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ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル

  ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル

 

 もともと作るの難しいんですよ、パート4って。タイトルは挙げられないけれど、失敗しちゃったものもあるし、「インディ・ジョーンズ/クリスタルスカルの王国」もかなり無理やりだったような・・・。有効なのは「バイオハザードW アフターライフ」のように3Dを施すか、「バットマン・ビギンズ」のように最初からやり直す。よって昨今はシリーズではなく、プリークァルが隆盛。「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」 などが分かりやすく、“お行儀良く”作ればクォリティの高い合格点の作品に仕上がる。実際別物に見えたって構わないんだから。

 

 さてトム・クルーズはもともと作るのが難しい“豪華共演作”=「ナイト&デイ」に続いての挑戦。確かに前作でも次回作を臭わせるラストでしめていたし、無理やり作ったというわけではない。映画界を牽引するスターの最新作はそれ自体が“無理めの作戦”=ミッション:インポッシブル。それにしてもテレビ・ドラマにシフトしている映画俳優が多い中で、もはやジョニーブラッドマット も出るわけいかないもんね。世界各地で宣伝して回るしかない営業にも積極的な参加は“時代遅れ”かもしれないけれど、茶の間に映画を浸透させる努力は見上げたもの。

 

 もちろんワシのお楽しみはトムの繰り広げるアクション・シーンではなくて、脇役の豪華さに目がくらむ。これは「インセプション」と同じで、クレジットされているのがジェレミー・レナー(「ザ・タウン」)にポーラ・パットン(「プレシャス」)にサイモン・ペッグ(「宇宙人ポール」)。特に「ポーラ・パットンが出ているんだ!」の瞬間に「パート4は止めとこうよ」の貧しい心の声が消し飛ぶ。映画の全体ではなく、個人技を楽しむとは物好きなものです。でも「恋のスラムダンク」のアホ女ぶりで楽しませてくれたポーラはその美貌が楽しみだったし、「ハートロッカー」以来注目度が上がっているジェレミーはトムとの掛け合いが楽しみだったし、前作からの唯一のレギュラー、サイモンは売れっ子で声だけながら「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密」に出ていて、たぶん映画好きにとっては“旬な男”。

 

 更にこれを見る前にもう一度パート1を見てみたら、時代の変化を表しているのは衣装でも、建物でもなく“最新ITガジェット”に集約されていることに気がつく。スパイの七つ道具ですから、最も新しくなきゃ困るんだけど、“突っ込み”の21世紀だけに、あんまり浮世離れした道具をエージェントが使うわけにもいかない。そこでスマート・フォンであるとかタブレット型コンピュータなどが次々登場。「2001年宇宙の旅」で時代を感じさせるのが衣装だったんだけど、「007/慰めの報酬」では携帯電話で、「ナイト&デイ」あたりから機種変更、まさに高性能CPUを搭載したネット端末ディバイスこそが時代記号。

 

 では肝心のお話はというと、変わり映えするわけがない。武器商人、核ミサイルの発射・コードなどスパイ映画の常道ですよ。ただ金持ってる国は確実にシフトしていて、前作は中国だったのに、舞台はアラブ首長国連邦とかインドになっている。でも東西冷戦が終結して、実は“合衆国とロシアは先々仲良くなるらしい”という未来予想がある現代。この手の娯楽大作で新味を出すのはなかなか難しいのです。

 

 「ピースメーカー」「フェアウェル さらば、哀しみのスパイ」もあるし、実録「フェア・ゲーム」もあるし・・・。じゃあ新味はどこかといえば、シリアス路線をコミカルにすることで、楽しく観ることに終始している。これは監督のさじ加減で、「レミーのおいしいレストラン」の監督ブラッド・バードは一歩間違うと「オースティンパワーズ」になる手前で踏みとどまっている。特にこのシリーズ恒例の“あの格好”をジェレミー・レナーにさせちゃうのはご愛嬌。更にラストでは今回は見送られるのかな?と思われた人々まで出てきてファン・サービス。

 

 最新ITガジェットが時代を表し、金持ちの国は変わっても、スパイのやってることは変わりようがない。でもスターではなく、脇役を楽しむ映画好きにとっては実に美味しい1本。ポーラ・パットンはいつもだと、もっとほっそりした人だけど、グラマー美人に変身。日をまたいでサイモン・ペグは二本立て、「宇宙人ポール」の彼はどんなんだろう?

 

現在(12/18/2011)公開中
オススメ★★★☆☆ 

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 ミッション:インポッシブル

 

 記念すべきシリーズ第1作。もちろん製作も兼ねているんだから、主演のトム・クルーズ はやる気満々。そのやる気はキャストの豪華さに反映されている。ジョン・ヴォイトですよ、ヴァネッサ・レッドグレーヴですよ、クリスティン・スコット・トーマスなどはチョロッと出てくるだけですよ、そしてヒロイン(謎の女)はエマニュアル・ベアールですよ。公開当時はエマニュエル・ベアールにメロメロだっただけに、鼻の下伸びっぱなしで観に行ったものだ。でも正直ピンと来なかったたんだよね。それは元のTVシリーズを見ていないことが大きいし、実録スパイモノ(「哀しみのスパイ」など)に好みが傾斜していたからでしょう。

 

  しかし第4弾の前に試しに見てみたら発見がゴロゴロ。なんとIT機器で時代を知ることに。スパイがフロッピー・ディスクを使用して、パソコン画面、映し出される画像など当時の最先端がうかがえる。また飛行機の中での喫煙はこれが最後だったのか?と思わせる。もちろん変化しているのはガジェットで、プラハの風景は不変。「ヒットマンズ・レクイエム」とか「リミッツ・オブ・コントロール」 とか風景に焦点を絞る監督が多いのはなるほどなどと思ったり。後のシリーズでこれを越えるのはなかなか大変でしょう。

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