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機動戦士ガンダムUC episode 5 黒いユニコーン

  機動戦士ガンダムUC episode 5 黒いユニコーン

 

 新しいリリース形式に入っている日本のアニメーション。試験的に何かできるのは非主流=マイナーの特権で、もはや中身に自信のあるアニメはテレビをよけて通る時代。深夜枠のアニメが面白かったのは既に過去の話なのだろう(量が過剰になりつつある)。劇場での宣伝もガンガンやっていれば集客も見込める。神山健治「009 RE:CYBORG」 も効果ありそう(横浜プルク13は凄い)。少なくとも劇場に足を運ぶ人々にアピールするのは王道で、ワシにとっても「黄色い星の子供たち」 などが分かりやすい。パソコン画面に出てくる広告はあまりに自分の趣向を把握しているようで、インターネットの宣伝方式は個人情報保護法に抵触しないのか?という昨今。古臭いけれど映画館で宣伝、口コミで“面白そうだぜ”が広がるに任せるのは良いのではと思う。

 

 レンタル屋としてはこのままだと劇場公開とパッケージ・リリースは、同時になってもおかしくないなと日々実感。ちなみに「リアル・スティール」などは公開していたのが昨年の12月で、レンタル開始が今月。「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」は4ヶ月を空けてだし、ビックラこいたのが「バンバン・クラブー真実の戦場−」「マクロスFサヨナラノツバサ」が1年の間を置いたのが最後かもしれない。もっとも「約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語」みたいに忘れられていて、ひょっこりリリースされる場合もあるし、内容が21世紀にフィットしすぎた「ラルゴ・ウィンチ」などは・・・。

 

  で、肝心の中身ですけれど、映画館に足を運んで良かった。劇場の音響スペックをきちんと活かして他の映画に見劣りしない。「劇場版SPEC〜天〜」を観ていて“テレビ映像の中でしか生きなかったもの”を、劇場で公開することが出来る時代に突入なのか?と思ったけれど、もうとっくに進行していたわけですね。空から黒いガンダムが降りてくるところなど「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」のラストみたいだが、面白いのなんの。ファンサービスの旧キャラクターもチラッと顔出しで、ベルトーチカ・イルマとかカイ・シデンなんて狂喜してしまう。特にブライトから“ジオン嫌い”などと言われているカイなんて。

 

 物語の骨格=原作は年代的に洗礼を受けている福井晴敏ならではといったところでしょうか。「ローレライ」がもろに「宇宙戦艦ヤマト」だったし。前回「重力の井戸の底で」はバナージとロニがアムロとララアに重なる展開だったけれど、今回はまさにZガンダムのカミーユとフォウ・ムラサメの部分。実は後半グダグダになっていくZガンダムだけど、第20話「灼熱の脱出」までは食い入るようにして見ていた。確かアニメ雑誌のインタビューで監督の富野由悠季は「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」に登場のクエス・パラヤはカミーユなのだと言っていたような。物語を背負ってく主人公が不在というより、製作者が“若者を信じられなくなった時代”に突入していたのかもしれない(つまり我々バブル期の浮かれ騒いでいた者たち)。

 

 さて“女の子にこそ希望がある21世紀”の流れに反して、まさに王道の主人公バナージは頼もしい。カミーユは折れてしまったが、芯の通った彼には物語=加工現実を貫いてもらいたい。重力の井戸を脱し、宇宙に帰る主人公バナージたちを迎える宇宙戦艦ネェル・アーガマ。バリュート(「2010年」を参考までにどうぞ)を展開して、大気圏を抜けようとしている機体を回収するところは映画のクライマックスとして申し分ない。「マクロス・フロンティア」の映像クォリティが既に過去の劇場用アニメーションを凌駕するものだっただけに“なんでもっと早くやんなかったのかな?”である。

 

 思えば「戦国魔神ゴーショーグン」なんてものまで観に行っていたけれど、イヴェント以外の何ものでもなかった劇場用アニメーション。ただし映像、音響に関しては恐るべき貪欲さを持っているのがアニメファンで「攻殻機動隊 S.A.C SOLID SATE SOCIETY 3D」 の時だってけっこう入っていた。“午前十時の映画祭”なども映画館の試みのひとつで、ちゃんと入っている。合衆国産の3D超大作でも日曜日にお客入らない状況があるんだし、媒体の露出頻度が高いことは“人気の証”というのも過去の話だろう。前々から「面白いよ」、「凄いよ」と言われていて、もっと早く観ときゃあよかったけれど、残り2作はいそいそと行くことになりそうだし、まず当たるでしょう。この体験は何ものにも代えがたい。

 

現在(5/21/2012)公開中
オススメ★★★★☆
現在公開中ながらリリースもすぐですけれど、ぜひ映画館でご確認を。

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関連作

 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 

 

 アムロVSシャア因縁の対決に決着がつく、エポック的1本。若い人は「ああ、逆シャアですか」と略して言うけれど、“生まれていないでしょ君”などと思いつつも、長持ちしていることに驚かされる。観に行った劇場は跡形もなくなったし、もう24年も前なんだよな。監督の富野由悠季は仕上がりに関して不満足だったようだけど(当時のアニメ雑誌ニュータイプで語っていた)、今(2012年)に至るまで貸し出されているからそれほど悪くない。

 

 「機動戦士ガンダムUC」でもこの作品のアムロの写真が使われている。ネオジオン再興をもくろむ総帥シャアは、地球人を根絶やしにする作戦を遂行。隕石を落として人々を皆殺しにするんだから血も涙もない。善VS悪という簡単な図式じゃないのがガンダムの魅力だったんだけど、主人公のラストバトルだけに分かりやすくなっている。決死の作戦で挑むロンドベル隊にはしびれた。もちろんアムロとシャアの間に横たわっているのは運命の人ララアで、“ケリのつけようのない戦い”でもある。ま、語りだしたら止まらないのはガンダム芸人ばかりでもあるまい。
オススメ★★★★☆

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  戦国魔神ゴーショーグン

 

 今(2012年)見たら、新作部分とエンディング以外は“紙芝居”に等しいかもしれないけれど、キャラクターが際立って魅力的ゆえに観賞可能なワシにとっての思い出の1本。形式は全26話を短縮するのではなく、2話を抽出してイヴェント上映に仕立てたもの。不鮮明な記憶だけれど、6割くらいは入ってたような(なんと同時上映は「浮浪雲」だぜ)。もっとも観に行った新宿の映画館なんて建物ごと消え失せている。CMが挟まれていたり、ファンサービスに徹している心意気はアッパレだった(もはや通用しないギャグ満載)。セリフの掛け合いが絶品で、名残が今のオーディオコメンタリーと思うのは気のせいか?

 

 善玉の3人はまともな役名だけれど(北条真吾、キリー・ギャグレー、レミー島田)悪玉3人組はシャレ以外の何ものでもない名前がついている(ブンドル、カットナル、ケルナグール)。もちろん毎週放映の古き善きアニメーションで、タイムボカンシリーズに近いセンス。一度聞いても覚えられないガンダムのキャラクター名とは好対照。脚本と監督の両名は後に全米ナンバー・ワン・ヒット=ポケットモンスターの首藤剛志と湯山邦彦。瞬間移動の戦艦=グッドサンダーとかメディア戦略とか設定はそれほど馬鹿にしたものではない。シャレでも良いからリメイクしてほしいものだけど、塩沢兼人亡き後では無理だと思うのがファン心理。
オススメ★★★☆☆

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