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TIME/タイム

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 「ロード・オブ・ウォー」で実力を知ったは良いけれど、いつまで経っても新作が公開されない映画監督アンドリュー・ニコル。待つこと実に7年で、前作は武器商人を通じて世界の裏側を見せてくれたけれど、今回は“時は金なり”な世界を近未来SF仕立てで展開。もっとも大通り映画(20世紀フォックス)だけに毒は控えめ。更に特撮はお得意の20世紀フォックスながら、流行の特撮モノっぽくもない。現在の流行は「ハンコック」あたりから続いていると思うんだけど、ごく日常に“ありえない映像”を取り込む。「宇宙人ポール」などは代表格で、“chronicle”などは今から楽しみ。

 

 で、「ガタカ」に回帰しているような本作、物語世界は身体に時間表示が刻まれている他は「リアル・スティール」と似ていて、現在とあまり変わらない。今とあまり変わらないのは貧富の差も同様なれど、露骨なのが貧富の差が命に直結しているところ。枯渇しそうな資源を奪い合うのは「デイブレイカー」ながら、人類共通の財産を一部の人間が独占していて、時間切れがすなわち命切れ。でもこれは派遣労働やると身に染みて、“日銭暮らし”をしていると、来月のことなんてまず考えられないですからね。ネタとして“モータル/イモータル”は好物で、寿命の長短は「ブレードランナー」にも出てきたテーマ。しかし哲学的なSF映画の金字塔寄りではなく、21世紀の現実を大通り映画に込めている。この監督が「マイレージ・マイライフ」 のジェイソン・ライトマンに似たものを感じさせるのがココ。“現代を毒も含めながら描く”けどメッセージを強調させ過ぎない。

 

 大通り映画(媒体の露出頻度がフル回転)だけど、インディ系根性は健在で、25歳という設定を見せつけるために独特の味つけをしている。それが揃いも揃って美形ぞろいのキャスティング、脇で「アイ・アム・ナンバー4」と「ホワイトカラー」が出てくる。けっこう大人の女性に貸し出し良好な「ホワイトカラー」のマット・ボマーは未知数なれど、「アイ・アム・ナンバー4」のアレックス・ペティファーはワル顔作って完全にギャング役に化けていた。加えてオリヴィア・ワイルドですよ、その美貌がSFっぽさに説得力を持たせてくれる(「トロン:レガシー」)。「カウボーイ&エイリアン」でも予算軽減に大きく寄与する美人で、予告編だと恋人かと思ったらなんとジャスティン・ティンバーレイクの母親役。外見は同年代でも大人の雰囲気出せるのは彼女ならでは。だいたいみんな同い年に見えるのに、一人だけキリアン・マーフィーがおっさんっぽいキャラ。運が良いのか悪いのかバットマンにならず、タフな役もハマッてきました。

 

 そして主演は日本での認知度が上がるのか、このままなのかの2人ジャスティン・ティンバーレイクとアマンダ・セイフライド。ジャスティンは「ソーシャル・ネットワーク」ではチラリ止まりだったけど、「ステイ・フレンズ」などに出ているから、ミュージシャン出身のウィル・スミスマーク・ウォールバーグみたいな成功を手にすることが出来るのか?アマンダ・セイフライドの知名度というか、我が国との相性は未だ不明ながら、けっこう体当たりでアクションに臨んでいた。ワシの場合エマ・ストーン支持なので、関心薄い人なんだけど、「クロエ」に出るくらいだから10年後に化けていることを再確認しそう。

 

 7年ぶりで楽しみだったアンドリュー・ニコル作品。新作を拝めたのはホッと一息ながら、大通り映画だけにテイストは抑え目だった。でもダグ・リーマン(「フェアゲーム」)の「Mr.&Ms.スミス」「ジャンパー」に相当すると思って、今から次回作が楽しみになってきた。もうストックされているしね。

 

現在(2/20/2012)公開中
オススメ★★★☆☆

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 ステイ・フレンズ

 

