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トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part 2

トワイライトサーガ  トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part2

 

 去年の末に観るはずが、“貧乏暇ナシ”なもんで2013年の幕開けがシリーズ大団円となりました。第1作は劇場で観なかったけれど、クリステン・スチュワートの魅力に参ってしまい、第2作からはデレデレしながら映画館に行くことに。「バイオハザード」は今のところ第5弾まで進行中ですけれど、はてさてコチラはスピン・オフしてしまうのかな?しかしクリステンは引っ張りだこの女優さんですし、いくら撮影時間が短縮できる技術革新が進行中とは言え、何でもかんでもヒットに乗じて量産すると飽きられてしまいます。5作でみんなの心にしまっておく、“青春の1ページ”になるのがこの作品には幸せのハズ。

 

 ジュブナイルは現在大人気で、こちらがヒットした後には「アイ・アム・ナンバー4」が出てきたり、我が国の「とある魔術の禁書目録」を筆頭に本屋さんには大量に平積みされている。もっともヒットすれば揶揄されるのも常みたいで、「ヤング≒アダルト」とか「ラブ・アゲイン」とかでは茶化された。吸血鬼モノの人気も全然衰えなくて、TVドラマの「ヴァンパイア・ダイアリーズ」とか「トゥルー・ブラッド」とかが店に入荷。吸血鬼とジュブナイルの合体技でヒットした先鞭として、有終の美を飾るには相応しい幕切れ。前作は前半が読者サービスとも言うべき穏やかさと、急展開する後半で尻切れトンボのはずなのに、よくできていた。もちろんクリステンの美貌が大画面で堪能できるのが何よりの要因。

 

 そして今回はというと、イタリアから悪役がやってきます、雌雄を決します。ところが実にそこんトコに仕掛けがあって、“〜になったら嫌だよね”というオチは素晴らしいと思う。そう、本作の持ち味=ジュブナイルを貫いた結果になっておりますので、ぜひご覧になってご確認を。さすがにティーン・エイジャーのデート・ムービーを観る歳じゃないな、と痛感したのは主人公ベラに子供ができるというストーリー。孫を拝ませてもらうジイさんの心境ですよ。お店のお客さんで借りていくのは10代から20代の娘さんたちで、当たり前だよね。吸血鬼モノの禁じ手を、アッサリ放棄しているのもライト・ユーザー獲得にはうってつけ。鏡に映ったり、溺れなかったり、そもそも昼間高校に通ったり。ヴァンパイア入門編で卒業しても良いし、好きになったら嫌というほど作品はある。

 

 実は今回注目していたのは監督の手腕で、履歴を漁って見つけた「愛についてのキンゼイ・レポート」のビル・コンドン作品というバイアスで鑑賞。しっかりした実力の人で、技術習得もそつなくこなしている。「サイド・バイ・サイド フィルムからデジタルシネマへ」に出てきた技術スタッフにカラリストがいますけれど、テクニックが冒頭から炸裂。白が赤になったり、山の風景なども自然なんだけど、どこかに加工されたような匂いがある。ちょっと前に観ちゃった傑作イラン映画「友だちのうちはどこ」のおかげで、本作が極めて人工的な作品であるように見えた。つまりは21世紀の最新作ということで、CGの使い方も適材適所。あんまりバトル・シーンで多用すると露呈しますけれど、数十人単位ならチョロっと使って後は役者さんの熱演にお任せするのが妥当。

 

 あれだけ大勢出てくれば、見せ場は少なくなって当然だけど、知ってる顔の人達は識別できた。悪の親玉マイケル・シーン(「トロン:レガシー」)、「もうひとりのシェイクスピア」でも美貌を見せつけたジェイミー・キャンベル・バウアー、「ランナウェイズ」クリステンと共演していたダコタ・ファニングなど。「エクスペンダブル2」のサイモン・ウェストと似たような感じで、監督にお任せされるのは配分だったのでは?「ロード・オブ・ザ・リング」完結するまで3年を要したように、本作もそれだけ月日が経った。第3作でとっとと撮影しないと“みんな大人になっちゃう”と心配になりましたが、間に合いました。

 

現在(1/4/2013)公開中 
オススメ★★★☆☆

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関連作

   愛についてのキンゼイ・レポート 

 

 極めて合衆国らしい人物かもしれないアルフレッド・キンゼイ博士の一代記。真理探究の発端が厳格な父への対抗心で、とことん追求してしまう様は21世紀の今も続いている。元は昆虫の生態を観察していた学者なんだけど、対象が虫から人間の性に映って、一大センセーショナルをかの国で巻き起こす。子供の頃から年老いるまで描かれるんだけど、少年時代のキンゼイ先生に扮したのがベンジャミン・ウォーカーで驚かされる。吸血鬼ハンターの大統領に扮した彼を見た時、リーアム・ニーソンに似ていると思ったけれど、既に彼の若き日を演じていたわけだ。それにしても昨今は戦う父親で知られる範囲が広がった、ジャンバルジャンも演じてしまうリーアムは、世間を騒がせた教授も見事にハマる。人気が出ると教室に学生が大挙してやってきて、教室が埋まっている様子はまるでマイケル・サンデル先生の授業みたいだ。

 

 インディ系の割にはかなり豪華な共演陣で、主演の2人だけでなく、ピーター・サースガード(「ナイト&デイ」)、クリス・オドネル(「バーティカル・リミット」)、ティモシー・ハットン(「ゴーストライター」)が駒に徹している。オリバー・プラット(「2012」)やティム・カリー(「三銃士」)などが定位置なれど、キンゼイ教授の父親役がジョン・リスゴー(「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」)で、老いた父=リスゴーが息子に告白するシーンは見ごたえあります。変人なれど支えてくれる妻がいると、一生を全うすることができるのはジョン・ナッシュレイ・チャールズとご同様ながら、ローラ・リニーの演技力は必須。

 

 生真面目なアメリカ人だけに、口にしたがらない性に関して切り込む博士はマスコミの餌食にされたり、資金繰りが上手くいかなかったり。フーバー長官に目をつけられて・・・の部分が笑えるけれど、未だほかの人がやってない事を始めるのは山あり谷あり。センセーショナルな話題だけに、結果として“ジャーナリズムに殺されちゃうんだよな”は絶え間なく映画に記されている。でも後の世に貢献した研究だったことはよく分かる。解明されれば性差別を抑止することにもつながるし。監督のビル・コンドンは手堅い手腕の人で、「トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part 2」をお任せされるのは納得。
オススメ★★★★☆

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