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WIN WIN ダメ男とダメ少年の最高の日々

  WIN WIN/ウィン・ウィン ダメ男とダメ少年の最高の日々

 

 媒体の露出頻度が高い稼ぐシリーズ(店としては今年のアメコミ群は期待大)は盛況だ。でも映画はそれだけじゃないんじゃない?と思っている映画好きは、大作上映の映画館とは違った場でニヤニヤしながらスクリーンを眺めている。「リンカーン弁護士」に引き続いてまたまた来ちゃったシネマート新宿。実はレンタル屋だからこの作品のリリース日を知っている。でも分かっちゃいるのに止められない、やはり劇場で観たかった1本。だって「扉をたたく人」のトム・マッカーシー(表記はどれもトムだったな)が撮ったものなんだから。オマケに感動作ならお任せのフォックス・サーチライト社製。前日に見た「ペイド・バック」なんか2社が絡んでいたけれど、好きなインディ系の映画会社で、前作で監督の才能に目をつけたからには行くしかないのです。

 

 さてもう一度「扉をたたく人」を見たらやはりよく出来ている。では本作はというとキャストは多めながら、描き方はさらに控えめ。前作は“9.11”以後、理不尽な扱いを受ける移民たちだった。そして今回は“高度資本主義社会の周辺”に位置する人々の日常を中心に据えている。「ヤング≒アダルト」は資本主義の幻想=毒に当てられた被害者だけど、本作は21世紀の現実に困っている人々。ただ過度に原因追求“〜が悪い”をしていないのが、なんといってもこの監督の持ち味。ただしジェイソン・ライトマン荻上直子のテイストとはちょっと違う。認知症の初期症状がある独居老人、薬物中毒の母親とその息子の高校生、事務所の経費もままならない弁護士とその友人。これら21世紀の生々しさを持った登場人物たちがどういうわけか集っていく。

 

 まずは「リンカーン弁護士」のバリバリ稼ぐ弁護士ではなく、街の小さな案件をコツコツ解決していくホントの町弁が主人公マイク。演じるポール・ジアマッティは「サイドウェイ」以来気になる人で、間抜けな悪党(「シューテム・アップ」)も狡猾な選挙ブレーン(「スーパー・チューズデー〜正義を売った日〜」)も出来るけれど、年相応のまじめな男(「ラブ・アゲイン」のスティーヴ・カレルより現実的)。ちなみにワシと年は同じで、女優さんはジュリア・ロバーツとかニコール・キッドマンでスター!なんだけど、男優さんはソン・ガンホ(「青い塩」)とか・・・でも愛着のわく人です。女房の浮気が原因で、家を追い出された友人テリーとの中年男コンビは「サイドウェイ」みたい。テリー役のボビー・カナヴェイル、なかなか濃い顔の人で「アザーガイズ」「モール★コップ」、「素敵な人生のはじめ方」などに出ていたのだそうな。完全に賑やかし役なんだけど、近所のちっちゃい騒動に欠いてしまったら台無しになる実に重要なキャラクター。

 

 物語はまじめが売りの町弁が独居老人の世話人になるところから動き始める。老人役がなんと「ロッキーV」のポーリー=バート・ヤング。ストレートに描くと「マイライフ、マイファミリー」になりますが、偉人伝「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」)にしてもラブコメ(「ステイ・フレンズ」)にしてもあって当然として描かないと、21世紀の現実を作品に反映させることが出来ない。もちろん演じるのは芸達者でならではで、メリル・ストリープしかりリチャード・ジェンキンズしかり。そしてもう一方の現代の頭の痛い問題=家を出ちゃた高校生がその孫。彼の登場でお話には変化が生まれる、家を出るにはもちろんワケがあるし・・・。ワシもホントに若者が嫌いな証拠に、出てきた瞬間にしかめっ面になりそうな小僧。ところが“参ったなこいつと口きかなくちゃなんないのか”と思わせるカイル役のアレックス・シェイファーは上手い。死人顔を演じつつもレスリングになったら向かうところ敵なし。鮮やかな技だと思ったら、アレックス君ホントにチャンピオン経験があるそうな。彼と弁護士の間には“師と弟子もの”の展開があるけれど、ひとくせあったコーチをもった「クールランニング」を思わせる。

 

 主要人物たちも大通り映画でしたら脇ですけれど、本作のさらに脇の人々も素晴らしくて、ジェフリー・ダンバー(「宇宙人ポール」)なんて、いてもいなくても良さそうなのに画面に収まるし、ボンジョヴィの刺青した弁護士の奥さん=エイミー・ライアン(「ゴーン・ベイビー・ゴーン」)がまた良いのだ。問題児を連れてくるのは亭主だけど、実際に接するのは奥さんだし、カイルとスーパーで買い物するところが良かったね。“win win”などとセミナーなどで言われると“ホントかよ”と懐疑的になるけれど、この作品で描かれるのはレスリングも含めて現代の“WIN WIN”だと思う、ぜひご覧になってご確認を。もう畳の上では死ねない、産みの親だからって一緒に住めない、こつこつ人のために働いていると行き詰る、でも生きていかなくては(「プレシャス」「ヘルプ〜心がつなぐストーリー〜」)。インディペンデント・スピリット賞 の認知度がもっとあったらねぇ。

 

現在(8/23/2012)公開中
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 くそ暑い今(8/29/2012)ではまさに一服の清涼剤となる「イルカと少年」にも受け継がれている動物感動作。もっとも人間よりデカイ脳みそを持っている生き物=シャチだけに、ちょっと前には“癒し効果がある”と言われていたっけ。マイケル・ジャクソンが主題歌を担当したことでも当時は話題になったものだ。今はなき渋谷パンテオンのでかいスクリーンいっぱいに、シャチの勇姿は迫力。

 

 イルカ・トレーナー役のロリ・ペティがチャーミンクで、完全にワシ好みだった。“ありがちな感動ストーリー”だけでは20代の勤め人が喜んだりはしません、華がなくちゃ。でももっと引き付けられたのが、主人公ジェシーを引き取った養父役のマイケル・マドセンで、あの「レザボア・ドックス」の人ですから変身ぶりに驚いた。彼と主人公ジェシーの“歯がゆいやり取り”が実はワシにとって一番の見所。 
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