関連テーマ

 

サイドボックス

ここにテキスト


出し

ソウル・キッチン

  ソウル・キッチン

 

 ドイツの食堂が舞台で、人情劇となれば「マーサの幸せレシピ」が大好きなものとして選択肢は一つしかない。浮き浮きワクワクニヤニヤで劇場へ。もう始まり方からしてスピーディで、キタキタッてくらいのポンポン進むテンポはたまりません。冒頭冷凍食品を調理しているから、食べ物に重点を置かない「ディナー・ラッシュ」みたいかな?などと思っていたんだけど、実は後半で・・・。つまんなくなっちゃうから、伏せます。ぜひご覧になってご確認を。

 

 食堂のお話は「マーサの幸せレシピ」だけじゃなくて、「かもめ食堂」も秀作。“潜水艦映画”に外れがないように、“フード・ムービー”もイケるかもしれません。ただそれはこの作品の一側面で、大爆笑のコメディであり、音楽映画の要素が盛り込まれている贅沢品。コメディ要素はもう主人公がいきなりギックリ腰になっちゃって、コトあるごとに笑いをとる。彼の風貌は飲食店にあるまじき長髪なんだけど、スティーブ・ペリー(ジャーニーのボーカル)に少し似ているアダム・ボウスドウコスは、街の店主にはありがちな雰囲気。

 

 で、兄貴が仮出所で彼にたかったり、恋人が上海に行っちゃったり、エロ本一緒に見てた昔の友達は彼の店を狙っていたり、トコトン不運が襲いかかってくる。店にしても無一文のジジイが住んでいたりと下町だなぁ、良いなぁとグイグイ観てしまう。飲食店のアルバイトにいがちな、眠いんだかクールなんだか判然としないアンナ・ベデルケも、疲れたシャルロット・ゲンズブールみたいな容姿は完全にストライク・ゾーン。彼女がオーナー兄弟を連れて行くクラブでかかる曲もなかなかで、劇場でないと体感できません。タイトルがソウル・キッチンというくらいだから音楽はこの作品で重要なパート。

 

 また、この監督は横移動の撮影が好きらしくて、電車を平行してとらえるだけじゃなく、地下鉄のホームを自転車を引いていくショットも印象的(ジム・ジャームッシュが好きなのかな?)。しかしキレイでしょ?ミニシアター系でしょ?という光景はビルの上から眺めるトコくらいで抑え目。なんといってもコメディなんだから、税務署の美人をナニしちゃうのも、お葬式のあり得ない部分も、競売でウド・キアが・・・。キリがないくらい笑いのネタてんこ盛りで、わたくしめにとっては遅れてきた“初笑い”。

 

 とは言ってもお店の映画で収束させるために、シェフがちゃんとそのパートを担っている。包丁さばきも鮮やかに、偏屈な彼がいなくちゃね。彼のおかげで店が賑やかになっていく部分(「ブルー・イン・ザ・フェイス」のラストみたい)でも説明を完全に省くことができる。美味いから人は集まるのです。笑い転げて「うん、そうだこれで終わらせなくちゃ」と納得して閉めてくれるお店の映画、サイコーでした。

 

 まったく恥ずかしながら、監督のファティ・アキンはノー・チェック。「ニューヨーク、アイラブユー」に参加しているんだから実力者。「愛より強く」「そして、わたしたちは愛に帰る」も観たくなった。「オーケストラ!」で懲りたから、見逃さないぞと思っていたところに大満足の1本。2011年が始まりました、やはりこの手のものがなくちゃ。なおずいぶん前に観た「猫が行方不明」に雰囲気が似ています。しかし・・・ごめんなさいDVDレンタルありません。

 

現在(1/24/2011)公開中
オススメ★★★★★

Amazon.com

DMM.com

 

前のページ    次のページ

 

top

関連作

  愛より強く

 

 「ソウル・キッチン」に唸ってしまった後に観たんだけれど、素晴らしい(逆から観たらもっと良かった)。中年がチョットだけ希望を持てるお話は「レスラー」を超えているかも。家族と離れて暮らしたいがため、“キ印”を装う女の子が目をつけたのが、病院で見つけた冴えない中年。結婚すれば家を出られるなんて、いかにも民族的な要素かもしれないけれど、今やそれ(家族の絆)を取り戻そうとしているのが先進国。さて、中年がなんで病院にいたかというと、自殺未遂。いつまで経ってもパンク好きのオッサンは死なれた女房のことを想い続けている未成長。ところがこれがまさか純愛映画の仕掛けにつながっていくとは・・・。

 

 インディ系の小品ながら、イスタンブールとドイツでロケーション。街の描写は文句なしで、映画賞を取りまくるのはうなずける実力の持ち主ファティ・アキン(「ニューヨーク、アイラブユー」に参加するわけだ)。「ソウル・キッチン」の偏屈なコックを演じたビロル・ユーネルはなかなか魅せる人で、良く言って“セクシー・中年”。田村正和がこの役を演じたら、日本女性を虜にすること請け合い。で、肝心のヒロイン(シベル・ケキリ)は映画が進んでいくごとに強く、美しくなっていく。ラストは好き嫌いが分かれるかもしれないけれど、ワシの場合は文句なし。まるで家族や民族や国家がこの純愛のためにあるようだ。
オススメ★★★★☆

Amazon.com

DMM.com

 

 

ホームページ テンプレート フリー

Design by

inserted by FC2 system