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ゲットラウド

ゲット・ラウド ジ・エッジ、ジミー・ペイジ、ジャック・ホワイト×ライフ×ギター   ゲット・ラウド ジ・エッジ、ジミー・ペイジ、ジャック・ホワイト×ライフ×ギター

 

 有名どころのギタリストを3人集めて語ってもらう。まるでテレビの音楽番組みたいですけれど、タイトル通り“違い”はなんと言ってもデカイ音。「ハンナ」にしても「ソウルキッチン」にしても劇場でなければ意味がない音は魅力だった。もちろんCMは入らないからじっくりと見入ってしまいます。冒頭ザ・ホワイト・ストライプスのジャック・ホワイトがギター(らしきもの)を組み立てているから往年の深夜番組「寺内ヘンドリックス」を思い出した。

 

 さてこの3人の取り合わせは実に絶妙にして必須。「伝説のギタリストならジェフ・ベックは?エリック・クラプトンは?超絶テクニシャンならイングヴェイ・マルムスティーンとかスティーヴ・ヴァイは?そもそもロックを語るなら、生きてるんだからポールストーンズの2人を呼んでこなくてどうするんだ」と音楽好きから異論が出るかもしれないけれど、話せる人、エポック的な人、という人選で決まったんじゃないかな?と観賞後に納得(もっともジャック・ホワイトはヤバかったけど)。なぜかって言うとミック&キース(「アニー・リーボヴィッツ・レンズの向うの人生」をご参照ください)やスティーヴン・タイラー(「Be Cool/ビー・クール」をご参照ください)などのロック・スターにしてしまうと“その人の映画”になってしまい統一感は失われる。各人確固とした“音世界”を創ってきた人たちで、それぞれの個人史はそのまま、分かりやすい音楽史のピリオドにもなる。

 

 3人のうちでオッサン(40代)のワシにとっても伝説の男、ジミー・ペイジの歴史はお勉強になった。もちろんジェフ・ベックエリック・クラプトンに次ぐヤードバーズのギタリストで、後にレッド・ツェッペリンを結成した人という知識は持っていた。しかしコレは完全に教科書(ロック好きの方々必読です「ロック―ベスト・アルバム・セレクション」)の受け売りで、「移民の歌」を聴くとチェーン振り回して登場するプロレスラー、ブルーザー・ブロディしか思い浮かばない。まぁハンチクなロック好きですよ、「ウェインズワールド」のギャグ分からなかったんだから。しかしこの作品でジミーはなんでも屋(スタジオミュージシャン)からスタートして、物足りないから結果的にレッド・ツェッペリンに至るという経緯は「ロック―ベスト・アルバム・セレクション」に書かれている通りだった。つまりはキレイな音、完璧な音に満足できず自らの音を創った。TOTOとかスティーリー・ダンは大好きだけど、それじゃあ満足できないからハード・ロックになるのかも。

 

 で、年代的にピッタリなジ・エッジの語る部分が一番シックリきて、ニヤニヤ。ドキュメンタリー「U2/魂の叫び」があるんですけれど、アレはバンドを追ったもので“変形動物ドキュメンタリー”そのもの。彼がギターの音色にかけるこだわりはホントに半端じゃなくて、YMO大好き少年だっただけに見ているだけでワクワク。“Where the street have no name”のデモテープはもっと聴きたかった。また彼らの初期の音楽に影を落としているアイルランドの歴史(「レクイエム」でも触れられている)、学校で練習していたトコ、デビュー当時のはずかし映像は貴重。「コントロール」ジョイ・ディヴィジョンと同じような時期で、あんな格好で彼らも演奏していたのかねぇと妙に感心。“義兄弟の契り”って感じでメンバーの移動が絶対にないバンドだけに、創り出す音楽が次々に変化していく。傑作ヨシュア・トリー後もアクトン・ベイビーZOOROPAPOPの3枚はロックと打ち込みを融合させようという流れで楽しんだなぁ。映画のサントラに参加することもあって「夢の涯てまでも」 の・・・やめやめ(逸脱したマンマ戻って来れなくなる)。

 

 そして最も若いジャック・ホワイトはなるほどの原点回帰をしている。U2も極めた流れを止めて、少ない音数で勝負している昨今、ザ・ホワイト・ストライプスは2人編成で見事具現化している。年代がズレちゃってるから聴いてなかったけれど発見でした。ベン・フォールズ・ファイブとかジョン・スペンサーは好きだったんだけど、損したなぁ。Coccoのドキュメントと同じでこの作品以後はザ・ホワイト・ストライプスを聴きまくり。映画の中でジャック・ホワイトが語っているように、まるで「キャデラック・レコード」の頃に戻りたがっているみたい。気のせいだけど、彼らの音を聴くと“ロックが帰ってきた”と思ったりして。

 

 監督がなんと「不都合な真実」のデイヴィス・グッゲンハイムだそうな。環境問題ドキュメンタリーの後にコレってのが凄い。ただの音楽好きじゃなく良くまとめたなぁ。FM聞かなくなって久しいし、最近はマトモなロック好きが周囲にいなくなったので、ザ・ホワイト・ストライプス発見はありがたい。

 

現在(9/12/2011)公開中
オススメ★★★☆☆

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寺内ヘンドリックス

 

 フジテレビの深夜枠で放送していた笑えるギター番組。番組名は絶妙のネーミングで寺内タケシ+ジミ・ヘンドリックス、こういうセンスは最近お目にかかれない。統一感のない散漫なコーナーが散りばめられていて毎週楽しみだった。特にギタリストの歴史を朗読するコーナーがたまらなくて、エリック・クラプトンの時に「ジョージ、ざまぁみろ」ってところに爆笑で、ジミ・ヘンドリックスが何で死んだかも、かなりきわどい言い方だったような・・・。もちろん一番のお気に入りは“ギターフェチの女”。ギタリスト兄弟エド山口&モト冬樹をはじめ、知られていない腕自慢が出てくる。野口五郎なんてまさにそう。コレこそ遊びでパッケージ化して欲しい番組。売れないと嘆いていないで、リスナーを育てる努力をコツコツやるのが肝心。ギターをお勉強するのではなく、ギターに興味をそそられるんだから。            

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