関連テーマ

 

サイドボックス

ここにテキスト


出し

ツリー・オブ・ライフ

 ツリー・オブ・ライフ

 

 はじめは戦々恐々だった、ダメならPOPに出来ないし、時間のムダになっちゃう。インターネットの書き込みもヤバい雰囲気プンプン。レンタル屋御用達カタログのコラムには“観る力”が要ると書かれていた。しかしながら、わたくしめの場合期待半分くらいが当る確率は高く、期待満々でガッカリの方がはるかに多いのです。数を観てると「こんなはずじゃあ・・・」って映画は1年に3本くらいあります。

 

 さて「シン・レッド・ライン」戦争映画にもかかわらず、戦闘シーンより独白が強調される哲学的な代物で、サッパリだったし、ウトウトしちゃった。しかし次の「ニューワールド」が素晴らしくて、撮影監督のエマニュエル・ルベツキの名前はしっかり記憶し、彼の携わった作品は見直したりしました。ま、「バーン・アフター・リーディング」はムムム?にしても、「トゥモロー・ワールド」は文句なしだし、「スリーピーホロウ」「ジョー・ブラックをよろしく」「アトランティスのこころ」も・・・。で、ハッキリ言って“伝説の巨匠”の新作は、わたくしめの場合、撮影監督の技量が全てでした。

 

 もちろん冒頭からもう恍惚となった、次々に繰り出される映像美に酔いしれる。「21g」も映し出される映像は素晴らしいんだけど、構造上堪能まではいかなかった。自然美なんだけど“無機質”、完全に好みの画で、食い入るようになった。「アワーミュージック」のラストも陶然となりましたが、あれ以来ですね。「四つのいのち」と見比べるとより分かりやすいかもしれませんが、自然物にカメラを向ければチリやらホコリやらが、当たり前のように映ってしまう。ところがぜんぜんそんな生々しさがない。

 

 で、ただ自然を映しているかと思いきや、CGの使い方が半端じゃない。シャレだと思うんだけど、「遠い海から来たCOO みたいなのがいたり、「ジュラシックパーク」の凶暴なヤツがのっそり歩いてたり、身を乗り出した。お客さんを飽きさせない仕掛けを各所に配置していると思う。聖書の引用とか独白なんかハッキリ言って無視。キリスト教徒じゃないし、哲学とは縁遠い。とにかくこのクソ暑い時に、映画観て考えていられるもんか。ぼさーっと観てたらグイグイ入り込んだ。

 

 まあ映画を好きな人ならまず「2001年宇宙の旅」を思い起こされるでしょう。かの名作は定期的に貸し出されるし、貸し出す時に自分と同じような年代の人だと、まず初めてじゃないから「わけ分かんないけど、ついつい見ちゃいますよね」と聞くと相手の方もニンマリ。かつて「映画の快楽という本の中の対談で、淀川長治氏は「2001年宇宙の旅」のスタンリー・キューブリックに触れて「映画、映画、映画で酔っ払おうとしている」とおっしゃっていた。

 

 この作品で案外テレンス・マリックという人も、映画に酔いしれたかったのかもしれない。ま、意図とか意味とか良く分かりません、でもさ観客それぞれが言いたい放題になる作品は昨今珍しい。○か×の映画より、「オレ分かんねぇ」あり、「これは〜の影響が色濃くあって〜を訴えたのだ」という力説ありでよいのではと思う。ハーマン・メルビルと絡ませて、論文を書くことも出来るかもしれない。

 

 予告編で惹かれたのはブラッド・ピットでもショーン・ペンでもなくて、見上げる映像にビビーンときたからで、その予感は的中。人間ドラマはいらなかったかも・・・・。なぜ余計に感じるかというと、主人公一家の家族構成が全く同じで、まるで自分の幼い頃を・・・。ま、人間の部分はストレスとして受け取って、宇宙やらの映像に本当に恍惚となった。現在公開される映画はだいたい“リメイク/シリーズ=イヴェント映画”、“実話を基にした感動作”、“ドキュメンタリー”。子供向けを除けば大人が観に行く作品のジャンル選択はそれほど幅広くない。

 

 そんな中でお客さんを「いったい何だありゃあ?」と煙に巻く作品はあっても良いと思う。ハッキリ言って“入れ替え制”じゃなかったらもう一回見てた(去年まで見放題の劇場だったのに・・・)。映像は明らかに「グランブルー」とか「ディープブルー」を超え、思索的なドキュメンタリー以上の作品って印象が正直なところ。でも好き嫌いから、印象に至るまで“人それぞれ”になりそうな門口の広い1本。カンヌ映画祭が賞をあげてしまうのもうなずける。

