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アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!

アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!   アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!

 

 「ツリー・オブ・ライフ」でも触れましたが、現在シネコンで公開される作品の傾向は“リメイク/シリーズ=イヴェント映画”、“実話を基にした感動作”、“ドキュメンタリー”。もちろん悪かぁないし、収益を考えたらやむなしの側面もある。よってことごとくコメディはレンタル屋ストレートになってしまいます。しかしながら、劇場で大笑いを禁止している法律はないから、上映しても良いのでは・・・。最近は「ハングオーバー!!史上最悪の二日酔い、国境を越える」 くらいだもんね。

 

 さてアダム・サンドラーに続いて出てきた、人気コメディアン、ウィル・フェレル。レンタル屋のヘヴィ・ユーザーの方には御馴染みの売れっ子は、スティーヴン・セガール(沈黙シリーズ)と同様に出ている作品に“俺たち〜”が付いていて、それぞれ「俺たちニュースキャスター!」 、「俺たちフィギュアスケーター」、「俺たちダンクシューター」、「俺たちステップ・ブラザース−義兄弟−」 。ただし劇場公開されたのはこのうちの半分。ワシも最初に拝んだウィル・フェレル主演作はアイディア勝負のSF「主人公は僕だった」。あの作品ではコメディ寄りの演技派にしか見えなかったし、ダスティン・ホフマンとかエマ・トンプソンと遜色ない芝居を披露していた。ところが実は彼が出ていた作品はそれ以前にも見ていて、「ジェイ&サイレント・ボブ 帝国への逆襲」にチラッと出てたんだよな。「ウェディング・クラッシャーズ」にも似たような出かたをする人で、芸風がイマイチ掴めない。なんとキャリアのスタートは「オースティン・パワーズ」 からになっていた。

 

 そんな合衆国の売れっ子コメディアンとバディものに挑むのがマーク・ウォールバーグ。ミュージシャン出身という点ではウィル・スミスと似ているんですけれど、昨今の作品を見てもその幅は広がるばかり。「ラブリーボーン」で父親を演じたかと思えば、「デート&ナイト」 のトボけた感じも楽しい。彼は既に「NYPD15分署」でも新米刑事を演じてましたが、セルフパロディとも見える直情型刑事を演じていて楽しげ。ダンス披露のところは上手過ぎないのがミソ。

 

 売れっ子2人が演じるのはタイトル通り、アザー・ガイズ=その他大勢で、今までのバディものを逆から描いているところが実に新鮮。「ビバリーヒルズ・コップ」でアクセル・フォーリーを尾行する2番目のコンビの位置。冒頭は通常のバディ刑事もののクライマックスから始まって、ホントに笑った。この掴みの部分で出てくる2人のスター刑事がドウェイン・ジョンソンとサミュエル・L・ジャクソン。元ザ・ロックは「ゲットスマート」と同じ役に更に磨きをかけて笑いをとり、ずいぶん前に刑事ものパロディ「ローデッド・ウェポン1」 に出演済みのサミュエル共々、ムリムリムリのカーチェイスの果てにビルを大破壊。

 

 人々の大絶賛を浴びる、今までの映画が主役として扱ってきた2名とは真逆の事務処理仕事に精を出すのがウィル・フェレル扮するアレンで、そんな彼にイライラする相棒テリー。アレンはモロに「主人公は僕だった」 の役人と同じ芸風で、これか後の爆笑を誘う“貯め”であることがアリアリ。更に相棒がイライラしているのにはワケがあって、なんとヤンキースの××××を誤って撃ってしまった過去がある。ここに至る人物描写だけでかなり笑った。

 

 更にオマケとしては豪華なマイケル・キートンが久しぶりにお目見え。ことごとくTLCのネタを持ってきて、最後に“waterfalls”がかかるところでニンマリ。小役人アレンはプリウスに乗っていて、「ガンホー」の国民だけに「抱きたいカンケイ」ともども延々と馬鹿にされる。また超マジメな彼にはポン引きの過去があって、初代バットマン=マイケル・キートンの「ラブ・イン・ニューヨーク」を思い出したりした。エヴァ・メンデスもコツコツと出演作を重ねる女優根性の人で、マーク との部分がいいんだよねぇ

 

 刑事もののパロディで「おおっ」となったのは「リーサルウェポン」とソックリのシーン。目の前で家が爆発したらそりゅあ・・・、ここぞとばかりにウィル・フェレルが叫んでるセリフに抱腹絶倒。しかしこの作品はパロディに終始するだけでなく、「ヤバい経済学」を経ている21世紀の人々に笑われない犯人を用意していて凄い。ぜひご覧になってご確認ください。今世紀の警察はドラッグ・ディーラー(「クロッシング」「マイアミバイス」)を追うだけではなくなってきたのです。通常の刑事ものが壁に阻まれあきらめちゃう、本物の悪党 に立ち向かっていく。そのためにはコツコツした事務処理仕事が重要だし、このタイトルはうなずける。

 

 21世紀になってより巧妙なった犯罪に、凸凹コンビが挑む痛快ポリスアクションコメディ。「コップアウト刑事(デカ)した奴ら」は珍品だけに、それほど大勢にオススメするのはためらわれますが、かなり広範囲の人々が笑ってスッキリする内容です。ラテン系美女エヴァ・メンデスが出ているからデート・ムービーとしてもいけるかもしれない。監督のアダム・マッケイは「俺たちニュースキャスター」の時も下品なネタの中に、けっこう現実的な辛らつさをまぶしていましたが、次回作も楽しみ。選曲のセンスが完全にワシ好みで、TLCだけじゃなくラストにレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンだったし。「ヤバい経済学」を思わせるエンドクレジットは必見で、最後まで見るとオマケも楽しめます。ぜひ劇場でどうぞ。

 

現在(8/22/2011)公開中 
オススメ★★★★★

 

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 俺たちニュースキャスター

 

 21世紀の現在、ワイド・ショー化してしまったTVのニュースは冗談以外の何ものでもなくなってしまいました(「男と女の不都合な真実」)。もっともそうなる前はワリと人々が、キャスターの一言一言を信じていて、そんな70年代のテレビ界を茶化したコメディがコレ。テレビ界というより、マッチョが未だ通用する時代を徹底的に笑っている。その先頭に立つアンカー・マンがウィル・フェレルでボケまくり。このキャラクターのマジバージョンは「恋とニュースのつくり方」のハリソン・フォードが演じたキャスターか?女性の進出が未だ困難な時代で、障壁であるアホのマッチョ男たちを対照的に描き出している。

 

 もっともそれは背景で、ウィル・フェレルだけでなくスティーヴ・カレル(「デート&ナイト」)もやりたい放題。さらに初監督作品ながらアダム・マッケイはラッキーで、もの凄い豪華出演陣。ティム・ロビンス(「それぞれの空に」)、ベン・スティラー(「スタスキー&ハッチ」)、ジャック・ブラック(「ガリバー旅行記」)、ヴィンス・ヴォーン(「ウェディング・クラッシャーズ」)にダニー・トレホ(「マチェーテ」)まで。チラッと出てくるだけなのに皆さん力演。「ウソから始まる恋と仕事の成功術」 にしてもコメディには、思ってもみないチラリ出演があるから気を抜けない。オマケなんだけど笑っていてあれ誰だっけ?となります。ラストにほら貝吹いて仲間を呼ぶんだけど、タケちゃんマンのパロディだったのか?
オススメ★★★☆☆

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