 もう冒頭から素晴らしい、ブルーノ・マーズの“Runaway Baby”から始まってエマ・ストーン登場。「小悪魔はなぜモテる?!」の主演女優は出番がココだけに、思いっきり下品な罵声を、主人公=ジャスティン・ティンバーレイクに浴びせてジョン・メイヤーのライヴにすっ飛んでいく。同時に「ブラック・スワン」が信じられないくらいのコメディエンヌぶりを炸裂するミラ・クニスも同時にフラれて、やけっぱちに「男と女の不都合な真実」を怒鳴ったりして。で、フラれたもの同士がニューヨークで出会うんだけど、現代社会でバリバリ働いていて、独り身になったばかりだからヤルだけの関係に・・・。なんだネタ的に「抱きたいカンケイ」 と同じじゃないかとスルーしていたのは大損で、抜群に面白い。それは監督ウィル・グラックの選曲のセンスもあるし、出てくる役者は適材適所。

 

 「小悪魔はなぜモテる?!」でも炸裂する母親でしたけれど、本作でもパトリシア・クラークソンは素晴らしい。もちろんリチャード・ジェンキンスが出てくるのがキモ。ジャスティン演じるディランの親父役で、アルツハイマーを患っているから「マイライフ、マイファミリー」のような展開も含まれる。この手のラブコメも様変わりしたものだ。ただし、21世紀の合衆国を描く場合は、この設定を入れることで説得力を獲得できる。もちろん煩わしいジジイに止まらず、一発で王道に戻してしまうのが、リチャード・ジェンキンスで素晴らしかった。ウディ・ハレルソンもうま味のある役で、ぜひご覧になってご確認を。それにしてもセックスの描写は、笑いも交えてよく出来ている。「ラブ&ドラッグ」などが出てきているんだし当然ですよ。
オススメ★★★★☆

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  インストーラー

 

 「フランス特殊部隊 GIGN(ジェイジェン) 〜エールフランス8969便ハイジャック事件〜」の監督ジュリアン・ルクレルクによるスタイリッシュな近未来SF。おフランス映画も侮れないと最近つくづく思い知らされたのは「ラルゴ・ウィンチ 宿命と逆襲」「ラルゴ・ウィンチ 裏切りと陰謀」のジェローム・サレ(「アントニー・ジマー」)で、コレも合衆国でリメイクすれば当りそう。もっとも近未来SFの味付けは、大通り映画になると「TIME/タイム」が分かりやすくて、チト抑え目な描写に終始してしまう。その辺のヤワな感じに飽きてきたらいけるのがフランス産で、「クリムゾン・リバー2」みたいな銃撃戦が冒頭から繰り広げられる。格闘シーンも半端じゃないし、「バビロン A.D.」 も肉弾戦といってもどこか見世物っぽさがなくてしまりがある。

 

 ビジュアルも「 GIGN(ジェイジェン)」と同じく色味を抑えて「ザ・ウォーカー」よりも格段に好み。この映像感覚が何より得がたくて、合衆国産にはどこか荒廃した砂漠といったものが混じるけれど(「バイオハザードV」)、無機質な閉鎖空間とCGを使った画作りがたまらない。「ルネッサンス」をモロに実写にした感じで文句なし。近未来にワル(欧州で暗躍する連中「イースタン・プロミス」)も国家も血眼になって追うのがテクノロジーで、それは記憶に関係する。なるほどね、年を経るごとに「ブレードランナー」の評価は上がってしまうわけだ。本作で出てくる美女たちも、まるでサイボーグみたいな美貌の人が揃っている。最新ITガジェットの使い方も「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」 みたいにコマーシャルではなく、オシャレ。

 

 「ルネッサンス」の刑事もタフな感じだったけど、美男とは言いがたいアルベール・デュポンテルはカッコ良い。合衆国だとこのタフさが出せるのは、10年後のチャニング・テイタム(「第九軍団のワシ」)か?どーしても合衆国産のスタイリッシュSFに出てくる役者さんは「ガタカ」のジュード・ロウとか、ハデ系であっても「アイランド」ユアン・マクレガーとかになってしまう。
オススメ★★★★☆

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