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100,000年後の安全

  100,000年後の安全

 

 現在日本に住んでいる人間なら無関心でいられない事の一つに“放射能”があります。シカトを決め込もうにも新宿アルタのでっかいテレビに、都内のどこソコは“〜シーベルト”なんて表示されるし、無神経なTVのニュースはアテにならないどころか、恐怖を倍化させる効果絶大。専門書を読む教養もないし、映画で取り上げられているのは「東京原発」「シルクウッド」くらいしか観たことない。劇映画だと「チャイナ・シンドローム」「みえない雲」があるわけですけれど、見たら余計恐ろしくなりそうなので手も足も出ない。ところが店のお客さんから、これズッシリ来たけど観た方が良いよと言われたので、なんとか劇場に足を運んでみて正解でした。

 

 もちろん現在の状況に対する回答にはなっていないし、不安が解消されることはありませんけれどその元になっている“放射能”、その輪郭はおぼろげながらも掴める。タイトルにもなっているように100,000年過ぎないと、放射性廃棄物はその半減期を終えない。ゆえにエラク深い地中に岩をくりぬいて埋めてしまう。科学者がその経緯を話していくのですけれど、確かにそれしか方法がないことはご覧になるとお分かりになります。テレビで同じ事を専門家とされる人たちが喋っても、しょせんはおしゃべりにしか聞こえないから“ウソくせぇ”としか思えない。やはりドキュメント映画の効用でしょうか、金払ってるし、暗くて集中しているせいか聞き入ってしまいます。映画の性質も“反対!異議なし!”みたいな内容ではないので、責任者たちは真摯に話す。もちろん彼らが口を揃えて言うにはその埋蔵所に「絶対に近づいてはいけない」。

 

 で、100,000年後を考えている科学者たちの想定は、半端なSF作家の妄想をはるかに超えていて現実的。文字も違うだろうし、外見も知能も今とは異なるだろう。ほとんど異星人に向けてメッセージを残さなければならない場合、どのようなものが適切かを真剣に考えている。100,000年後ですから今の国家なんてもちろん痕跡すら残していないだろうし・・・。現在流通しているSF映画がいかに“ショート・スパン”かが良く分かります。そんな途方もない時間を経過しないと、無効にならない代物を使って我々は繁栄を享受してきた。後のことを考えて行動しているのがフィンランドだラけというのは、未来を暗示させます。資本主義じゃあ解決できないどころか足を引っ張る。

 

 「わたしを離さないで」も21世紀の今、最も重要なテーマ(医療、科学、倫理)を取り上げていましたが、現在の日本では優先順位でこちらがまさる。ハッキリ言って今回の原子力発電所の事故がなかったら、スルーするはずの1本。それはもちろん偏見から来るもので、“反対!異議なし!”みたいな内容だったら、テレビで間に合っていますから。しかし我々が真剣に考えなくてはならない問題を直視して、実際に取り組んでいる国があって、冷静に描ける人もいる。北欧だけに自然が美しくもあり(「ぼくのエリ200歳の少女」)、人類不在の大地も頭をよぎった。

 

現在(5/6/2011)公開中
オススメ★★★★☆

 

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  みえない雲

 

 現在(5/17/2011)の日本人には切実で深刻な内容になってしまった原子力発電所に警鐘を鳴らす1本。戦争シュミレーションだった「機動警察パトレイバー2 the movie」に近い、起こることを想定して現実的に描く。もしこれが自分の国だったら?という余裕を持つ間もなく、実際のこととして迫ってきます。冒頭は実に和やかな描写で、自然が美しい中で暮らす主人公。そこに突然襲いかかってくる事故が誘発する放射能汚染。映画ですからあっという間に様々な出来事が描かれますが、実際には徐々に進行するのでは?と真剣に見入ってしまいました。

 

 はっきり言って刻々と未整理の情報が、大量に流される今のTVのニュースには目を背けてしまうけれど、“見ざる聞かざる言わざる”を決め込もうにも不安は払拭されない。様々な現実に起こり得る“目を背けたくなる事態”を可能なかぎり過剰演出を排して、人々の醜さと 同時に強さと素晴らしさを刻んでいる。ドイツ映画だけに半端な甘さはありませんけれど、主人公2人の絆に希望を見出せる。 
オススメ★★★★☆

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