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宇宙戦艦ヤマト2199 銀河辺境の攻防

   宇宙戦艦ヤマト2199 銀河辺境の攻防

 

 矢継ぎ早に知名度を上げる戦略が功を奏しつつある“日本アニメーションの新しい試み”。TV放映も始まるのだそうで、案の定第七章はかなりの入りが期待できそう。ジワジワ上がっていく人気はそう簡単に落っこちないのだ。「機動戦士ガンダムUC episode 6 宇宙と地球と」の予告編まで拝ませてもらって、文化庁までアニメを後押しするとは意外。本日も平日の11:00からの回なれど、けっこう入っております。もっとも終わってしまうのか、残すところあと3回だもんなと思うとチト残念(勝手なものだ)。それにしても123を何度も繰り返して見て、“前回までのあらすじ”はホントにおさらい、蘇ったオタク根性は怖い。DVDだとオープニングが3の途中からチョロッとアレンジが変更、今回エンディング担当のKOKIAはなかなか聴かせます(「銀色の髪のアギト」 も良かったな)。

 

 いよいよイスカンダルと地球の中間地点に位置するバラン星が見えてきます、佳境です。ただし第三章に登場したガミラス側の捕虜メルダ・ディッツ少尉が波紋を起こす。“先に攻撃したのはお前たちだ”これがねぇ今回リニューアルに値する部分ですよ。旧作はよく訳が分からないままに地球は侵略された。でも乗り込んでいって、徹底的に叩き潰したら・・・。観客は成長しました、“世の中嘘っぱちだらけ”が分かる大人に良くも悪くもなりました。“中年も観ているんだし、21世紀だし、子供騙しは通用しない”と監督が考えたかどうかは判りませんけれど、出渕裕はパトレイバーの人ですから緻密です。もちろんガミラスが善じゃないことはちゃんと描かれている。辺境宙域の戦闘が繰り広げられますけれど、ビックリします。ドメル将軍が戦っている相手ってなんとあの旧シリーズのパート2に出てくる・・・。ぜひご覧になってご確認を。

 

 旧作のファンに対するサービスは××××帝国だけではありません。確かにプロデューサーは西崎義展です。でも欠いてはならないのが松本零士。キャラクターだけでなく、蒸気機関車を宇宙に飛ばす人の素っ頓狂な発想がなければ、本作はこの世には生まれなかったのだ。また松本零士といえば読者サービス、今回は森雪と山本玲の“お宝シーン”もちゃんと(10代が見たらなんと感じるのやら)。そしてトリ君が出てきます、ドメル将軍率いる第一空母〜戦闘空母の面々がヤクザな感じでまた良いのだ(前線勤務だしね)。更に宇宙に潜水艦(正確には次元潜航艦)なんてまずありえないようで、前回のエピソードをうまく利用しています。次元潜航艦の乗組員がモロに、アルカディア号の面々を思い出させる。ドイツ帝国を模したガミラスですから、かの国の専売特許も忘れません。

 

 パクりも楽しく、岩の間に隠れているのはアレ、くるくる回っているヤマトはアレ、戦闘機のシーンはアレ、とこの手のシーンを展開できる舞台を持つのはヤマトならでは。踏襲とかオマージュとかって言って流用するのが映画。エポック「スターウォーズ」を回避してSF超大作は成立しません。でもシェイクスピアではないけれど、改変していかないと廃れてしまう。今回の佐渡酒造先生の見せ場(倒れた沖田を手術)は22世紀型。「スタートレックW 故郷への長い道」でDr.マッコイはチェコフを救い出す時、「その包丁をしまえ」と20世紀の医者を叱ります。未来がメスで執刀する時代じゃなくなると良いよね(痛いのやなんですよ)。艦長が手術を受けている間、真田志郎が指揮をとりますけれど、古代に対する感情の一端が垣間見える。で、新見君もひょっとしたら・・・が興味深い。

 

 次元潜航艦攻撃の次は心理戦で、観客も大人だから、込み入った攻撃を仕掛けてくる敵もアリ。ちょっとヱヴァンゲリヲンっぽさもあるから、若い人にもアピールするかもしれない。30年以上前だったら分からなかった“宣伝の脅威”は、現在では身に染みる。各キャラクターの過去も散りばめられるから、構成上次に繋げる意味でも美味しい。実相寺昭雄(「ウルトラセブン」の人)テイストは長いストーリーの中で、印象に残る1話にはもってこい。仕掛けるのがデスラーの側近で情報担当のセレステラ。現代英国でも、ナチに攻められる合衆国でも宣伝屋さんは国家元首に頼りにされている。賛否が分かれるかもしれないけれど、きちんと時代に即して描いているのです。余計な話ですけれど、若い新キャラはたいてい“アホ毛”(「とある魔術の禁書目録U」のコメンタリーをご参照ください)立ってますけど、彼女はノーマル。

 

 膨らんでます、何度も見直すことのできる過情報ながら、リリースのスピードで合衆国のシリーズに勝っている。様々な観客の元に届く努力を惜しまないのは、やはり“新しい試み”ならでは。超大作シリーズは足掛け3年がパターンで(「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」「トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part 2」 )、ヘトヘトなところ、“鉄は熱いうちに打つ”、これですよこれ。すぐにがストックされているけれど楽しみです。古代と森と山本の三角関係も、真田さんと新見君と古代がどう絡んでいくかも、マーズ・ノイドの説明は是非してもらいたいし、細目の保安部長伊東真也が気になって仕方ない・・・。だいたいさ、宇宙戦艦1隻で星間帝国を滅ぼすっていう無理めな物語をどう処理するのか?はオッサンのお楽しみ。

 

現在(1/15/2013)公開中 
オススメ★★★★☆

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 スターウォーズ 

 

 どれだけ画期的だったことか、どれだけの作品が派生していったことか(「エイリアン」「機動戦士ガンダム」)、どれだけの映画監督を世に生み出したことか(デヴィッド・フィンチャー)。エポック、SF映画の金字塔、どれだけ賞賛されても不思議じゃない。日本の小学生だって虜になった(ワシ)。それまで特撮といえば円谷プロで、糸で吊ってる科学特捜隊のジェット・ビートルでも満足していのに、ファルコン号にやられてしまった。模型をではなく、カメラを動かして描かれる臨場感にはブッ飛ぶ。ファンには怒られるかもしれないけれど、リニューアルも悪くない。新作部分が追加され、CGの修正も施され、21世紀でもちゃんと通じる。でも新シリーズのパート2と比べると、監督のジョージにはまだ不満があるのかも。全世界に信者を誕生させた傑作。
オススメ★★★★★

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 スターウォーズ 帝国の逆襲

 

 “衝撃の事実”、“カーボン・フリーズされるソロ船長”、冒頭のホス攻防戦から見せ場に不足なし。この当時は前作 から3年待たされても不満なんかなかった。ところが後にTVのインタビューでルーク役のマーク・ハミルは「もう童貞の役は無理だよ」と言っていたくらいで、さっさと撮るのは観客のご機嫌伺いではなく、作品のためでもある。踏まえたのが「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で、Part2Part3の撮影は同時進行だったそうな。ジェダイの騎士への道を歩みつつあるルーク・スカイウォーカーだけど、徐々に暗黒面に引き寄せられているのは衣装に現れているんだって。ほら最初は真っ白だけど、こちらではグレイになって、ジェダイの帰還では黒を着てたじゃない。それにしてもダース・ベイダーって鉄砲撃たれても、手で受けちゃうんだとたまげた。
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