 

現在(8/16/2011)公開中
オススメ★★★★☆

 

Amazon.com

DMM.com

 

前のページ   次のページ

 

top

関連作

  アメイジング・グレイス

 

 合衆国での公開が2006年で、わが国は残念ながら今年(2011年)。公開のタイミングが「ザ・ホークス ハワード・ヒューズを売った男」と同じくズレてしまったため、盛り上がりに欠けた観が否めない傑作。「アビエイター」と「ザ・ホークス ハワード・ヒューズを売った男」のように、この作品も「ニューワールド」と同じ年に公開されていたら、史劇的コスプレ好きの人にはアピールしたかもしれない。なんと「ニューワールド」の監督、伝説の人=テレンス・マリックがプロデューサー。

 

 題材は対を成すというか、かの作品が新大陸へイギリス人が次々に移住しつつある時期を描いているのに呼応するように、この作品は英国議会で奴隷貿易を廃止するべく、奮闘した議員が主人公。今では当然のことだし、当時の人々も忸怩たる思いをしていた制度だけど、キッパリ止めることを法律にするのは至難の業。なんとなく今の日本にもその種のことは蔓延していて、議会の姿は国会中継にダブります。

 

 体は弱いが意志は強い正義の議員=ウィリアム・ウィルバーフォースに扮したのが「キングアーサー」でも美貌のランスロットを演じたヨアン・グリフィスで、高くてスッキリした鼻のハンサム。キャストは他も楽しくて、後に「ザ・ライト−エクソシストの真実−」にまたまた2人揃って出てくるキアラン・ハインズ&トビー・ジョーンズ。悪魔祓い映画では2人ともマトモな神父ながら、本作では主人公を妨害する“族議員”。

 

 とは言ってもトビー・ジョーンズが負けた最後につぶやく、“ノブレス・オブリージュ(「東のエデン」のテーマ)”は響きます。更にジジイの役者がアルバート・フィニー(エリン・ブロコビッチ」)とマイケル・ガンボン(「英国王のスピーチ」)でこれまた見せる芝居を披露。驚くべきことにミュージシャンのユッスー・ンドゥールまで多様かつ豪華な顔ぶれ。

 

 偶然にも同じ日に「宮廷画家ゴヤは見た」を見ているので、ふむふむフランスは貴族の首を片っ端からちょん切っていた時期(「クイルズ」)にスペインは宗教弾圧をしていて、英国は奴隷貿易を撤廃しつつあったのかなどと考え深げになったりして。ヨーロッパにまだ生命力があった時期といってもよいのでしょうか?まぁこの手の歴史上の人物を見ちゃうと「今のこの国の政治家は」などと嘆きそうですけれど、案外あの中に混じっているかも。同時代に生きているとまず分からないですからね。歌の上手い主人公が劇中披露するアメイジング・グレイスですが、それほど重要ではありません。むしろ困難にめげず、人として正しいことをする本物の偉人伝。 
オススメ★★★★☆

Amazon.com

DMM.com

top

 

  リアリティ・バイツ

 

 “〜世代”という言葉がいかに廃れやすいかを証明する、定番の青春ホロ苦ムービー。言葉は廃れてもいいけれど、上映していた恵比寿ガーデンシネマまで休館となるとしくしく・・・。この作品の当時は若者を“Xジェネレーション”と呼んで消費のターゲットにしていたわけ。わしはチョイ前の「シングルス」辺りなので、けっこう斜に構えて見ていた。バイトしている売店のチョコバーをイーサン・ホーク扮する主人公が食べちゃうところは“やれやれ”と思った。

 

 もちろんこの後にも「(500)日のサマー」とか青春ものは連綿と撮られ続けていくわけですけれど、主要メンバーはいまや脱皮したイーサン・ホークと、しつつあるウィノナ・ライダー。恐るべきはこのおしゃれな題材に監督としてベン・スティラーが挑んでいること。初監督作だけに気合が入っていて、「ジョー・ブラックをよろしく」とか「スリーピーホロウ」撮る前のエマニュエル・ルベツキを起用。監督自身も悪役として登場で、コメディに出るときの間抜け顔とは正反対でしまりがある。更にサントラも聴き応えあり、というより、ザ・ナックの“マイ・シャローナ”を復活させた作品と呼べるかも。
オススメ★★★☆☆

Amazon.com

DMM.com 

 

ホームページ テンプレート フリー

Design by

inserted by FC2 system