関連テーマ

 

サイドボックス

ここにテキスト


出し

三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船

  三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船

 

 史劇的コスプレ・チャンバラの題材として最も適している「三銃士」。ディズニー版の清潔な「三銃士」も、その後日譚「仮面の男」も店にはあって、見ればだいたい中身は掴める。「ガリバー旅行記」と同じく“誰でも知ってる”が前提になると、ニュー・ヴァージョンを幾つも産んでいける(「ロビン・フッド」)。リメイク と史劇的コスプレの合体技ながら、名作のエッセンスは永遠不変で、大枠さえ外さなければアレンジはやりたい放題。

 

 さて中身が料理し放題なんだけど、お話の改変だけじゃあ21世紀のお客さんを満足させられないので最新技術を導入。3Dを活かすために物語も大胆に方向修正。ま、3Dに関しては監督のポール・W・S・アンダーソンは大丈夫だと思ってた。「バイオハザードW アフターライフ」があったからね。優れた3Dの使い方ではなく、現在暗中模索の最新技術は、“ゲテモノ映画”に向いている可能性が濃厚。彼ならやってくれると思っていたら案の定だった。オマケに無理やり飛行船が登場するんだけど、「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉」と差別化するためにも重要。チャンバラと船のドンパチだったら海賊映画に持っていかれちゃう。「天空の城ラピュタ」みたいな空中戦は見応えがあった。

 

 見応えがあったのはVFXばっかりじゃなくて、役者さんもかなり厳選されている。宣伝だとあのオーランド・ブルームが悪役に初挑戦!がクローズ・アップされるけれど、確かにニヤニヤしながら楽しげだった。既に「ニューヨーク、アイラブユー」とか「シンパシー・フォー・デリシャス」で方向転換しつつあったから、更なるステップを踏める。もちろん監督の奥さん=ミラ・ジョヴォヴィッチもサービス満点、建物の上から飛び降りるシーンで、意味不明なくらいの露出で鼻の下伸びっぱなしになった。「チャーリー」の頃から色気あったからね、グレード・アップし続けている。でもちゃんとお芝居も出来て、アトス役のマシュー・マクファディン(「プライドと偏見」) と“大人の悲恋”を見せた。ただ他の三銃士の面々も「イングロリアス・バスターズ」以来“悪役ならこの人”が定着しそうなクリストフ・ヴァルツ(「グリーン・ホーネット」 )も“それなり”の芝居に終始しているように見えた。それは若手に華を持たせる効果に繋がる。

 

 本作はあんまり認知度が高くないですけれど、「ヤング・ブラッド」に似ていて、ダルタニアンとロシュフォールの対決がクライマックス。あくまで大人の役者さんたちは脇に徹し、悪役にしろ凄腕剣士にしろどこか余裕で楽しげだった。3Dのチャンバラですからティーン・エイジャーにアピールするのは健全。ダルタニアンにしろルイ13世にしろ幼く可愛らしく、アクションには息子を心配する親の気持ちでハラハラ、恋模様は見守ってしまった。でもダルタニアン役のローガン・ラーマン君、この超大作を背負っていくんだから立派です。既に「3時10分、決断のとき」で息子役演じているから、学園ものをこなしつつ「アドベンチャーランドへようこそ」ジェシー・アイゼンバーグみたいなパターンでいったら、成功するかもしれない。幼い顔がいつの間にか大人になるのも、たいして年月は要しませんからねぇ、“被り物”さえやんなきゃ大丈夫。

 

 製作の戦略も練られていて、王宮の雰囲気もバッチリ出ていたし、ティーンエイジャーのデート・ムービーとしては合格点。3部作にしても良いし、このまま終わっても良さそうだけど、どうなるんだろう?含み持たせていたし、監督の手腕なら後もう1作見ても良い感じです。昨今の映画はネタも不足しがちだし問題ないでしょう、ただ若者の成長は“矢の如し”ですから、さっさとやらないと「仮面の男」までいってしまう。

 

現在(10/28/2011)公開中
オススメ★★★☆☆  

Amazon.com

DMM.com

前のページ  次のページ

 

top

 

関連作

   仮面の男

 

 「三銃士」の後日譚ながら、キャストは直近のアレ よりかなり豪華。確か宣伝文句は“名優を従えてレオが〜”といった感じで「タイタニック」が大当たりした後だけに「てやんでぇ」と思っていた。ところがホントに脇役の凄さに抗えず、見ちゃったらけっこう面白い。だってジェレミー・アイアンズとジョン・マルコヴィッチ とジェラール・ドパリュデューとガブリエル・バーンなんだもん。「ニキータ」のアンヌ・パリローまでこの当時は美味しかったのだ。三銃士に扮した面々(ジェレミー・アイアンズ、ジョン・マルコヴィッチ、ジェラール・ドパリュデュー)は既におっさんながら、凄腕剣士に説得力があり見ごたえ十分。ダルタニアンのガブリエル・バーンもキーマンで「ミラーズ・クロッシング」以来の正統派ハンサム役。

 

 この濃い面々の中で一人二役に挑戦し、圧倒されなかったレオもなかなか。合衆国に行った時、まだ『タイタニック』は上映されていて、これがバスの停留所の看板になっていたのは良く覚えている。もっとも観たのは「L.A.コンフィデンシャル」だったけど。そして10年ぶりにまた見たら発見がゴロゴロ。ピーター・サースガードがなんとジョン・マルコヴィッチの息子役で出ている。「17歳の肖像」 で声が似ていると思っていたけれど、なるほど既に親子役で共演していたのだ。レオも笑っちゃうくらいバリバリの傲慢な悪役と悲劇の王子役を活き活きと演じている。そしてななな、なんと「ウィズアウト・ユー」のジュディット・ゴドレーシュまで出ているではありませんか。ティーン・エイジャー向け「三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」を観賞後に大人の方にはぜひオススメしたい。 

オススメ★★★☆☆

Amazon.com

DMM.com

ホームページ テンプレート フリー

Design by

inserted by FC2 system