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悪の法則

  悪の法則

 

 期せずして、“逃亡2本立て”になった本日、一方はお気楽だが、こちらはかなりシリアス。小説家コーマック・マッカーシーのテイストが、色濃く反映されている中身になっておりました。この人原作の「ノーカントリー」「ザ・ロード」が描き出したのは、荒廃しつつある合衆国だったり、終末後の世界だったり。今回は脚本と製作総指揮で関わっている。それをリドリー・スコットが料理、自然に豪華なキャストも集うわけで、予告はけっこう前から見せられてきた。プロデューサーとしてのリドリーはごく最近「ビトレイヤー」を見たばかりだけど、精力的。ただ監督作は1本前が「プロメテウス」だからちと不安。

 

 「エイリアン」「ブレードランナー」で有名な人だけに、SF方面が期待されるし、ずっとワシもそう思い込んでいた。ところが「プロヴァンスの贈りもの」は何度も見たし、「マッチスティック・メン」なども見逃して悔しい思いをした。よってトシを取ったこともあるし、リドリー・スコットの非SFものには期待。で、化学変化(コーマック+リドリー)を期待していた私めにとって、物足りない仕上がりです。ひょっとすると「ファーゴ」コーエン兄弟の方が良かったのでは?とも思いますし、世界の現実に明るければ堪能できたかもしれない。自分の無知を考慮すると、秀作を駄作呼ばわりしかねない恐れがあるのは、随分思い知らされた(「マイノリティ・リポート」)。

 

 今読んでいる知の逆転などの教養が脳内にストックされていれば、もっと楽しめたかもしれない。映画としてイマイチの印象があるのは、文学作品の映画化っぽく見えたからで、哲学めいたことを語られるとムムムとなる。ただ「アメリカン・サイコ」「レス・ザン・ゼロ」が好きだし、薄っぺらなエリートが堕落していくお話の1パターンとしては21世紀に即している。タイトルにもなっている、エリート弁護士になったマイケル・ファスベンダーがピッタリでした。豪華な面々の中でみごと、主役に無理がない。弁護士には色々いるけれど、金に汚いけど人情の人とか、生活苦しい町弁とかではなく、「SHAME-シェイム-」の彼ならではのカウンセラー。

 

 麻薬カルテルと素人が取引すれば、ヤバくなって当たり前で、結末は地獄行き。悲壮感を増すために、犠牲となるローラをペネロペ・クルスが可憐に演じている。「ローマでアモーレ」で演じた高級娼婦を拝んだばっかりなのに、変身ぶりに舌を巻く。また私生活で旦那のハビエル・バルデムも、007の悪役とも、悩める神父とも違うヤクザな風情は、役者根性ですね(夫婦揃っての場面はなかったな)。「モネ・ゲーム」なんて5月に見たばかりなのに、キャメロン・ディアスも様変わりでまさに悪女。1度リドリー・スコット作品「テルマ&ルイーズ」に出ているブラッド・ピットは、出番少ないけど印象的で、末路はかなり・・・。

 

 「ボーダータウン/報道されない殺人者」の時もメキシコの恐ろしさは描かれたけど、合衆国が食い物にしているし、そう簡単に変わったりしないのかな?「ネイビーシールズ」「2ガンズ」も次から次へと出てくる。で、貧しさは人に押し付けておいて、金持ってる側はアムステルダムでダイヤ買ったりするけれど(ブルーノ・ガンツ登場!)、たどり着くのはお先真っ暗の現実。で、本当のワルってのは動きが素早く、鼻が利く。見事本作の黒幕はそれを体現していて、まあ肝っ玉の座り方は並大抵じゃないですよ。ココ・ヘクマティアルが生きる世界にも通じるのかな?21世紀の“袖すりあうも他生の縁”を描いた「360」がおとぎ話に見えるくらい、冷たく無情なグローバル世界を垣間見せてくれる。

 

現在(11/18/2013)公開中
オススメ★★★★☆

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関連作

  テルマ&ルイーズ

 

 スーザン・サランドンとジーナ・デイヴィスにとっては代表作でしょう。悲劇の逃避行ながら、タフな現実に立ち向かう女の生き様をクッキリと残す。もちろん引き立て役は彼女たちをひどい目に遭わせる男たちで、その一人にブラッド・ピットが扮している。キュートに見えるよなぁ、80〜90年代のアメリカ映画で新人が売り出す時は、あのパターンでしょうか?よってジョニー・デップが異色に映った。00年代だとブラッドリー・クーパーとか、ライアン・ゴズリングみたいになります。ピット君は可愛らしいけれど小悪党で、やりがいあったでしょう。逃避行の2人を理解しようと努める刑事に、虫ケラ呼ばわりされて小突き回される。また刑事に扮したハーヴェイ・カイテルが良いのだ(「プレイデッド」に近いかも)。

 

 ハーヴェイはリドリー・スコットのデビュー作「デュエリスト/決闘者」で主演だから当然の起用で、スーザントニー・スコット「ハンガー」に出ているしで、当時は顔なじみのキャスティングでしょう。そこにジーナが張り切って、ボケ役のテルマを演じたのかもしれない。彼方まで続く大地、奥行きのある構図などはCGが全盛の今の映画とどうしても比べてしまう。「ミッドナイト・ラン」でさえこの広がりには及ばない。もうオーストラリアの荒野にだって、アメリカ大陸は負けてないんだとイギリス人のリドリーが見せつけたのかもしれない。「悪の法則」でも延々と続く、広漠とした大地を映し出しますけれど、軍配はコチラのような。マイケル・マドセンがタフだが、優しい男を演じているからかもしれない(以前は気がつかなかった)。

 

 冒頭のウェイトレス姿は、先にスーザンが主演していた「僕の美しい人だから」からの流用かもしれない、結構似合っている。知り合いの旅好きがロードムービー愛好家だけど、「ワイルド・アット・ハート」「トゥルーロマンス」など逃避行の物語が合うんですかねぇ。出てくるキャラクターも「パーフェクト・ワールド」クリント・イーストウッドと、ハーヴェイをついつい比較してしまう。ま、10年以上前ですけれど、ブラピを追いかけていた女性たちは彼の出演作として見ていたけど、あの輝く美貌は後に特撮技術の進化によって、「ベンジャミン・バトン数奇な人生」で再現されている。それにしても自分も男だけに、女子供にだけ強気に出られる男は不快以外の何ものでもない。男らしい映画「プリシラ」にまで描かれるしね。オマケだがチャーリー・セクストンが歌っているのは発見。
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