関連テーマ 

 

 

 

 

 

 

サイドボックス

ここにテキスト


出し

ランナウェイ/逃亡者

  ランナウェイ/逃亡者

 

 「人生の特等席」を観た後で、お客さんとクリント・イーストウッドは続けて出ているから画面に映えるけれど、ロバート・レッドフォードは最近あんまり出ないから・・・、などと話していたのは1年くらい前か。映画出演は2008年の「大いなる陰謀」以来だから、5年経過して万年映画青年のご尊顔を拝見することになる。もっとも「明日に向って撃て」とか「スティング」を公開当時観ていたわけではないので(実際不可能)、監督主演のスターが目当てではない。この人以外の出演者が、ワシにとって脅迫以外の何ものでもない豪華さ。allcinemaをチラッと覗いたら、まずスタンリー・トゥッチリチャード・ジェンキンスが目に飛び込んできた。ホームページの予告編を見たら、シャイア・ラブーフが写っている。彼だけでなく、スーザン・サランドンもアナ・ケンドリックもテレンス・ハワードも・・・行くしかない。

 

 扱っている中身は“極左テロ組織ウェザーマン、テロで人を殺害、30年間逃亡を続けたメンバーが今になって逮捕され”となっている。「4デイズ」に驚いている場合ではなく、“ベトナム戦争時にも合衆国内には過激な集団が存在し、バーダーマインホフみたいなことをしていたのだ”ということをWikipediaで知るわけだ。歴史の暗部をえぐる作品が好物ではないけれど、「クイズ・ショウ」の監督だしこの人も愛国者だから隠しておいて、“知らぬ存ぜぬは許さない”内容になるのかな?と予想。昨今は「ヨルムンガンド」が役に立っているし、「東のエデンU」でパンツこと板津が呟くように、体制に抵抗する備えはあっても害にはならないはず。ところが「ザ・マスター」じゃないけれど、焦点は反体制派への憐憫を示すような中身になっていない。

 

 予想を覆されたので、描き方がズレている、サンダンス映画祭まで主催する気骨の万年映画青年も、日和見主義に転向か?などとも感じたけれど、だてに豪華共演させているわけではなかった。合衆国版の××××・××××××」をロバート・レッドフォードは撮りたかったのだろう(×はご鑑賞後に)。出演者の実力が期待通りに発揮されていて、“役者出身の監督は演出のプロだ”を再確認した。「ウォールストリート」で共演しているシャイア・ラブーフスーザン・サランドンは新聞記者と逃亡犯として対峙する。取調室のやり取りは緊張感があり、2人とも好きな役者だけに“こうでなければ”と納得。シャイア演じる新聞記者ベンが、情報源にしている元彼女にアナ・ケンドリックが扮している。「マイレージ、マイライフ」「50/50フィフティ・フィフティ」も良かったが、よりシリアスな感じがたまらない。

 

 スタンリー・トゥッチは最も個性を封じての役作りでは?といった風情でベンの上司役。リチャード・ジェンキンスは元ウェザーマンのメンバーだが、大学教授に収まっていて「扉をたたく人」を思わせる。徐々にベンとロバート・レッドフォード演じる逃亡犯ニック・スローンが物語の軸だと分かってくるけれど、御年77歳で小学生のパパを演じるとは凄い。でも違和感ないんだよねぇ、女優が化けてビックリさせられることは良くあるけれど、男優でも驚かされることってあるのなぁと感心。ジョージブラッドには不可能で、トムがいずれやりそう。本作の挑戦は案外ここにあったのかもしれない。だってさ、既に「アンフィニッシュ・ライフ」で祖父さん役やってたのに。比べて老けちゃったのがニック・ノルティで、「PARKER/パーカー」とか「L.A. ギャング ストーリー」とか定番になりつつあるな。

 

 他にもクリス・クーパーが地味に渋く迫り、ぜひ「ザ・ガード西部の相棒」と見比べていただきたいんですけれど、ブレンダン・グリーソンもねぇピタリとはまる。実はシャイア「トランスフォーマー」が有名だけど、「ニューヨーク、アイラブユー」がお気に入りで、スーザンはもう一度「デッドマンウォーキング」とか「依頼人」みたいな役を拝みたかったし、スタンリーもリチャードも実にこういう役をこの人たちに配してくれなくてはというツボそのものです。テレンス・ハワードも「ブレイブ・ワン」が・・・止めの一撃は「アナザープラネット」のフリット・マーリング。
たぶん映画通でしたらジュリー・クリスティなんだろうけれど。サム・エリオットも出番は少ないんだけど絶妙だった。

 

 今回込められたメッセージはワシより年上では“過激なテロが何を生んだか”だし、年が下だとベンに向かって逃亡犯が口にするセリフがメッセージだろう。「大いなる陰謀」の延長線上みたいだけど、コツコツじっくり事象に向かうことも、理解し追求することも大切なのだ。ホントは中年が双方とも鑑みて、行動を起こさないといけないんだけど・・・。ラストでなるほどと気がつくけれど、最も事実に近づけるジャーナリストの映画でもあるのだ。そして暴露して良い事実と、伏せておいたほうが良い真実もこの世にはあるのだということ。「クイズ・ショウ」を見直して発見が多々あるように、焦点がぶれてる、演出に今ひとつキレがないと思いきや、案外後々そうだったのかと発見があるかもしれない。それこそ信じられないくらい可愛らしい子役、ジャッキー・エバンコが成長する頃にね。「オンディーヌ/海辺の恋人」の子役もビックリしたけれど、老いてなお美貌のロバート・レッドフォードの娘役だから当然か。

 

現在(10/9/2013)公開中
オススメ★★★☆☆

Amazon.com

DMM.com

 

前のページ   次のページ

 

top

 

関連作

  キング・オブ・マンハッタン - 危険な賭け -

 

 リチャード・ギアがいかにも実在しそうな、現代の名士を演じる巨大企業ネタ。チョッとしたことがきっかけで、凋落するのはパターンながら、ついにあの「愛と青春の旅立ち」のモテモテ男も孫のいる男ですよ。冒頭は成功者の輝かしい一コマで、死神に魅入られた富豪の食事風景より暖かく、幸福そうだ。もちろん金持ちを映画は称揚しなくて、成功者の裏には真っ黒な部分がある。「プリティ・ウーマン」でもやり手の企業人を演じたけれど、愛人を囲っている良き祖父はミスを犯す。事故って愛人より自分を優先してしまうのは、保身こそ成功者の秘訣とばかりに、隠蔽しようとするのでどんどん深みにはまっていってしまう。

 

 ティム・ロスが不自然な事故に事件の臭いを嗅ぎつける海千山千の刑事。違法捜査で迫るんだけど、ライトマン博士演じちゃったからね、現場の叩き上げっていう役柄に説得力を持たせるのが難しい。スーザン・サランドンは“夫の不正を知りながら、良き妻を演じて数十年共に暮らしてきたのよ”という役は昨今定番になりつつある(「ソリタリーマン」など)。ずっと前に「Shall we ダンス?」合衆国版での夫婦共演から月日は経ちましたな。悪事に手を染めた父の急所=賢い娘役のブリット・マーリングにご注目。ワシにとって「アナザープラネット」を見るきっかけを作った女優さんで、気がつかなかったなぁ。本作出演の2人だけでなく、音楽担当のクリス・マルティネスまで「ランナウェイ/逃亡者」に参加している。
オススメ★★★☆☆

Amazon.com

DMM.com

 

ホームページ テンプレート フリー

Design by

inserted by FC2 system