関連テーマ

 

                    
サイドボックス

ここにテキスト


出し

ペントハウス

  ペントハウス

         

 予告編だとベン・スティラー、エディ・マーフィー共演の日本人向けコメディに見えた。合衆国ではウィル・フェレル(「アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!」)やスティーヴ・カレル(「ラブ・アゲイン」)やセス・ローゲン(「50/50 フィフティ・フィフティ」)といった人達が人気だけど、レンタル屋をご利用の方々には未だ両者とも人気を維持している。もちろん放っといても売れる商材だし、それほどピンとは来なかった。ところが次候補の面々が出てくると、腰が浮くことに。「プレシャス」のガボレイ・シディベちゃんに、「キラー・インサイド・ミー」のケイシー・アフレックに、ついこの間観た「ビザボーイ史上最凶のご注文」にもしょーもない役で出ていたマイケル・ペーニャ。「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」「インセプション」と似たようなパターンでどうかな?どうかな?という気持ちが押さえられず、日曜の19:15には劇場の椅子に座っていた。

 

 しかし次候補の面々がワシのような映画好きの“客寄せ”で、なんとベン・スティラーはバリバリの主役を張っているじゃないですか。正直、彼を真正面からじっくり見たことなんかなかったから、驚くなかれ端正な面持ち。演じる役もホテルの従業員を束ねるシッカリしたマネージャー。規則正しく、厄介な連中の面倒をなんとか見ている。仕事しているフリして司法試験の勉強をしている人とか、就労ビザ切れ寸前の女の子(ガボレイ・シディベがピッタリ)の悩みとか・・・。果ては妹の亭主なのに足を引っ張るフロントマン(ケイシー・アフレックがピッタリ)とか。更に採用待ちのもう実にダメそうなマイケル・ペーニャまで。でもね、マネージャーたるもの心で歯を食いしばって、顔に余裕をたたえなきゃいけないのですよ(経験者ならお分かりですね)。

 

 順風満帆をなんとか演出する主人公ジョシュを襲うのは、最上階=ペントハウスに住んでる男の詐欺事件が発端になるピンチ。アホどもがしでかす金融危機は、逃げ場がないグローバルな世界では余すところなく人々に悪影響を及ぼす(「カンパニーメン」「ウォール・ストリート」)。本作ではもっと切実で「アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!」とおなじくみんなの××がパーに。怒り心頭でペントハウスじじいのフェラーリをゴルフクラブで叩き壊すところは痛快なれど、事態の解決にはなっていない。そこでじじいの隠し金を・・・、その辺はぜひご覧になってご確認を。ホテルの従業員ってとこがミソで、エディ・マーフィー扮するセコイこそ泥でも強奪計画が成立する。「バンクジョブ」とも「オーシャンズ11,12,13」 とも違うテイストはこの作品の持ち味。

 

 また盗むのは男ばかりだけに華が必要で、それがティア・レオーニ扮するFBI捜査官。ほとんど「特攻野郎Aチーム THE MOVIE」のジェシカ・ビールと変わらないけれど、「ディープ・インパクト」の彼女もリンダ・フィオレンティーノ(「アンフォゲッタブル」「MIBメン・イン・ブラック」)みたいにアダルト・セクシーな感じが出てきました。「RED/レッド」のメアリー・ルイーズ・パーカーしかりです、若い人から枯れてるなどと言われようが、ワシにとっては欠かせない映画の華。エディ・マーフィーもずいぶん抑えた感じで(「星の王子ニューヨークへ行く」みたいな七変化を封じ)、少し痩せたからか「48時間」「ビバリー・ヒルズコップ」の頃の精悍さがあってホッとした。

 

 別に好きじゃないのになぜかその作品をぼちぼち観ているブレッド・ラトナー。今回は「ラッシュアワー」でジャッキーさんと共演を想定されていたエディを抑え気味に、「ズーランダー」の間抜け顔が嘘みたいに「リアリティ・バイツ」の頃みたいなマジ顔のベンスティラーを前面に出して、要素としては文句なし。ところが悪くないんだけど、なぜか締りがないというか、いまひとつ“ツメが甘い”ような印象が残る。「ニューヨーク、アイラブユー」に参加しているんだから、技量は申し分ないはずなんだけど。もっともだからこそ“それがヤツの持ち味なんだよな”などと思いながら、ニヤニヤ顔で劇場を後に出来る侮れない1本でした。サービス業やっている方には特にオススメ。

 

現在(2/4/2012)公開中
オススメ★★★☆☆

Amazon.com

DMM.com

 

前のページ  次のページ

 

top

 

関連作

  ズーランダー

 

 既に笑いの対象でしかなかったファッション業界(ワム!とフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドで爆笑)。「ブルーノ」と「俺たちフィギュアスケーター」で似たようなことをしているけれど、ベン・スティラーは早かったわけだ。1人5役(監督、脚本、原案、出演、製作)をこなしてやる気満々のベンと、「スタスキー&ハッチ」でもコンビのオーウェン・ウィルソンはやりまくり。“パンツ脱ぎ合戦”なんかをやって笑いをとるんだけど、そこになぜかデヴィッド・ボウイまで出てくる。公開当時はその部分くらいしか分からなかったけれど、今(2012年)こそ分かる部分が多々アリ。

 

 「ペントハウス」の後に見ると、本作はもの凄い努力の結果色々な“アホ顔”を作っていたのがよく分かる。更にカメオ出演の面々に狂喜する。ヴィンス・ヴォーン(「僕が結婚を決めたワケ」)、ナタリー・ポートマンなどが無造作に出ており、「プレシャス」での看護師役なんか微塵も感じさせない元の姿のレニー・クラヴィッツ。とどめはジョン・ヴォイトですよ、あの「真夜中のカーボーイ」の。ミラ・ジョヴォヴィッチ「バイオハザードW」)もずーっと“ブス顔”作っていてすごい。アパレル業界の後進国搾取をマイケル・ムーアがやる前に取り入れ、ウィル・フェレルを悪役に文句なし。しかしキラリと光るヒロイン=マチルダ、あんまり見かけないなぁと思ったら、ベンスティラー夫人だった。
オススメ★★★★☆

Amazon.com

DMM.com

ホームページ テンプレート フリー

Design by

inserted by FC2 system