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アイアンマン3

  アイアンマン3

 

 実は観に行く予定ありませんでした、生活苦しいですから。でも“腐れ縁”は大事にしなくちゃいけませんね、なんと3作の中で一番面白かったCEOアメコミ映画。当たりはしたけれど、既に他の作品をスピン・オフ化してしまう「アベンジャーズ」が去年だし、バットマンも終わった。今年はそんなに数はないだろうと思っていたし、そもそも内容は薄くなるのでは?の予想は完全に外れてしまった。監督交代が大きいのかもしれないけれど、「キスキス、バンバン」見ていないからシェーン・ブラックの実力は分からない。でもこの人が脚本で担当した「リーサルウェポン」は大好きだし、監督としての実力はこれからまだまだ魅せてもらえそうです。

 

 2の次というより、ヒーロー大集結後の合衆国を舞台に、かなり現実的な要素を物語に盛り込んでお話は進んでいきます。結果的には“自らの傲慢さが招いた過去の過ち”と対峙する主人公という図式でしょうか。冒頭は1999年のスイスで、かの名探偵も宿敵と対決しましたけれど、この地でトニー・スタークは後の憂いを蒔いてしまう。関係するのがガイ・ピアース扮する気弱な感じのキリアン(「プロメテウス」とは違って顔分かります)。他社製ですが「バットマン・フォーエヴァー」の時のジム・キャリーみたい。浮かれ騒いでいる世紀末にお坊ちゃんの社長は人の言うことなんか、まるで聞く耳持たない。バブル期を過ごした大人なら身に覚えのあるあのバカ騒ぎですよ。酒飲んで女とヤって・・・。で、“朝になったら忘れちゃう関係”の女がレベッカ・ホールで、映画好きとしてはニンマリ。

 

 時は移って「アベンジャーズ」以後の現時点、合衆国には暗雲が立ち込める。テロリストから脅迫されて、国内で自爆テロが起こる。テロリストの親玉を演じるのがベン・キングズレー。実は仕掛けがあるので、この人について触れることはできません。「ガンジー」の演技派も「×××××」に続いてよくもまぁ・・・。更にレベッカ・ホールもニヤニヤする要素なんですけれどパス。で、CEOの仕事は彼女のペッパーに譲っちゃって、アイアンマン改造という金持ちの趣味に没頭しているトニー・スターク。ところが警備主任のカバン持ち=ハッピー・ホーガンがテロに巻き込まれて、渦中の人になっていく。ハッピーを演じているのはもちろん前2作の監督ジョン・ファブローで、プロデューサーだけに美味しい場面をいただき。

 

 合衆国そのものを体現しているかのようなトニー・スタークは、21世紀の現実とまともに戦う羽目になります。マスコミに焚きつけられてエライ目に遭ったり、テロリストを追っていくと実は・・・だったり。ギャグを交えていますから露骨ではありませんが、「パーソン・オブ・インタレスト」とか「ゼロ・ダーク・サーティ」などを経ていますし、「バイオハザード」継続中なのは、化学企業が市場を独占しているからでもある(と勝手な解釈)。それにしてもドン・チードルがテロリストの隠れ家と思って飛び込んだら、安売り衣類を強制的に縫わされていたりと生々しい。誰がワルで?はもうまるっきり分からないけど、ハッキリしているのは科学者に大統領がパトロン呼ばわりされて、「あんたもういいよ」などと言われている。ま、民主党政権下だから大統領にカッコ良い場面もあるけどさ。

 

 今回3作で最も面白いと思わせてくれた要素は、前2作にはなかった子役が大きい。別に“動物と子供を出せば良い”という意味ではなく、不完全で冗長気味になってしまう映画に厚みを加えるのは老人だったり、子供だったりします。逃げたはいいけれど、寒空の下アイアンマン引きずって、とぼとぼたどり着いた小屋で出会う、トニーと少年ハーレー。「スリーデイズ」にも出ていたそうなタイ・シンプキンスは可愛いけれど、ふてぶてしくもあって、子供だけに遠慮がない問い掛けをする。今の大人が抱えている不安が浮き彫りになって、“9.11”のことも語られるし、やり過ごして秒進分歩の忘却世界に逃げ込んでいるのは我々。「ダークナイト・ライジング」でもジョセフ・ゴードン=レヴィットが孤児院の子供たちを救おうとしますが、アメコミ映画をワン・ランク上げるには必要な要素です。

 

 もちろんクライマックスは大挙してやってくるアイアンマン。目まぐるしく着替える(装着する)のは今回の見せ場で、ぜひご覧になってご確認を。主演のロバート・ダウニーJr.、中年ながら大活躍です。ずっと前から日本の特撮ヒーロー「スペクトルマン」に似ていると思っていたアメコミヒーロー、見せ場も内容も充実しておりました。もちろんグウィネス・パルトローもラストに美味しく、ナイス・ボディで、画面に目が釘付けです。「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」以来遠ざかっていた3D超大作ながら、周囲に「見た方がイイよ」と言われて行って正解でした。ここんとこ我々の隣人を描いたものが多く、“CEOが活躍する上から目線の空っぽ”な娯楽を求めていたのかもしれない。少なくともボサッと座って、めまぐるしくワクワクして、スカッと劇場を出られる。金の話が一切出ないのが大きいかもしれない。大事なこといっぱいあるのに、最近はどいつもこいつも“金の話”ばかりしているよね、経済って言い換えてるけどさ。

 

現在(5/15/2013)公開中 
オススメ★★★★☆  

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  X-MEN:ファースト・ジェネレーション

 

 「キックアス」の次に本作を任される監督のマシュー・ボーン、彼が脚本で参加の「ペイド・バック」が見逃せないポイント。第1作でもマグニートーの過去が出てきますけれど、本作でも“黄色い星を着けている”エリック少年が、母親をナチに殺されるところから始まる。悪党がケヴィン・ベーコン扮するナチの科学者で、東西冷戦下でも暗躍。ただ驚くべきことに、変身したり超能力を使うところにワクワクするのではなく、第二次世界大戦からキューバ危機に至る歴史ドラマのように見えてしまうところがすごい。やはり主演の2人に負うところが大きいみたいで、ジェームズ・マカヴォイ(「声をかくす人」)マイケル・ファスベンダー(「ジェーン・エア」)は“被り物ジンクス”を破ってしまうかもしれない。

 

 さらにジェニファー・ローレンスがあの変身美女=ミスティークの若い頃を演じていて、美味しさはどんどん増していく。「SHAME-シェイム-」のマイケルと「世界にひとつのプレイブック」のジェニファーが共演していると思って見ると、2人のシーンはかなり豪華だ。もちろん後に合流するウルヴァリンが、あっさり参加を断るところはファン・サービスで、チラリ出演のヒュー・ジャックマン。どういうわけか共演作が多いオリバー・プラット(「フロスト×ニクソン」)とケヴィン・ベーコンはおっさんのお楽しみ。アメコミ映画はドンドン内容が濃くなっていくな。

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