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ヘルプ〜心がつなぐストーリー〜

   ヘルプ~心がつなぐストーリー~

  

 エマ・ストーンの待ちに待ってた文学作品の映画化。予想通りアカデミー賞も獲得しているから、ジワジワと彼女の人気も浸透しつつあるみたい。「ラブ・アゲイン」を借りた女の子には「小悪魔はなぜモテる?!」をモレなくおススメ。出ているキャストが少なめの高校生コメディとは違って、コチラは芸達者が多数出演する感動作。エマは出演者の一人として、自らのパートをしっかり担っていた。女優業(「ロストガール」)とスター業(「トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン part1」)を平行しているクリステン・スチュワートと似たような感じです。

 

 「摩天楼はバラ色に」のマイケル・J・フォックスのように、新聞社に滑り込んで仕事を得たエマ扮する主人公=スキーターは家事のコラムを任される。コラムに必要なのは家政婦の知識で、黒人メイドに話を聞くことに。話を聞いているうちに、ミシシッピという土地特有の黒人差別が浮き彫りになっていき、ついには一冊の本が出来上がる(州法だったってのは驚き)。黒人差別を知るなら「マルコムX」が分かりやすいでしょうか?「リリイ、はちみつ色の秘密」を見るとムカムカしますけけれど、描かれた作品は多い。もちろん同じように訴えたのでは21世紀にはアピールしないので、ちょっと違った差別の描き方をしている。暴力描写で差別を見せるのではなく、白人女の底意地の悪さでそれを表し、徹底的にコケにしている。もちろんメインの3人、エマ・ストーン、ヴィオラ・デイヴィス、オクタヴィア・スペンサーは文学作品の主人公として申し分なし。目をくりっくりにしてミニーを演じたオクタヴィアも、「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」も良かったし、「ナイト&デイ」でも落ち着いた感じがあるヴィオラもなかなか。しかし悪役の方こそワシにとっては美味しすぎた。

 

 黒人メイドに非人間的な意地悪をする、上流階級=白人女に扮した女優陣こそ本作の見所。そろいも揃って美人なんだけど、全員もれなくバービーちゃん人形みたいなスタイルで、アホ丸出し。全員さすがは女優根性の人たちで、ここぞとばかりにその美貌を悪い方に嬉々として使用。ポーラ・パットンが「恋のスラムダンク」で見せた、顔だけのバカ女ぶりなんて足元にも及ばない白痴ぶり。だいたい「テイク・シェルター」のジェシカ・チャスティンが出ているのは知っていたけれど、底意地の悪いボス役なのか、仲間外れにされているアホ女なのか区別がつかなかった。でも賞を獲得するんだから、可哀相な仲間外れのシーリア・フット役で、なんとなんと悪の権化=ヒリー・ホルブルックはブライス・ダラス・ハワードですよ。「50/50フィフティ・フィフティ」のヤリ(アバズレは死語)に続いてやりまくり。親(巨匠ロン・ハワード)の七光りを利用してでも死守したような熱演で、×××入りパイ食わされちゃうのは痛快。パンフレットに載っている彼女のコメントは笑えます、ぜひご一読を。

 

 ホントだったら「ミシシッピー・バーニング」(ごめんなさいDVDレンタルありません)のようなことが作品世界のすぐ外で展開してたんだけど、サスペンスになってしまうのであえてそこを強調しない。勝手な解釈だけどテーマは“男たちは逃げりゃあ済むけれど、女は向き合わなくちゃいけないのよ”だと思う。白人すべてが差別に乗じて、黒人メイドをいたぶっていたわけではないのは、語られるエピソードの中にある。自分と向き合う女の物語、よって主人公スキーターは“育ての親”がなぜいなくなったかに向き合わなくてはならない。最後にこのエピソードをもって終われば美しかったんだけど・・・、ぜひご覧になってご確認ください。苦いエンディングかもしれないけれど「プレシャス」ともども“歩いていかなきゃ”という気になります。前向きになりたいなら「マーガレット・サッチャー鉄の女の涙」よりこちらです。

