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人生はビギナーズ

 人生はビギナーズ

         

 いやはや世界には“優れた才能”も、“抜きん出た技量を持つ人”も多々いるだろうけれど、“愛おしくなってしまう”映画を撮ることができる人もいるんだなぁ、と感じ入ってしまう優れた1本がやってきました。これこそ映画館に通っていて良かった、と思える秀作。マイク・ミルズって凄い「サムサッカー」は見たくてたまらなくなった。ラストにゴゲッとなっちゃいましたけれど、「恋愛睡眠のすすめ」に近い可愛らしいスタイル。しかし内容は監督の実体験が元になっているそうなので、距離をおいて冷静に描こうとしている(ココがまた良い)。

 

 75才にしてゲイであることを、カミングアウトした父と息子の物語。教え子によって強制的に告白しなくちゃなんない「イン&アウト」とは違って、残り少ない人生を後悔とともに過ごしたくない決意は、案外勇気を出させるのかもしれません(「瞳の奥の秘密」)。カミングアウトする父親役がクリストファー・プラマーで、またすぐに新作「ドラゴン・タトゥーの女」が公開されるけれど、風変わりな方ばかり見ている「ドラグネット正義一直線」とか「ドラキュリア」とか。しかしながら余裕の芝居で実に楽しい。アルバート・フィニー(「プロヴァンスの贈りもの」)とかクリストファー・リー(「戦場カメラマン 真実の証明」)とかマックス・フォン・シドー(「潜水服は蝶の夢を見る」)とか俳優続けて〜年は伊達じゃない。

 

 息子役がまたまた先月観た「パーフェクト・センス」に続いてのユアン・マクレガー。監督の分身であるから、お芝居は抑え目でナイーヴな感じ。もっとも38歳でこのキャラクターはいささか・・・、と思ったけれど履歴をひも解けば仕方がない。なにせゲイをずーっと隠していたお父さんと、息子を構うしかなかったお母さんの間で育ったんだから。ホントだったら隠しておいたほうが良さそうな部分も、ユアンを通じて見せている監督は可愛らしい作品なれど勇気がある。主人公のナレーションで語られているので、どーしても純文学方面の印象が出てくるけれど、真摯な姿勢は悪くない。映画の構造は「(500)日のサマー」ほどではないものの、時系列を交差させつつお話を進行。分かりやすくするためキー・パーソンを置いている。一方をお父さんのクリストファー・プラマー、そしてもう一方が実に重要なメラニー・ロラン

 

 もちろん真面目で繊細なだけだったら感激なんかしませんよ、ワシの目的はただ一点だけなんだから。目下映画に関しては優先事項最上位のメラニー・ロラン。監督も良くご理解頂いているようで、ショートカットのコスプレで登場だよ!しかも筆談だよ!この監督は信義に足る人物だと確信。素晴らしかったなぁ、CGを駆使した3D映像なんか足元にも及ばない。彼女の表情こそが映画の奇跡だ!とばかりに身を乗り出した。もちろんいい年こいてナイーヴな男と“世間知りすぎ”のおフランス女の組み合わせはありがちなパターンなんだけど、ユアンメラニーだったら抑え目かつ可愛らしくて素晴らしい。

 

 さらに可愛らしさを倍化させる効果絶大だったのが犬のアーサー。「トイレット」の“センセイ”に負けない芝居巧者で、あの「モール★コップ」にも出ていたそうな(パンフレットに書いてありました)。実は死ぬとショックで立ち直ることができないので、生き物からはなるべく遠ざかるようにしている(ガキの頃に死なれたハムスターがトラウマ)。もちろん動物映画なんてはなからパス。でも動物嫌いでも目が釘付けで、メラニー・ロランの今までなかった魅力も引き出すことに成功している。オマケに身内との死別を冷静に描写。昨年祖母を亡くしたので、病院に泊まったりしたけれど、人の最期は本当にあっけない。控えめなれどユアン・マクレガーは看病疲れを顔に刻んでいた。

 

 正直ゲイの映画は積極的に観ないけれど、東京のど真ん中(赤坂)にいましたから、実際どうなのかはある程度知っている。とにかく優しくて、愛情が深く、清潔で、規則正しく、礼儀正しい(「アメリカン・ビューティー」を参考までにどうぞ)。外的な偏見や差別がありますから、必然的にそうなるのかも。お父さんの恋人役ゴラン・ヴィシュニックは見事に演じきっていました(「ウェルカム・トゥ・サラエボ」にも出ていたんだよね)。劇中披露されるイラストも絶大な“挿絵効果”があって、もうホントに文句なし、素晴らしいの一言に尽きます。もちろん今年最初の×5

 

現在(2/6/2012)公開中
オススメ★★★★★

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 イン&アウト

 

 ケヴィン・クラインが演じる生真面目教師が、教え子の一言でエライ目に遭う爆笑のドタバタコメディ。教え子がごく普通の人だったら問題なかったんだけど、なんとハリウッドスター。マット・ディロン がもういかにもブラッド・ピット(公開当時の)を茶化した感じで、やり過ぎに演じていて可笑しくて仕方なかった。しかもよりにもよってアカデミー賞授賞式で「先生ありがとう、彼はゲイです」などとカミングアウト。

 

 全世界に生中継されてしまい、のどかな田舎町はてんやわんやの大騒ぎに。結婚を控えており、フィアンセ役のジョーン・キューザックが可愛らしくも気の毒。「スクール・オブ・ロック」の前に是非この作品で彼女を知ってもらいたいものだ。「トイストーリー」のシリーズを通じてジェシーの声も担当したけれど、21世紀の今では「私の中のあなた」で厳かな判事になっている。それにしても「シルバラード」 の無口なガンマンも出来るのに、ケヴィン・クラインは芸達者。そういや合衆国からの帰りの飛行機で見たな。
オススメ★★★☆☆

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