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推理作家ポー 最期の5日間

  推理作家ポー 最期の5日間

 

 ここ2、3ヶ月突然予告編を目にするようになったとっても気になるネタ。ただ「ハンガー・ゲーム」の時、予告編が上映されて、“ポー”と出ただけで女子高生は笑っていた。「名探偵コナン」の名前の由来なんだけどねぇ。そういえば「ラスト・オブ・モヒカン」も笑いが起こったな。ま、みなさん合衆国産の兵器=ティルトローターの愛称(オスプレイ)はよくご存知でも、かの国の文学者については「知らなーい」で差し支えありません。英文科出身にしてアメリカ文学のゼミに属していても、つい最近までよく知らない人間がいるんたから。

 

 でも「黒執事」が好きとか、“ゴシック”と銘打ってある作品に食いつく人なら見といて損はない1本。切り裂きジャックも、かの名探偵が出現するよりも早い時期の新大陸で、不気味で妖しいことを織り交ぜながら推理小説を生み出した作家が主人公。もちろん実際はどうだったか?もクソもなく完全な創作です。ゼミで聞いた話ですと、初期のアメリカ文学者は書いたもので生計が成り立たず、官吏をしていたのだそう。19世紀ですよ、野垂れ死にした変わり者(作家)なんて、確認しようもない。でもそこを“謎に包まれた死”ってことにしてお話にするのが映画。エドガー・アラン・ポーの残した作品を摘んで物語に散りばめ、作家と作品の仕掛けを模倣する犯人を対峙させる。アーサー・コナン・ドイル卿(「ファリーテイル」)も文豪アーネスト・ヘミングウェイ(「ミッドナイト・イン・パリ」)も映画に顔を見せますが、主人公にはなっていない。「リンカーン/秘密の書」では大統領VS吸血鬼ですが、B級の史劇的コスプレはどうなるか。

 

 出演者は少なめですから皆さん持ち場をしっかり堅持。ジョン・キューザックは似ていないけれど、酒浸りの売れない作家になっていた。直近で「Virginia ヴァージニア」があるから、どうしても比べてしまって、アチラでポーを演じていたベン・チャップリンの方が・・・とも思いますけれど、ウィキペディアの読み過ぎ。ポーの肖像なんてたいていの人は見たことないんだから。彼に協力を依頼する切れ者刑事役がルーク・エヴァンスで、ゼウスアラミス史劇的コスプレばっかり見てきた。容姿が端正すぎるのも困りもので、コメディに出るのは難しそうだ。そして悲劇の運命に遭遇するヒロインがアリス・イヴで「メン・イン・ブラック3」ではチラリでしたけれど、「アイアン・スカイ」のユリア・ディーツェ共々最近のお気に入り女優。なんと次のスター・トレックがストックされている。おまけに「デンジャラス・ラン」でも出番増えそうだな、と思っていたブレンダン・グリーソンまで、少ないけれど漏らさぬキャスティング。

 

 ラインとしては「幻影師アイゼンハイム」に近く、「V・フォーヴェンデッタ」の監督ジェームズ・マクティーグだけにソコソコという印象。ま、ティム・バートンみたいなことはできないですからね(「スリーピー・ホロー」)。「羊たちの沈黙」「セブン」以来猟奇殺人を扱ったサスペンスは大量生産されたわけですけれど、世紀が変わると推理よりテクノロジーを使いこなす人が主役に躍り出た。海外テレビドラマの「CSI」とか「ボーンズ」とか「ライ・トゥ・ミー」などが分かりやすい。だから売れ筋の嗅覚が鋭いジェリー・ブラッカイマーが、テレビドラマにシフトしたのだと今頃気がつく。そんな流れに推理小説の祖であるポーを持ってきて、ゴシックテイストをまぶしつつ、史劇的コスプレのサスペンス映画にする。最近サスペンスの棚に新作が補充されないから心強い。

 

現在(10/12/2012)公開中
オススメ★★★☆☆ 

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関連作

 黒執事

 

 「あくまで執事ですから」というダジャレが肝心なゴシック・アニメ。オススメしてくれたのは常連さんでワシより年上。ところが「執事=セバスチャンの声がいいのよねぇ」だそうで、どれどれと覗いてみたら抜群に好みにマッチしている。だって日本ではなく19世紀の英国が舞台で、女王陛下より“裏社会”を任されているファントム・ハイブ家当主が謎の事件に挑んでいくといもの。もちろんホームズもパクっているし(あの犬のお話)、切り裂きジャックも出てくる。さらにセバスチャンのお仲間が絡むとワクワクする方面に話が派生していく(「コンスタンティン」とか「ジョー・ブラックをよろしく」 とか)。

 

 ちなみに声が魅力的なセバスチャンを演じている小野大輔は「宇宙戦艦ヤマト2199」の古代進や「009RE:CYBORGE」の002=ジェット・リンクまで演じていて、美声は「日常」で「シー・ユー・ナゲイン!」と飛び去っていく、カラスにも発揮されている(No.9“日常の68”)。また女の子に支持されているのはシエルを演じる坂本真綾で、二十歳くらいの子が「あたし好きなんですよ」とマジ顔。確か「荒川アンダーザブリッジ」のニノさんを演じていて、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」にも出ていて、「ラストエグザイル 銀翼のファム」の主題歌担当と不動の地位。日本映画と同じで声優で作品選択をしないけれど、若手のアルバムは続々出てくるし、随分と様変わりしたものだ。ワシなんか富山敬さん(「宇宙戦艦ヤマト」)とか山田康雄さん(「ルパン三世」)の時代だからね。

 

 それにしてもゴシック・サスペンスとは?と聞かれると返答に窮する。だって「マクロスFサヨナラノツバサ」ならいいけれど、街なかであの格好して歩いている人はムムム?となってしまう。「フロム・ヘル」とか「推理作家ポー 最期の5日間」とか「Virginia ヴァージニア」がゴシックだと思うんだけど・・・。シドのシングル“モノクロのキス”の貸出が好調だったのはこれで納得。アニメで「パレルモ・シューティング」 の要素まで入れてしまうとは侮れない。ファースト・シーズンの最終回は感動デス。
オススメ★★★★☆

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