 

 奴隷がいるということは貴族生活をこの時代、合衆国の白人は満喫していたワケだ。ところが没落は80年代には始まっていたのだそうで(政治と思想 1960−2011  をご参考までにどうぞ)、アホな毎日を繰り返していたあの様を見れば長持ちするワケないのもうなずける。「評決のとき」(ごめんなさいDVDレンタルありません)の時代になってもKKKは威勢がいいようだけど、「オー・ブラザー!」などで茶化されているし、ヤバい経済学 にはより詳しく“どうってことはない”ことが触れられている。枠組みではなく、差別に乗じる醜い心は不変。それを一身で引き受けた、ブライス・ダラス・ハワード演じる悪役に、ヴィオラ・デイヴィスの「疲れない?」は鋭い一言だった。身の回りの至る所にいる、その種の人々に言ってあげたい名台詞。

 

現在(4/6/2012)公開中
オススメ★★★★☆

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 小悪魔はなぜモテる?!

 

 エマ・ストーンの魅力全開!サイコーに楽しい学園コメディ+αで侮れない。ティーン・エイジャー向けの映画も、21世紀にちゃんと適応している。“ヤッた”という噂が一人歩きして、地味めの女の子がエライ目にあっちゃう。タイトルが“EASY A”というくらいだから、ナサニエル・ホーソンの「緋文字」を下敷きにしていて(いちおうアメリカ文学のゼミだったのでかなり笑った)、映画の引用も散りばめられていて楽しい。緋文字の映画はオリジナルがおススメで、デミ・ムーア版がいまいちなのだそう。しかし男の子が“純文学方面”に向かうのとは違って(「(500)日のサマー」)、あっけらかんと笑って見ていられる。「スーパーバッド 童貞ウォーズ」では憧れの対象だったけど、ドジを踏んだ本作のエマは可愛いのだ。若いから「ヤング≒アダルト」 とは好対照。

 

 ヤッたことになっているオリーヴは、そのうちにヤリ(アバズレは死語)にまで堕ちていく羽目になる。偽装SEXのシーンが爆笑で、「恋人たちの予感」でもイッちゃう演技をメグ・ライアンは食堂で披露するけれど、今のエマ・ストーンならでは。学校のうわさはIT通信機器により、より早く、より大勢に伝播していく(以前だったら「エドtv」)。ところが図らずもIT機器による伝達範囲が、ごく小さいコミュニティであることも露呈。使う人間によっては地域が限定、もっとも矮小なITの使用法がこれだ。噂を元に人を非難したりするのは“悪しきこと”というより、“暇で狭い人間であること”の証明というメッセージかも。先生が“思考を垂れ流している”というのはつくづく身に染みる(このページがまさにそうだ)。

 

 もちろん悪い使い方で終わらないのがなかなかで、ビデオ・ログを有効活用(コンピュータはソニー製だしね)。「アバター」のスタイルはやはり早かった。主演のエマの魅力もさることながら、「時計じかけのオレンジ」で老人を蹴ってたマルコム・マクダウェルはとうとう校長先生で、生徒指導したりして。でも彼の唱える建前はけっこう現実的。父親役のスタンリー・トゥッチはチラッとだけど笑わせてくれるし、母親役のパトリシア・クラークソン(「エレジー」)もやりまくり。エマと一緒に映るから年を感じさせるけれどリサ・クドローも笑いの一翼を担い、彼女の夫は「サイドウェイ」のトーマス・ヘイデン・チャーチで理想的な先生役がハマッてた。

 

 レンタル屋ストレートになってしまったのは、ここで展開する世界が日本ではもう少し後になるからかも?でもエマ・ストーンの公開作が劇場で観られる時期が遅れるのは実に困る、だって変幻自在だよ彼女。本作のあとに公開された「ステイ・フレンズ」があるけれど監督のウィル・グラックも要注目です。「主人公は僕だった」「デイブレイカー」に似ていて、冒頭のクレジットでビビーンとくる。
オススメ★★★★☆

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