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ジョン・カーター

  ジョン・カーター

 

 断然「バトルシップ」と言いながら、結局“腑に落ちなかった”ので、4日空けてテイラー・キッチュ“2本立て”となってしまった。この人の“出現の仕方”を見ていると、2009年〜2010年のサム・ワーシントンみたい。「ターミネーター4」「アバター」「タイタンの戦い」と連続して出演作が公開、媒体の露出頻度も上がってその知名度が浸透。このテイラーも超大作が同時に公開された。もっともインタビューなどを読むと(ご参考までにパンフレットをどうぞ)、けっこう客観的に売れてる状況を見ている(この辺もサムに良く似ている)。信じられないくらいのスピードでレンタル屋に商品が並んだ「バンバン・クラブ−真実の戦場」が一番見たいけれど、この人に関しては“お嬢さんを僕にください”が控えたはみ出し者より、タフなヒーローが似合っている。なんと「コベナント 幻魔降臨」にも出ていたんだよな。「Black&Whiteブラック&ホワイト」のクリス・パイン(「ボトルドリーム カリフォルニアワインの奇跡」)などを見ても、昨今売出し中の人の顔つきは変わってきました。

 

 さて肝心の中身ですが、凄いです。全編デジャヴか?と思わせるVFX超大作イメージの洪水。基本路線は「スターウォーズ」のエピソードT、UYなんだけど、「アバター」も入っているし探せばいくらでも見つかりそう。ワシの場合はグイン・サーガもなんだけど、「ロード・オブ・ザ・リング」 と同じく原典だけに、後のクリエイターはこの原作から“イメージを膨らませていった”というのが正しい。ところが具現化したイメージはむしろ“オマージュ作”から貰っているように見える。またまたパンフレットをご参照いただきたいんですけれど、かなり改変しているそうです。エッセンスは抽出されていても、21世紀の観客の舌に合わせて味付けを施す。監督はなかなかの人で、「ウォーリー」のアンドリュー・スタントン。ゴミ処理ロボットが主人公のCGアニメを、大人が観ても辛らつかつ感動的な作品に変身させた手腕は、実写超大作にも適応可能です。「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」でも起用されたのは「レミーのおいしいレストラン」のブラッド・バードで、今後は技術畑と思われがちの人達が監督に進出していくかもしれません。ティム・バートンとかジェームズ・キャメロンとかに近いのかな?

 

 イメージを“オマージュ作”で補完しているだけでなく、21世紀の我々が見ても分かりやすいように、他ジャンルからも流用していて、それがなんと「ラストサムライ」。南北戦争で負けた方(「アメリカン・アウトロー」)のジョン・カーター。妻と子を失った失意の男は、モロにトム・クルーズが演じたオルグレン大尉ですよ、嬉しかったなぁ。異種民族との接触、“変わった奴”に興味を覚えるのは案外リーダーの資質。高いビルならぬ、山をひとっ飛び(まさに「スーパーマン」)する異星人と信義によって結ばれる皇帝タルス・タルカス(声担当がウィレム・デフォー!)。どういう仕掛けか分からないけれど、空を飛んでいる戦艦は「ラストエグザイル/銀翼のファム」も使っている。直近はもちろん「天空のラピュタ」だけど、アレが海外のファンから支持されているのも、遠い先祖にコチラを持っているからか?他にも「スタートレック」やら「デューン/砂の惑星」やら挙げればキリがない。映画「ブレードランナー」が遺作のフィリップ・K・ディックもモテモテの作家ですが、エドガー・ライス・バローズはまだまだ掘り起こされそうです。もっとも「ターザン」の人だとは知りませんでした(恥じ入るばかりです)。

 

 最初は関心なかったけれど、キャストを見たら行くしかない。ウィレム・デフォーだけでなく、マーク・ストロングまで出ている。「第九軍団のワシ」では珍しく善玉だったけど、坊主頭になると途端に暗躍するワルに変身。キアラン・ハインズ(「ザ・ライトエクソシストの真実」)、トーマス・ヘイデン・チャーチ(「小悪魔はなぜモテる?!」)、サマンサ・モートン(「コントロール」)などなど映画好きにとっては実に豪華。収穫はもちろんセクシー・ダイナマイト=リン・コリンズで、「コブラ」が好きだっただけに、スペース・オペラのヒロインで華奢な人は困ります。キャスト良し、中身良しで申し分なし。特に余計な知識がくっついちゃったオッサンにとっては大満足です。2010年にSF超大作が無くて寂しいなぁと思っていたら、やってくれました。ジョン・カーター大尉大活躍の、これこそSFファンタジー巨編。

 

現在(4/20/2012)公開中
オススメ★★★★☆

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 最近はご無沙汰だったけど、火星を舞台にした正統派SF。人類が住める可能性がある太陽系で一番近い惑星だけに、装置さえ持っていけば“息が吸えるように出来るかもしれない”などと思ったりした。確か同じ時期に「レッド・プラネット」も公開されている。なにせ「アンタッチャッブル」のブライアン・デ・パルマ監督作という珍品SF に類するけど、演技派が多数出演。「フォレストガンプ 一期一会」のダン隊長が好きだったので、この時期はゲイリー・シニーズに注目していた。悪役もやっていたけど(「身代金」)、「2010年」のフロイト博士みたいな役まわりでなかなか。ドン・チードル、ティム・ロビンスに加えて、現在(2012年)ワシの注目度が上がっているデンマーク出身のコニー・ニールセン(「パーフェクト・センス」)まで。設定が2020年だから、人類の宇宙開発は進んでいるのか、遅れているのか?
オススメ★★★☆☆ 

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