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猿の惑星:創世記(ジェネシス)

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 なぜか映画は“ヒト”という種類の猿が主役を務めることが圧倒的に多い。地球上にはいやというほど多種多様な生き物がいるのに、霊長類の一種に限って大量生産。ネタが不足しているんだから、視点を変えて他の生物を主役に持ってくれば、行き止まりの状況を打開できるハズ。というのは冗談ですけれど、この作品はお手軽動物ドキュメンタリーより、猿の生態が生々しく描写されているように見えて凄い。

 

 もちろん動物をそのまんま写せば「四つのいのち」みたいに抱く感想は人それぞれになります。まさか合衆国の超大作でそんなことは許されないから、ちゃんと誰が見たって分かる仕掛けも施されている。更に誰が見たって分かるのはオリジナル「猿の惑星」もご同様で、リメイクはあのティム・バートンがとっくに手を着けている、という高いハードルがこの作品にはある。よってお話=脚本は練りに練られていなければならなくて、ちゃんとしてました(当たり前か)。観た時はピンとこなかったけれど、ティム・バートン版は案外評判が良いんですよね。10年ぶりで復活させるんだし、「PLANET OF THE APES 猿の惑星」 をどこで超えてお客さんをアッと言わせるか。それが進化をし続けるCG技術。

 

 ティム・バートン版はまさに“被り物”に力入っていましたけれど、この作品の見せ所は最新CG。3D映画としての側面が強調されますが、「アバター」は画面の多くをCGが占めていた。今回最新技術が活かされたのが主役のお猿さん=シーザー。実際の猿は思った通りにお芝居してくれないし、そもそも芝居させることが虐待と言われちゃうから、当然の帰結かも。もちろんCGだけじゃあ飽きてくるので、ヒトの役者さんが背景に徹し、映画として成立させなければならない(「奇跡」「めがね」)。常々思うんですけれど、特撮映画の演技は賞に値しないのか?「ジュラシック・パーク」だってサー・リチャード・アッテンボローが、がんばって恐竜が存在しているようにしていたのに。また「エドウッド」をご覧になれば分かりますけれど、タコの足持ったりしての熱演だってある。

 

 脇役であり背景のヒトは手抜きどころか、これも練られたキャスティング。“被り物「スパイダーマン」”に被らず出演してキャリアを築いているジェームズ・フランコ。この人は恋愛方面で美男子の役だと、同年代(「トリスタンとイゾルデ」)でも、年上の女(「食べて、祈って、恋をして」)でもピッタリはまるのに、アホなコメディやらチラリ出演がなぜか好き。ちょっとしか出ない「グリーン・ホーネット」は実に嬉しそうだった。また「ミラル」の自然な美貌が期待通りだったフリーダ・ピント。実は食傷気味のプリークェルを避けなかったのは“彼女が出ているから”がワシにとっては実に大きい。そしてジョン・リスゴーは年相応なお芝居なのでしょう。「スリーデイズ」のブライアン・デネヒーもじいさんになっていて、時の流れを感じましたが、「2010年」は1984年の作品だもんなぁ。

 

 いかにも合衆国らしく「リミットレス」に続き薬の副作用が事態の引き金になる。資本主義が行き詰っているのは吸血鬼映画「デイブレイカー」でも描かれている。エイリアンには強くとも、新興種族=他の霊長類と××××の前では手も足も出ないヒト。このまま環境破壊を続けると・・・、というテーマには傾斜せず、あくまで人類の驕り(正確には合衆国の支配層)にケリを入れたように見えるのは痛快。観る前に気になってたロケットどうするんだろう?もちゃんと処理されていました。ぜひご覧になってご確認を、意外に見過ごすかもしれません。オリジナル知ってるからあの後どうなるかは分かるんだけど、感動してしまう“そつ”のない超大作。でも運動会の“振り替え休日”なんでしょうか?劇場でちびっ子たちをけっこう見かけたけれど、彼らにとっては動物感動映画に見えるのかな?

 

現在(10/12/2011)公開中
オススメ★★★★☆ 

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関連作

 PLANET OF THE APES/猿の惑星

 

 ティム・バートンはやはり実力者だと10年ぶりに唸ってしまったリメイク。公開当時は確か“リ・イマジネーション”と言っていたような。凝りに凝ってる特殊メイク(「SOMEWHERE」で大変なのが映っている。)が最大のウリで、リック・ベイカー(「ウルフマン」)の技は冴えまくっている。被っていても演じている人が分かるのには驚き。ポール・ジアマッティ(「サイドウェイ」)とかケーリー=ヒロユキ・タガワ(「燃えよピンポン」)とか。もちろんヒロイン猿のヘレナ・ボナム・カーターはキュート。一番分からないのがティム・ロス(「海の上のピアニスト」とは真逆)で、完全に声を変えていた。

 

 猿顔のマーク・ウォールバーグが何で出ていたのかも、再見して分かった。だって彼と他の猿が一緒に映っても違和感無いものね。本気モードは役者だけでなく、撮影監督にも反映されていて「スリーピー・ホロー」のエマニュエル・ルベツキに続き本作はフィリップ・ルースロ。ロバート・レッドフォード御用達(「大いなる陰謀など)にして、ワシが最も好きな作品を担当した人。実は公開当時はそれほど好きじゃなかったけれど、新作の「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」にいまひとつ物足りなかったものがコレにはある。作家性とでも呼べばよいのか、それとも被り物の生々しさが良かったのか。「シザーハンズ」とか「チャーリーとチョコレート工場」などではなく、こちらと「スリーピー・ホロー」だけを見た場合、しっかりした実力の持ち主であることは明々白々です。
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