もしくも若々しい父親になっている。

 

 奥さん役のエリザベス・オルセンは「マーサ、あるいはマーシー・メイ」が未見なんだけど、看護師役がカッコ良いのだ。「エンド・オブ・ホワイトハウス」のラダ・ミッチェル、「エリジウム」のアリス・ブラガ、そしてもちろん「黄色い星の子供たち」メラニー・ロランもだけど甲乙つけがたいですな。この辺は前作でも証明済みですけれど、この監督の持ち味です。

 

 日本人が大作で描けない原子力発電の事故も含めて、よくやってくれましたと監督に感謝。「希望の国」を参考にしたのか、今回の事故を物語に組み込んでいない。でも世界の人々が気にかけている事柄はあの災厄だし、復興のニュースを知らない外国人の持っているイメージは本作にありありと描かれている。もちろん描写がオカシイに決まってるんだけど、もし完全だったら日本映画の存在理由が問われる。

 

 タイトルが出た時点で、キングコングと並び映画史に残る怪獣ゴジラが何を暗示しているかは一目瞭然。“原子力発電やめましょう”というメッセージではなく、もっと広義にいらん代物でもほじくり返しちゃうのが人類で、後始末がエラいことに・・・。ただ日本映画にもこういう人材いないのか?と昨今は心配しないで済みそうです。だって「太秦ライムライト」の監督、落合賢に同額の予算を支払ったらちゃんと仕上げると思いますよ。

 

現在(7/26/2014)公開中
オススメ★★★★☆

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  ゴジラ

 

 初見で一番ビックリしたのは怪獣ゴジラ出現シーンでも、町が焼き尽くされるシーンでもない、出演者の腰の細さだ。初老の志村喬に至るまで、肉付きの良い人が一人もいない。怪獣映画を1954年の映像資料として見るとはアホですけれど、当時の食糧事情を考えたりした。ガキの頃から「ウルトラマン」見て育ったし、進化した特撮を見慣れていたし、知っているのは“チビっ子たちのゴジラ”だし、ピンと来なかった。

 

 ところが映画をいくつか見て、中年になって、日本らしさが失われつつあるなぁと思う昨今だと、登場人物たちのセリフ、所作、物腰などが魅力的に映る。「機動警察パトレイバー」“4億5千万年の罠”では茶化されているけど、平田昭彦演じる芹沢博士はマッド・サイエンティストとは程遠い。むしろ志村喬演じる山根博士の方が危険かも?などと思ってしまう。傑作だけあって、経年熟成しているし、何年後かにまた見てみたくなる。
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  ガメラ 大怪獣空中決戦

 

 平成ガメラシリーズ第一弾。パート2をしつこく見ていて、こちらは久しぶりだったけど、「GODZILLA ゴジラ」に出てくるムートーはあれ?ひょっとしてと思い再見、まさにギャオスを頂いちゃってる。どこからともなく現れた怪獣ではなく、太古のテクノロジーを絡めてあるのが本作の持ち味で、大人にもアピールした功績は脚本の伊藤和典にある。映像部分はもちろん樋口真嗣(「ローレライ」をとにかくオススメ)が重要。

 

 「ワールド・ウォー Z」と違って、怪獣映画の存在しなかった世界として白々しくも「あれは一体なんだ?」からスタートする作品世界ながら、見ていて恥ずかしくない。それは日常の描写を入れている点で、スーパーでの買物とかほのぼのとしてしまう。時代記号はスポーツ紙に、今(2014)や監督の秋山が選手として掲載されているところとか、カセットテープで音楽を聴いているとか、経年熟成していきそうです。
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