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2ガンズ

  2ガンズ

 

 「劇場版 SPEC〜結(クローズ)〜 漸(ゼン)ノ篇」「42〜世界を変えた男〜」ときて3本立てのラストは、実にオーソドックスな作品でホッとした。グッズ販売なんて考慮されてないし、アカデミー賞を射程に収めてもいない。ただのバディ・ムービーで、感動すら覚えてしまう実にオッサン向け商材。でもたまりませんでしたよ、デンゼル・ワシントン「フライト」を見逃していたし。「デンジャラス・ラン」は相棒のライアン・レイノルズ君が物足りなかったけど、マーク・ウォールバーグはカリスマ・スターに負けてない。振り返ってみるとマークはバディ&チーム・ワークもので上手くいく。「アザーガイズ俺たち踊るハイパー刑事!」やチームだと「ミニミニ大作戦」、義兄弟ものなれど、「フォー・ブラザーズ/狼たちの誓い」など。

 

 展開なんてもうミエミエで、安心気楽に眺めることができる。セリフの掛け合いが楽しくて、冒頭の食堂でのやり取りは監督からお任せされたみたいだ。それぞれ明かせない背景があって、双方騙し合いながらチームを組んでいる。デンゼル演じるボビー・トレンチはDEA(麻薬取締局)で、マーク演じるマイケルは海軍情報部。メキシコマフィアの金をかっぱらったのは良いけれど、やけに額が多くて“一番黒い国家機関”から追い回される羽目になる。もちろん額が額だけに黒い組織はCIAなわけで、DEAと海軍情報部と揃って主人公の2人を追跡。メキシコも舞台になるから、「誘拐犯」っぽいけれど、スター2人の演じてきたキャラクターが見え隠れ。

 

 デンゼルはヤク絡みの「トレーニングデイ」をやってるし、スナイパー役を「ザ・シューター極大射程」でマークは演じているしで楽しくて仕方ない。テンポもイイし、スイスイと進行する。おっさん御用達のもうひとつの要件=お色気シーンもポーラ・パットンが見せてくれます、手を合わせそうになっちゃった。「欲望のバージニア」ジェシカ・チャスティンも美しかったが、「ミッションインポッシブル/ゴーストプロトコル」のセクシーさと甲乙つけがたい。「デジャヴ」で一緒だったけど、彼女の相手が務まるんだからデンゼルもセクシーさが衰えない。バディ双方に彼女がいるとバランス崩れるけど、マークは軍人だけに独り身でこれも合格。

 

 原作がグラフィック・ノベルだそうで、「RED/リターンズ」も控えているし、まだまだ荒唐無稽のお話の宝庫。ワリとコンスタントに映画になってるのかな?「オブリビオン」が6月だったし。お気に入りは「コンスタンティン」とか「フロム・ヘル」だけど、本作は「ヒストリー・オブ・バイオレンス」のテイストも入っている。ヴィゴ・モーテンセン主演のアチラではエド・ハリスが得体の知れない男を演じたけど、コチラではビル・パクストン。「エージェント・マロリー」では娘の身を案じる父が転じて極悪非道。もうちょっと不気味さが加わると「ノー・カントリー」のハビエル・バルデムか。

 

 主要キャラクターから背景、展開に至るまで全て予想の範囲内で収まっているけれど、実に清々しくも楽しい。「マチェーテ」続編も待機しているし、この手のB級がなくちゃオッサン困ります。脇役でさ、フレッド・ウォードも出てくるんだけど、「ピザボーイ」のジジイに引き続き“事なかれ主義”の少将がピッタリ。ジェームズ・マースデンも被った(「X-MEN」)後遺症をものともせず、着実にキャリアを重ねている。彼の次回作「大統領の執事の涙」が今から楽しみだし。あと一人マフィアのボスを加えて出てくる人に無駄がない。ボス役のエドワード・ジェームズ・オルモスって「復活の日」に出てたのな。

 

 監督のバルタザール・コルマコウクルの1作前「ハードラッシュ」は、既に店頭に並んでいるから、今から楽しみだ。2作連続したマーク・ウォールバーグとは相性がいいんでしょう。もちろん違った状況下だったら、また評価は変わるだろうけれど、本日観賞の3作品で最も映画を観ていると感じたのがコレ。ファンに対して至れり尽せりの「劇場版 SPEC〜結(クローズ)〜 漸(ゼン)ノ篇」、考えさせられる「42〜世界を変えた男〜」と続くと、じっと見てなくても面白い本作が娯楽として合格。ジェームズ・マカヴォイ&マーク・ストロングという、映画好きが唸る英国演技派共演の「ビトレイヤー」と映像の洗練度で一歩譲ったとしても。

 

現在(11/13/2013)公開中
オススメ★★★★☆

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  ビトレイヤー

 

 見逃してもったいない思いをするのは分かっていても、結局全部の映画を見ることなんて不可能。公開されただけでもラッキーです。やはり“製作総指揮リドリー・スコット”というのが一番効果的なのかな?主演の2人はワシにとって申し分のない観賞誘引剤です。マーク・ストロングは本国でもコンスタントに出演していて、「ランズエンド-闇の島-」「ゼロ・ダーク・サーティ」は控えめで良かったし、「ぼくのプレミアライフ」は発見だった。ジェームズ・マカヴォイはイギリス人だからか、「声をかくす人」被り物ジンクス破りそうだなと思っていたら、コチラでかなりワイルドに変身している。それは「ウォンテッド」の頃と比べると一目瞭然で、眼光鋭くなってました。

 

 金の集まるロンドンは、観光名所っぽく映そうとすれば「007/スカイフォール」が良い例ですけれど、別な顔も持っている。明かりが煌々と点っている機械都市として描かれたあの街は初めて見た。都市を描く場合色味が抑えられるのは完全に好みで、一発で参ってしまう。それはフランスの「インストーラー」と似ていて、もちろん中身も先進国らしく、腐っている社会のテッペンにいる人たちがワル。“正義もクソも何も信じられません”となったら“目には目を、歯には歯を”になるわけで、ハメられた刑事と、息子を殺された泥棒が、背に腹は代えられなくなって共に戦う。過去の因縁など、親しい者の復讐となれば棚上げになる。

 

 ハディものっぽい枠組みながら、“相棒未満”なのはもちろん欧州産のテイストならでは。「2ガンズ」の気楽さは削がれていて、この辺は好みの分かれるところでしょう。サラ役のアンドレア・ライズブローは「オブリビオン」で全世界に顔が知れ渡り、生活感漂わせる「シャドー・ダンサー」も悪くなかったし、今後は要注目か。並行してご覧になるのにオススメは「ブリッツ」「ルート・アイリッシュ」で、本作はその合体技とも言える。ココ・ヘクマティアルの私兵集団に、警察出身でスナイパーのルツがいるけれど、戦闘中はずっと遠くで獲物を狙っている。民間軍事会社のワリには狙撃手をケチったのか、ラストの銃撃戦で上から撃つ人出てこないんだよね、日本の漫画は精密だ。
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