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JAPAN IN A DAY ジャパン・イン・ア・デイ

JAPAN IN A DAY ジャパン・イン・ア・デイ  JAPAN IN A DAY ジャパン・イン・ア・デイ

 

 リドリー・スコット「LIFE IN A DAY 地球上のある一日の物語」は文句なしのドキュメンタリーで、21世紀に相応しい実験的手法の傑作だった。いずれあの方向に映画が進んでいく可能性は大きい。なにせこれだけシリーズ ばかりとなれば、新しいお話も必要になるけれど、手法が新しくなることで、新たな映画が創造されていく場合もある。その仕掛け人=エグゼクティブ・プロデューサーが日本版を企画するとなれば期待は膨らむ。東日本大震災は我が国にとって、癒し難い傷を残す災害で、現在に至ってもなお立ち直るどころか、ようやく茫然自失の時期を脱したに過ぎない。今回この作品を通じて思い知らされた事実。

 

 合衆国はここ数年ロバート・レッドフォード(「声をかくす人」)を筆頭に祖国を憂い、訴える作品を生み出してきた(コーエン兄弟まで)。今年は日本の映画人たちの力のこもった作品をよく目にする。「外事警察 その男に騙されるな」がそうだし、堤幸彦(「MY HOUSE」のDVDはあまり目にしないな)も、亡くなってしまった森田芳光もヒントを残し(「僕達急行 A列車で行こう」)、テーマは違って見えるけれど荻上直子(「レンタネコ」)も海南友子(「いわさきちひろ〜27歳の旅立ち〜」)も。さらにアニメーションは生き残りも掛けて、外国産に対抗できるモノをぶつけてきている(日本アニメーションの新しい試み)。「009 RE:CYBORG」は“石ノ森漫画館”のためでもあったんだなとニュースに接して気がつく。「トイレット」で触れているけれど2010年にはご無沙汰していた日本映画、テーマ、クォリティともに半端じゃないものが揃っている。

 

 日本側の仕掛け人が亀山千広で、ヒット作も持っているけれど(「テルマエ・ロマエ」)、肝心な日本映画もきちんと残している(「終の信託」)。とっくにフジテレビを辞めていたのかと思ったら、なんと未だに会社員。合衆国にはジェリー・ブラッカイマーがいますけれど、もちろんフリー。「パイレーツ・オブ・カリビアン」のプロデューサーは映画監督により良い環境を提供し、会社と七面倒臭い交渉をするのだそう(「キングアーサー」 のパンフレットに書いてありました)。フリーと社員の違いはあれども、両者に共通するのは“時代に即した嗅覚”と“ヒットさせる手練手管”を備えている。当たりゃあ勝ちどころか、観てもらわなくちゃ成り立たないのが映画。さらにこのフジテレビ常務取締役の参加は作品に必要不可欠だった。ぜひパンフレットを参照していただきたいんですけれど、テレビ局の人だけに非テレビ的映像抽出に果たした役割は大きい。

 

 さて肝心の中身ですけれど、必見です。映画は午前零時から始まり日付が変わってからエンディングとなる。夜中の映像も興味津々ながら、朝陽の美しさは「LIFE IN A DAY 地球上のある一日の物語」とご同様。夜を写す場合プロの手腕が問われますけれど(「マイアミ・バイス」)、十分な光量があれば、カメラのスペックがソコソコでも綺麗な映像がちゃんと収まります。そして人々が目覚め朝食をとる。寝ぼけた子供はやはり可愛くて、顔がほころびます。なんだかんだ言っても子供と動物にはかなわない(「幸せのキセキ」)。ただし時間が進むと徐々に“何の日”だったかを思い起こさせる映像が入ってくる。ぜひご覧になってご確認ください。特に被災地の“生の映像”はますますテレビニュースに割く時間が無駄に思えてくるし、放射能の現実を見せられると特に・・・。また震災当日に生まれた女の子を持つお父さんの告白は訴えます。劇場ですすり泣きをする人が続出したのは「奇跡」 以来(ワシなどは思い出し泣きしっぱなし)。

 

 すでに「LIGHT UP NIPPON 日本を照らした、奇跡の花火」 という優れたドキュメンタリーがあるわけですけれど、とても描ききれない巨大で身近な災害の現実は、今後も映像で伝えられていくことになるでしょう。また同時にしっかり生きている人々が映し出されるから、元気が湧いてくる。人々が持ち寄った映像は、加工が施されないから信頼度は高いけれど、全てを見ることは不可能。それは膨大な量の映像で溢れているYOU TUBEのサイトを閲覧すればお分かりになります。そこでプロが配置していく(二人の監督はさすがの手腕)、「LIFE IN A DAY 地球上のある一日の物語」が画期的な映画だったゆえんがココで、IT 革命のなせる技とでも言ったところでしょうか。施政方針演説を10/29に行った国家元首が、ひと月も経たないで解散しちゃうけれど、そんなことに呆れていたって仕方ない。身近にいる人々を感じ、信じなくてどうして生きていけるのか?あの日のことを振り返るのに、最も相応しい映画かもしれない。

 

現在(11/15/2012)公開中
オススメ★★★★☆ 

 

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関連作

 テルマエ・ロマエ 

 

 ほとんど中身空っぽながら、冒頭から笑ってしまう2012年邦画興行成績ナンバー・ワン確実の1本。いちおうタイム・パラドックスの体裁を持っているけれど、「サマータイムマシン・ブルース」と似たようなもので、ただの方便。キャストは単純に“彫りの深い顔”をした人たちで決まったんじゃないか?と思えるくらい“濃い人”たちが結集。ローマ人に扮したのは阿部寛に市村正親に北村一輝。阿部寛演じるルシウスは確実に「トリック」の上田そのもので、力み過ぎの芝居が全編に渡って披露される。お風呂の映画だけに鍛え上げられた肉体美は女性にはたまらんでしょう。さらに笑いを倍加させる効果はセットにありありと出ている。わざわざイタリアで撮ったんだそうですけれど、古代ローマのテルマエ(公衆浴場)と日本の銭湯、ズレまくっている光景こそが肝心。

 

 史劇的コスプレ「アレクサンドリア」「第九軍団のワシ」を観てもドキュメント・タッチに移行。「メルブルックス/珍説世界史PART1」の路線を日本映画で復活させる、でも笑いが最も難しくてこの挑戦は亀山千広ならではの仕事でしょう。トイレとお風呂に関しては世界に冠たる日本ですから(「トイレット」をご参考までにどうぞ)、案外海外で受けるかもしれません。「ボラット」だってカザフスタンで受けたそうですから。「アイアンスカイ」より無内容にして無意味に見えるけれど、これこそがなくてはならない。シネコンで上映終了しても「コッホ先生と僕らの革命」を観に行った時ミニシアター・TOHOシネマズ・シャンテでやっていたし、バカ笑いするコメディなくして映画館は存続しないのだと宣言している。現在(11/21/2012)貸出絶好調ですし、ありがたいですホントに。
オススメ★★★★☆

 

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