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デビルクエスト

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 映画館は大丈夫なんだろうか?とマジで気になる昨今、とうとうシネコン以外だったら、“パンフレットなし”が当たり前になってきそう。「ラスト・ターゲット」がプレス・シートのみでしたからちょっと残念。でもこの手の作品が劇場で観られなくなるのは・・・、いったい何回書いたんだっけ?

 

  さて無難な「ホワイトアウト」に続いてドミニク・セナのこの作品、やりました。あと2,3作で本領発揮となるかもしれません。最初はジェリー・ブラッカイマーの元で「60セカンズ」、次いでジョエル・シルヴァー傘下の「ソードフィッシュ」、「ホワイトアウト」。しかし今回は売れっ子プロデューサーから巣立ち?、流行ではないけれど娯楽作として“中の上”を超え、A級として通用するまっとうな娯楽作を作り上げた。

 

 まっとうな娯楽作というのは勝手に名づけていますけれど“イヴェント映画未満”ということで、レンタル屋カタログで特S級の次にランクされる商品の位置づけみたいなものです。2、3作で本領発揮とはそういう意味で、ジョン・マクティアナン(「閉ざされた森」)とかジョー・ジョンストン(「ウルフマン」)みたいな監督がいなくなったら、棚のバリエーションが恐ろしく貧相になってしまう。ドミニク・セナにはぜひがんばってもらいたい。

 

 しかし「完全なる報復」もちゃんと貸し出されているから、この手の作品が好きな映画ファンがいなくなったわけじゃない。ただ環境の変化は著しくて、確かにデカイ液晶画面で音響も凄かったら・・・。この映画館の下がなにせ家電量販店だから、見せ付けられてしまいました。もっともどんなにデカクとも劇場のスクリーンには適わない、ましてこの作品はちゃんと活かしきっている。

 

 冒頭は“魔女狩り”から始まって、十字軍の遠征があって、ペストが蔓延して、捕まえた魔女を裁判にかけるべく主人公たちは冒険の旅に出る。支離滅裂なようですけれど、ちゃんと1本筋の通ったお話になっております(ワシにとっては好きな映画のねた満載)。現在の時代記号としても観客の感情移入を誘うには、魔女狩りと十字軍遠征は有効で、“特定の誰かを悪者にして糾弾する”テレビ・ニュースとイラク戦争に被る。

 

 十字軍の遠征に嫌気がさして主人公がおさらばしちゃうのは「ロビン・フッド」とご同様。もちろん異教徒弾圧戦争ですから女子供も残らず殺してしまうので、「ラストサムライ」とか「オーシャン・オブ・ファイヤー」のような“戦士が背負ってしまった心の傷”の肉付けが可能。ただ戦闘シーンは無駄を省いて、リドリー・スコットのように壮大過ぎず、2人のつわものがクローズ・アップされるようになっている。

 

 ニコラス・ケイジとロン・パールマン(「ヘルボーイ」)のコンビは美麗とは言いがたいが、がっちりしていてコスプレ・チャンバラを演じさせるには適任(「キングアーサー」より「エクスカリバー」に近い殺陣が可能)。この2人は見ていて楽しい。で、戦場から逃げてみるとペストが蔓延した故国があって、時代が時代だけに魔女の仕業となる。つい最近見た「戦場カメラマン 真実の証明」で素晴らしかったクリストファー・リーが出てくるんですけれど、キッチリ印象を残すのはさすが。魔女とされる女の子を“裁く書”がある場所に連れて行くことになるつわものコンビ。

 

 キリスト教だけに本が肝心(「ザ・ウォーカー」)で、ココからコスプレ・チャンバラの要素にオカルトの味付けが加わってくる。ましてや目的地に向かうには危険な森を通らなくてはならないので、基本的にアドベンチャー。旅に加わる面々の中で「マーサの幸せレシピ」に出ていたウルリク・トムセン、実は今から楽しみな「未来を生きる君たちへ」にも出ている。そして魔女にされた女の子がこの作品最大の収穫で、ただオドオドしているだけかと思ったら、その変幻自在さには舌を巻く。クレア・フォイという新人、「(500)日のサマー」のズーイー・デシャネルに近い印象があるけれど、「アヴァロン」のラストに出てきた女の子みたいな、ゾッとする表情のできる実力の持ち主。

 

 ラストなどは「魔法使いの弟子」同様にニコラス・ケイジが師匠っぽさを発揮、もっとキャリアを築いていけそう。彼と同じ時期に出てきた役者さんで、今残っている人はそんなにいないはず。 キャストだけでも新旧取り混ぜて実力派ぞろいだし、オカルトと史劇的コスプレとアドベンチャーの合体ワザ。更にCGをむしろ控えめにして勝負した、好みの要素満載で大満足でした。ただ原題の“SEASON OF THE WITCH”はこの作品に合ってるんだけど、訳すの難しかっただろうなぁ。この邦題じゃなきゃあ、そもそも観に行かなかったけれど。

 

現在(8/1/2011)公開中
オススメ★★★★☆

 

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 ホワイトアウト

 

 ジェリー・ブラッカイマー傘下で「60セカンズ」、プロデューサーがジョエル・シルヴァーに変わって「ソードフィッシュ」に続くドミニク・セナの長編4本目。けっこう無難な仕上がりで、B級ラインに近い。あんまりお話と関係ない主演女優ケイト・ベッキンセイルのシャワー・シーンがあるからかも(なかったら困る、「エイリアン」だって・・・)。「南極料理人」とは違い、舞台装置としてその特性をオーソドックスに使っています。なにせ地球上でこれ以上もないくらい過酷な極限状態の地、南極が舞台ですから。寒さのおかげでエライことになっちゃうし、過酷さはヒシヒシと伝わってくる。オマケにタイトルにもなっている現象は、目の前を“お先真っ暗”ならぬ“お先真っ白”にしてくれる(織田裕二主演作でも出てきました)。

 

 そんな中でケイト・ベッキンセイル演じる保安官は、墜落した飛行機にまつわる謎を追っていきます。ちょっと気を抜くとカチカチになる場所は緊張感を盛り上げるし、もちろん犯人は意外なところにいて・・・、はご覧になってご確認を。先に「南極料理人」を見てしまったので、つくづく日本の観測隊が平和だけど小さい基地でがんばってるなと妙に感心。合衆国は南極に行ってもナンバー・ワンを貫いてる、基地の規模は半端じゃないです。本筋と関係ないけれど。
オススメ★★★☆☆

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