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大脱出

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 30年前に実現していたら、確実に後々語り草になったであろう企画、シルヴェスター・スタローン&アーノルド・シュワルツェネッガー共演。ま、途中オーストリア出身なのに、カリフォルニア州知事に就任したシュワルツェネッガーは役者稼業を離れる。ライバル喪失で看板シリーズ完結編(「ロッキー・ザ・ファイナル」)は悪くなかったけど、世間からは“終わったな”という評価がチラホラ出てきたスタローン。でも「エクスペンダブルズ」アクション・スターを結集してからは、ジジイの底力を見せるべく「バレット」などに出演。“まだまだ若いモンに負けん”根性を持っている。

 

 「ラストスタンド」で弾みをつけたシュワルツェネッガーも、いよいよ本格的に映画業界に参戦。コンテンツが足りなくなる、観客が忙しくなった21世紀にどんなアクションが展開されるのかは楽しみだった。ただワシの場合、見所は2人のアクション・スターだけでなく監督のミカエル・ハフストローム。“スター共演!”の宣伝文句でサイトを確認、監督名で決まりでした。なにせ「ザ・ライトエクソシストの真実」がお気に入りだからして。前作はなさそうで実際にある、バチカンの悪魔祓いが出てきましたけれど、今回は為政者が面倒くさいので“闇に葬る刑務所”が舞台。

 

 私立刑務所がもっと先に進んじゃって、脱獄不能の場所にある監獄。たださ、ヒット連発のギャガGAGAなれど、予告編で種明かしはちょっともったいなかった。「スニーカーズ」みたいな仕事を刑務所でやっている男が・・・から発展していって、観客が引き込まれる部分が削がれてしまった。もっとも監督がネジの締め方をゆるくして、アクション・スター2人の輝きにお任せという戦略で良いのだと思う。もし「Black&White/ブラック&ホワイト」の2人だった場合、味付けは21世紀的になり、背景をじっくりと描かなければならなくなる。

 

 脱獄ものなら「スリーデイズ」「ロックアウト」などか最近の作物で、クリント・イーストウッドの「アルカトラズからの脱出」という傑作もある。設定を緩めにして、「エクスペンダブルズ2」では一方的な暴力の行使ながら、ヒーローが窮地に陥らなくちゃアクション・スター映画ではありません。「ブラック・サイト」でも電球の熱で人が焼き殺されてしまいますが、2人とも脱水症状になるまで痛めつけられたりして。でも観ているコチラは“ハラハラしつつも安心”という、久しく忘れていた娯楽作の王道。

 

 刑務所と言ったら所長はネチネチとしたワルで、手下はサディスティックと相場は決まっている。ものの見事にジム・カヴィーゼルが化けていておかしくて仕方なかった。キャラクターは「パーソン・オブ・インタレスト」とほとんど変わらないところがまた時代の流れ。予期される犯罪を未然に防いでいる元スパイと、ワルとの差がないのが興味深い。ヴィニー・ジョーンズもずいぶんご無沙汰していたけれど(「スナッチ」)、2人のスターと共演は嬉しかったんじゃないかな?サム・ニールは「ハンター」だと老けていたけれど、そこそこの印象でしたな。

 

 特筆すべきは美女が2人も出てきて、ちゃんと収まっているんだよね。スタローンにしろ、シュワルツェネッガーにしろ、その昔は妻帯者(「ロッキーV」「トゥルー・ライズ」)に無理がないから、映画に色気がなかった。「WIN WINダメ男とダメ少年の最高の日々」で刺青してた奥さんのエイミー・ライアンとCIAの嘘くさいくらいの美人カトリーナ・バルフは目の保養、ニタニタ顔して画面を眺めていたに違いない。50Centは出演作が重なっていて、「S.W.A.T」のL.L.・クール・Jみたいになっていくのかな?

 

 「ハンガー・ゲーム2」の時はソコソコの入りで驚いたけど、ほぼ満員状態で一安心。アクションも人気も衰え知らずの2人には「2ガンズ」みたいなお気楽コメディを次回に期待。還暦過ぎても元気いっぱいのアクションを展開、アル・パチーノ&ロバート・デ・ニーロ共演の「ヒート」と比べるなんて野暮というもの。また年食ったら食ったなりのアクションをしていた、クリント・イーストウッドとも違う、ありえない路線を行ってもらいたい。シャープな印象のある監督ミカエル・ハフストロームでさえ、ファンだったに違いないんだから。

 

現在(1/12/2014)公開中
オススメ★★★★☆

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  ジャッジ・ドレッド

 

 コレをねぇ、19年前に劇場で観ていたんだよねぇ。もちろん脳内に珍品として記憶していたが、再見するとさにあらず。出演者が揃って若く見えるだけでなく、けっこう豪華なのだ。マックス・フォン・シドー(「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」)でしょ、ジョアン・チェン(「ラストエンペラー」)でしょ、ユルゲン・プロフノウ(「Uボート」)でしょ、おまに冒頭はジェームズ・アール・ジョーンズのナレーション。音声解説ったら彼でしょと「もしも昨日が選べたら」でもネタにされてた独特の美声。

 

 で、なんで脳内に珍品処理してしまっていたかは、もちろん主演のシルヴェスター・スタローン目的で観に行っていたから。「ロッキーV」「ランボー」も記憶に新しく、“ありゃあねぇよなぁ”と20代だけに全然映画を観る能力がなかったのだ。だが、まずコミック原作の映像化として、今でこそ楽しめる部分は多い。「ダークナイト・ライジング」クリストファー・ノーランによって、実写により近くなったアメコミながら、これですよ、これ。英国発だけど、このマンガっぼさこそアメコミ映画好きにオススメ。

 

 そして先進国だけに先取りしているかのようなシーンは多々あって、「トータル・リコール」より早く、未来の格差社会が描かれている(もっとも「メトロポリス」が早いけど)。そして主人公が実は・・・の部分は「スターウォーズクローンの攻撃」とどっちが先なの?と思ってしまう。似たようなシーンが多々ありでこれは美味しい。更により完全な管理社会を・・・の要素は「アップルシード」「エクスマキナ」も近いんじゃない?などなど。また都市の外は無法地帯で、「ザ・ロード」まで想起させてしまう。

 

 ダイアン・レインも美人でキマまっていて、スタローンだってコマに徹しようという芝居です。ただし、当時の彼に恋模様の展開が御法度で、その辺が物足りなかった原因かも。監督のダニー・キャノンは才能アリと思ったけど、その後映画には距離を置いてますな。「GOAL!ゴール!」も好きなんだけど、めぐり合わせって言うんですかねぇ。せっかくコレをDVDリリースしてくれたんだから、ぜひ「プレイデッド」もメーカーにお願いしたい。
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