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ヤバい経済学

ヤバい経済学   ヤバい経済学

 

 最近めっきりTVのニュースを見なくなりました。見ててもすぐに頭にくることが多くて、まさか無機物=テレビ画面に物を投げたって、仕方ないから自然に消してしまう。当然CFとかも見なくなってしまったのでトレンドには無知。よって駅のでっかいポスターのカワイコちゃんが、誰なのかはサッパリ分からない。テレビを見るにしてもテレビ東京の深夜に放送されている「SHOWBIZ カウントダウン」くらい(仕事柄仕方ない)。もっともその時間帯しか見ないから「荒川アンダーザブリッジ」 を発見できたんだけど。テレビ嫌いになったからといっても、社会生活を営む上でニュースを見る必要はあります。ただむかしブライアン・ウィルソン・キイの「メディア・セックス 」を読んだお陰で、新聞もかなり“いかがわしい”となり、いちおう日常のニュースはインターネットが頼りという昨今。本を読むとかドキュメント映画を観るとかニュース取得にはけっこうお金がかかります。

 

 さて映画館でお勉強するのは「チョムスキーとメディア」以来ですけれど、腰を据えて幾つかの興味深いトピックに接することが出来ました。経済学者スティーヴン・レヴィット&ジャーナリストスティーヴン・J・ダブナーのベストセラーを映画にする。全部は無理だから映画自体がイントロダクションの位置づけといってよいでしょう(この後買って読み始めました)。映画が広告の役目を果たしているとは思わないけれど、関心のある人はもっと突っ込んでみたくなる視点“物差し”をこの2人は持っている。マイケル・サンデル先生は著書「これからの「正義」の話をしよう」で美徳とは?を取り上げていましたけれど、彼らは“インセンティヴ”(適切な日本語訳がない。文学者はイヤッてほどいるだろうに、仕事放棄している証拠)。様々な実例を挙げて“インセンティヴ”とはなんぞや?を解明しようとしている。その挙げている実例がイヤに生々しくて、“子育て”、“名づけ”などから“ニューヨークの犯罪発生率”に至るまで、ユニークなデータを持ってきて検証している。ただ観ている人が納得するのは、我々がうすうす感じていたことを経済=数字で言い切っちゃってるところ。細かな事例はもちろんご覧になるのが一番なので、ぜひご自身でご確認ください。けっこう軽めの作りだから、最初はスルスルと入っていけます。街の人が名前に関して言ってるトコは「アル・パチーノ リチャードを探して」のように気楽。

 

 ところが大相撲のくだりになると途端にマジで見入ることになります。まぁねぇ、分かっちゃいたけどさ、「年寄りの楽しみを取り上げちゃうのはどうかねぇ」というのが偽らざる気持ち。本来であれば我が国のマスコミが、ギャアギャアと言わず冷静に取り上げなくちゃなんない事案なのに・・・と複雑な気持ちになりました。“外国人が描いた日本”「ブラックレイン」から「東京画」を経て「インセプション」などキチンと描かれるようになってはきましたが、まさか本丸を攻められるとは。経済って容赦ないなぁとずしーんと来た後で、ルーマニアを例に取り今度は犯罪発生率と××××の因果関係に迫る(「4ヶ月、3週と2日」を参考までにどうぞ)。果ては子供に金やって成績が上がるのか?までTVニュースでは突っ込めないし、やはりドキュメント映画のインパクトを有効利用して人々に見せていく。マイケル・ムーアは最近撮りませんから、貴重な作品です。入り口は軽めで人々を核心に導き、現在重要な知っておくべき事柄を伝える。勉強になりました。

 

 さて上映館の告知でブルー・レイ上映とありましたが、これは案外有効かも。もはやフィルムで上映している映画館は少なくなり、デジタル上映が大勢を占め始めている。でも金がかかるわけで、クォリティの上でこの種のドキュメントは問題ないから、じゃんじゃんやってもらいたい。じゃんじゃんとはもちろん多種多様な映画を劇場で上映のこと。「100,000年後の安全」もブルーレイの上映だったけど違和感ありませんでした。


なおこの作品は複数の監督がそれぞれのパートを担当していますが、彼らの作品は優れものでオススメです。
モーガン・スパーロックの
「ビン・ラディンを探せ! スパー・ロックがテロ最前線に突撃!」 
アレックス・ギブニーの
「エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?」 
ハイディ・ユーイング&レイチェル・グレイディの
「ジーザス・キャンプ〜アメリカを動かすキリスト教原理主義〜」

 

現在(5/31/2011)公開中
オススメ★★★★☆ 

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関連作

  エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?

 

 「ヤバい経済学」の1パートを監督しているアレックス・ギブニーのドキュメント。“総合エネルギー取引をする巨大企業エンロンの破綻に迫る”内容で、今後も役に立つ普遍的なテーマを扱っている。見ていて“やっぱり”と思う部分と、唖然とさせられる部分があり、“やっぱり”の部分はいちおう本や映画で得た知識で補っているからで、唖然とする部分は“探さないと見つからないニュース”を知らなかったことによるもの。企業倫理が欠落しているからこそ、儲かる会社に成長させることが出来ることは「ザ・コーポレーション」でも触れられていた。また時期的に「フード・インク」と同じくあの大統領がまたまた一枚かんでいる。

 

 それにしても唖然としちゃったのは儲けが下り坂になると、カリフォルニアで“計画停電”させて株価上昇を画策。つい最近(4/2011)その不自由さを身を持って思い知ったので、本気で“人でなし”と怒りがこみ上げてきた。抗議したその時の知事は退いて、「ターミネーター」が収まっちゃうところはもう笑えない。タレント議員で占められている我が国の国会も・・・、恐ろしいなぁ。PRとかCF映像が残っているおかげで、かなり生々しく“言い逃れ”出来ない現代。ただ株主のためのメディア=テレビはちゃんと人々にミス・ディレクションを指し示しているから、本当のことを知らずに平穏な生活が送れる。

 

 人気沸騰の「ソーシャル・ネットワーク」も行き着く先は同じなんだろうか?とっくに“たかられている”様はあの映画でも取り上げられていたしね。知らぬが仏でしたけれど、見事地獄の蓋ならぬ人の“臭くて醜い様”はバッチリ拝ませていただきました。オリヴァー・ストーン「ウォールストリート」「ブッシュ」マイケル・ムーア「華氏911」「キャピタリズム〜マネーは踊る」やドキュメント「ザ・コーポレーション」などはぜひ並行してご覧になることをオススメ。
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