関連テーマ

 

    

 

サイドボックス

ここにテキスト


出し

ザ・ファイター

  ザ・ファイター

 

 合衆国ではフットボール、バスケットボール、野球の次に数が多い“スポ根映画”ボクシングもの(たぶん)。定番ストレートは「ロッキー」だから、なるたけ似ていない角度で描くことを監督さんたちは目指します。で、ダーレン・アロノフスキー監督作の「レスラー」はかなり参考にしたんじゃないかと思える本作品、なかなか大人の鑑賞に応える人間ドラマとなっておりました。それぞれの役者さんたちは渾身の芝居を披露で、アカデミー賞を獲得もうなづける力演。

 

 冒頭主役のマーク・ウォールバーグを差し置いて、ダメな兄貴役のクリスチャン・ベイルが目立つこと。眼球が飛び出るかと思わせるくらいに痩せこけて、「パブリックエネミーズ」とか「ダークナイト」のダンディさは微塵もない。「マシニスト」は餓死寸前までいっちゃいましたけれど、肉体改造後の彼を見ると、細面だけに「ボクサー」のダニエル・デイ・ルイスに重なります。彼はひょっとすると、後に最も合衆国で成功した英国俳優になってしまうかも。

 

 その痩せぶりは何のためかというと、元ボクサーにして転落人生を歩んでいるジャンキー(麻薬中毒者)を演じるため。ウルフ金串(「あしたのジョー2」の方)がもっと腐った感じが近いでしょうか。その厄介な兄貴だけど、実は一度“地元の星”になったこともあって、貧乏臭い街だけど人々は彼に声をかけるし、その兄貴の威光からなかなか弟は抜け出せない。ダメ兄貴だからといってそう簡単に断ち切れないのが“家族の絆”で、「ソウルキッチン」などは笑っちゃえるからいいんだけど、頭の痛い問題が主人公を取り囲んでいる。

 

 ダメ兄貴と実に遺伝的につながっていることが納得の母親も凄くて、独占欲だけは強いけれど知恵がまわらない厄介なおばさん。しかし演じるメリッサ・レオがまたやる気満々で臨んでいて圧巻です。対立する主人公の彼女役がエイミー・アダムスで、無表情に徹している。「魔法にかけられて」の清純派イメージなんかあたし要らないのよ、とでも言わんばかりに彼女は酒場で働いている感じを出すため、どこかしまりのない肉体を披露。「ミリオンダラー・ベイビー」でも出てきましたけれど、“金のなる木の一家の一員”にたかるダメな底辺一家という醜悪さは演じる面々にとってやりがいのある仕事なんでしょう、対するエイミー・アダムスの引き立て役を嬉々として演じている。

 

 じゃあ人間ドラマに傾斜しているストレスドラマかと思いきや、ちゃんとマーク・ウォールバーグが拳闘映画として成立させている。目立つ演技は他の人々に任せて、ひたすらトレーニングを積んできたのでしょう。「インヴインシブル 栄光へのタッチダウン」ではフットボール選手に化けましたが、かなり根性入ってる。ことごとく「ロッキー」らしさを回避していて、北野武「キッズ・リターン」みたいにしょぼいボクシングの裏側までのぞける。ぜひボクシング映画好きの方にはご覧になってご確認いただきたい。体重増減も「レイジング・ブル」があるから実に控えめで、マーク・ウォールバーグは肉体改造を見せつけ過ぎずに敢行。「デート&ナイト」などにチョイ出演で笑いをとったりするけれど、かなり絞っていて若く見えました。「ラブリー・ボーン」ではお父さん役でも違和感なかったくらいだから。

 

 大枠で「ロッキー」っぽくしないためにも「レスラー」のように人間ドラマを展開し、「ザ・タウン」のような地元を強調する描き方を用い、厄介な家族のお話をキレイにスルーさせることなく泥臭く迫った秀作。でもちゃんとボクシング映画の王道も忘れていない実話ベースのなかなかの1本。マーク・ウォールバーグの肉体改造は控えめだけに、オスカー候補は厳しいか・・・チョット残念。

 

現在(4/1/2011)公開中
オススメ★★★★☆

 

Amazon.com

DMM.com

前のページ   次のページ

 

top

関連作

  あしたのジョー

 

 ホームレスだった矢吹丈がトレーナーの丹下段平と出会い、ボクシングを開始。しかし素行不良で少年院に直行。宿命のライバル力石徹と遭遇。彼と決着がつくまでが第一弾。見所はもちろん力石VS矢吹の対決場面ですけれど、歴史的資料映像としても必見。今時東京に“ドヤ街”なんて存在しないし、そもそも主人公の丈は本当の意味での宿無し、つまりはホームレスですから。この頃から既に漫画は純文学を超えていたのです。
オススメ★★★☆☆

Amazon.com

DMM.com

top

  あしたのジョー2

 

 矢吹丈は肝心な試合に勝てない。力石には負け、カーロスとは引き分け、チャンピオン・ホセ・メンドーサには・・・。にもかかわらず、彼の物語は何年経っても魅力的で、鮮烈に覚えています。それは主人公矢吹丈のキャラクターに依るところが大きいでしょう。施設(孤児院)で育ち、住む家のない暮らしを続けながら、運良く“拳闘”と出逢う。そのたまたま出逢ったボクシングが彼の人生を良くも悪くも導きます。その人間臭いキャラが、スポ根にありがちな臭みを打ち消しているのでしょう。若い方には是非ご覧いただきたいですね。根性だけではないスポ根 アニメ。
オススメ★★★★☆

Amazon.com

 

ホームページ テンプレート フリー

Design by

inserted by FC2 system