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モンスターズ / 地球外生命体

モンスターズ / 地球外生命体

 

 「ザ・ホークス ハワード・ヒューズを売った男」「メタルヘッド」を観に行った劇場の予告編が決め手になった新型SFエイリアンもの。チラシに書いてあるくらいしか事前情報ないけれどぜんぜんOK、「SUPER 8/スーパーエイト」しかりです。しつこくパンフレットを買う性質なので、「ラスト・ターゲット」もプレスシートのみになっていたのが気にはなるけど、あくまで副次的なもの(「マチェーテ」だって)。ま、合衆国で「L.A.コンフィデンシャル」を観た時も、その手のグッズ売り場は見当たらなかった。

 

 さてグッズがあろうがなかろうが、劇場公開されるのがこの作品には重要。「CUBE/キューブ」同様アイディア勝負が上手くいったB級ながら、“お披露目の場”がなければ浸透しない。もしレンタル屋ストレートになったら、かなり残念な運命を辿ることになります。未公開というだけで、レンタル屋の仕入れ担当にアピールする材料が1つ減る。かつての稼ぎ頭「ミナミの帝王」だって劇場公開版と謳って入荷本数増やしたんだから。

 

 レンタル屋ストレートの作品が増える傾向はコメディ(「マイファミリー・ウェディング」)に止まらず、社会派(「エンドゲーム」)にまで及んでいる。大手シネコンが超大作で占められて、ミニシアターの閉館、休館が相次ぐ今こそヒットして欲しい1本。もっとも“入り”を見ていると、そんな心配は無用みたいなのでニヤニヤしちゃった。普段ならシネコンのあちこちで散見する映画通っぽい人、かなり見かけました。なんか映画検定を受けに行った時の雰囲気に似ています。

 

 さて低予算だから知恵を絞るのは当然ながら、この監督さん片っ端からお仕事を兼任している。脚本も撮影もVFXも。撮影も兼ねる監督といえばピーター・ハイアムズとかスティーヴン・ソダーバーグがいるわけですけれど、VFXまでやってしまう。予算が抑えられるわけですね、まるで新海誠みたい。でもロバート・ロドリゲスの「エル・マリアッチ」のように、この設定を使ってパート2、パート3を予算倍増で作っても良いと思う。ギャレス・エドワーズという人、ただVFXが優れているだけの監督ではない。演出もちゃんとしていて無名の2人で飽きずに見せてくれました。

 

 同じく無名どころの役者さんで楽しませてくれた「スカイライン 征服」が、移動範囲を恐ろしく狭めたのに対して、メキシコから合衆国まで主人公の2人は危険な旅をしていきます。これもチラシに書いてあったんですけれど、出てくるメキシコの人々は全て素人さんなんだそう。「キャラバン」もほとんど素人さん出演で雰囲気出してましたけれど、低予算の効用でしょうか?ワザとらしさと“前にどっかで見たぜ感”が少ない。

 

 監督お得意のVFXはホントかよというくらい良く出来ていて、言われなきゃあ作り物だと分からないトコも多々あった。仕掛けも「クローバー・フィールド」とか「宇宙戦争」のように“遠くで何かが起こってるなぁ”というのを上手く利用。ただ空爆を強調しているので、戦場カメラマンものを想起させる。また現地の人々と交流するものだから、ドキュメント「ビン・ラディンを探せ! スパー・ロックがテロ最前線に突撃!」みたいだったり、B級のラインをちゃんと超えている内容。「スカイライン 征服」が既存のヴィジュアル・イメージのオンパレードで楽しませてくれたのに対して、本作は真逆のスタイル。

 

 完全に既存のものを排することはできないけれど、なるべく独自路線を行こうとする心意気はまさにインディ系。もちろんそれを可能にしたのがテクノロジーで、「ハンコック」でずいぶんとVFXも自由度が増したなぁ、と思っていたら「第9地区」でも威力発揮。どんどん個人的なSFものが作られるようになったら、多種多様になって良いかも。特撮だけを売りにしたってもはや笑われる時代、ドキュメント・タッチでエイリアン怪獣を描き、パニック映画の要素を取り入れ、合衆国の閉塞性とその行く末まで感じさせる優れものです。

 

 A級に一歩及ばないのは音響だけど、それは次回の楽しみ。コーエン兄弟の「ブラッド・シンプル」のように、“オレ劇場で観たんだぜ”という卑しい優越感を後々満たしてくれる作品になってくれるでしょう。クソ暑い中渋谷に行っての観賞だったけど珍品ではなく、後に傑作を残すことになる監督の第一歩でした。

 

現在(7/25/2011)公開中
オススメ★★★★☆

 

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    戦場カメラマン 真実の証明

 

 パッケージのデザインがモロにB級の雰囲気プンプンなれど、中身はA級の傑作。キャストが証明していて主演にコリン・ファレル、共演の美女がパス・ベガでこの人は「素敵な人生のはじめ方」でモーガン・フリーマンと共演している。「シャーロック・ホームズ」でワトスンのフィアンセを演じたケリー・ライリーだけでなく、「スターウォーズエピソードU」「クリムゾン・リバー2」のクリストファー・リーが素晴らしい。冒頭カメラマンが赴く戦場はクルド人ゲリラの拠点で、負傷した兵士が運び込まれてくる。「ジェネラル・ルージュの凱旋」でも出てきましたが、患者の優先順位を色のついた紙でつける。もっとも戦場で、物資そのものが窮乏しているからダメなら・・・。「M★A★S★H」がホントに気楽なコメディに映ります。しかし本筋はサダム・フセインが弾圧したクルド人を描くに止まらず、戦地から帰還したカメラマンには“抱えてきたもの”があって、それをクリストファー・リー扮する老いた精神科医が解きほぐしていく。

 

 精神科医もただの老人ではなく、スペイン内戦に関わる過去があって、登場人物たちは実に練られています。PTSDに関しては身近にそういう人いませんから、映画などで描かれている部分のみで知るに止まりますが、この作品の描き方には説得力がある。「ノー・マンズ・ランド」を見逃してホントに大損、ダニス・ダノヴィッチは実力ある監督と今更ながら納得。「エンドゲーム」など社会派作品でさえもレンタル屋ストレートになってしまう、ちょっと残念な状況ですが、ぜひご覧になってご確認を。
オススメ★★★★★

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