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フェア・ゲーム

   フェア・ゲーム

 

 年に数回だけど、期待満々で観に行って、がっかりな作品に当たっちゃうことがあります。すると次の作品を構えることになる。パチンコに比べたら単価¥1800の博打だけど、時間は戻ってこない。お金じゃなくて「時間返してよ」と言いたくなるけれど、 このページの主旨は“好きなら載せて、ダメなら黙殺”なので、昨日あたっちゃったタイトルは内緒(ホント酷かった)。もっともそんな悩みをお客さんがオススメしてくれた「戦略大作戦」が解消。ハロウィーンで賑わう川崎まで行って、見事大当たり。余りに混んでて帰ろうかとも思ったけど、クリント・イーストウッド とドナルド・サザーランドとテリー・サバラスの戦争コメディは「やっぱ映画って楽しい」を思い出させてくれた。

 

 さて、シンディ・クロフォード主演の同名タイトルとは、まるで異なるマジな中身の本作。でもまさかここまで凄いとは、思いもよりませんでした。なんでかって言うと、監督のダグ・リーマンは最近マジな題材から遠ざかっていた。「Mr.&Ms.スミス」「ジャンパー」ともに好きなんだけど世界情勢とは無縁。ところが「ボーン・アイデンティティ」の彼が帰ってきたわけで、こういう取り組み方って案外キャリアを豊かにしていくかも。娯楽追求の後にシリアスなプレゼント・イシューを盛り込んだ作品を撮る。

 

 本作で監督が挑んだのは実話を基にしたスパイのドラマ。最近はご無沙汰していますけれど、2006年〜2008年にはけっこうこの手の社会派ドラマを観ていた(各年の作品傾向で触れている)。「グリーン・ゾーン」は元々ない“大量破壊兵器”を探してまわらなくちゃなんない大尉が主人公でしたが、本作は実在のCIAエージェント。予想通り開戦前にCIA及び合衆国は“そんなものない”ことは知っていた。

 

 もちろん欲しいのは事実ではなくて口実だった。またまた例の男一味(「ブッシュ」)の愚行が暴露される“当らないイラクねた”ながら、エージェントとその家族に焦点を当て、生々しいドラマとして成立させているのは新鮮。「グッドシェパード」などはマフィアに近い組織としてCIAをとらえている。ただ全員が陰謀を企んでいるわけではなく、愛国者だっていっぱいいるわけで、祖国が誤った方向に進むのは看過できなかった。そんな状況に個人として巻き込まれてしまったのが主人公とその家族。

 

 スパイ映画は連綿と作られているけれど、彼らは世界の現実=情報にいち早く触れる関係上、作品にそれを知る手掛かりを刻める(「フェアウェル さらば、哀しみのスパイ」)。女諜報員は「ソルト」アンジェリーナ・ジョリー「ピースメーカー」ニコール・キッドマンが演じたけれど、「アメリカを売った男」ローラ・リニーよりさらに生々しい本物をナオミ・ワッツが体現。

 

 わざと皺が目立つようにしていたけれど、ラストを見て納得。「しあわせの隠れ場所」みたいに本人出てきますけれど、ソックリで女優根性の賜物(「マルホランド・ドライブ」からずいぶんと経つんだなぁ)。オリヴァー・ストーンマイケル・ムーアほど強硬的ではないけれど、ショーン・ペンも愛国者なのが良く分かる。「ツリー・オブ・ライフ」は出ているだけだったけど、今回は熱のこもった芝居をストレートに披露。若者に伝えようとしているシーンを観ていると「大いなる陰謀」の素晴らしさを再確認。この2人が演じる夫婦は国家とマスコミの攻撃に晒される。

 

 利益優先で“祖国を憂慮する”自国のスパイもマスコミに売るとは恐れ入る。悪役のデヴィッド・アンドリュースはホントに上手くて、“国家を誤らせた連中”の手先を無表情に演じていた。合衆国は没落するのだそうで(「街場のアメリカ論」)、後々あの大統領はその流れを加速させたと歴史に記されるかもしれない。健全なありようではないのは政治だけではなくて、マスコミも人々を扇動して一個人を抹殺しようとする。「クイーン」「誰も守ってくれない」「ゴーストライター」などでも描かれる“マスコミ被害”は恐ろしい。

 

 2006年の「グッドナイト&グッドラック」の時、「言論の自由が戻ってきた」などと書いていますが、間隔をあけてこの手の作品が登場するのは、案外効果的かもしれません。現在溢れている情報は“更新されている”のではなく、“上書きされている”ように見える。忘却を加速させるための“上書き情報”に惑わされることなく、マトモな情報(=人の役に立つ)を提供できるのは映画の機能。ただし「“家族の絆”があれば乗り越えられる」といった人間ドラマとして、スパイ映画を成立させるには時間を要する。前2作の仕事が信じられないダグ・リーマンの傑作、ぜひご覧になってご確認を。

 

現在(10/30/2011)公開中
オススメ★★★★★ 

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関連作

   フェア・ゲーム

 

 公開当時良く分からない人気だったシンディ・クロフォード主演のサスペンス・アクション。“良く分からない”のはワシがファッションに無知だったので、スーパーモデルがなんなのかサッパリだったことによる。ところが店にはクローディア・シファーのエクササイズ・ビデオがあったりと、なるほどコレがトレンドなのねという認識だった。もちろん美人の彼女を見るためだけの観賞で、目が釘付け。ジュリア・ロバーツをもっとシャープにした感じがたまらなかった。もっとスーパーモデル出身の女優がいっぱい出てきたら、いっぱい劇場に行くことになりそう・・・。などとスケベ根性丸出し。結局媒体の意のままに誘導されていたので、ちゃんと映画を見ていなかったことに後々気づく。

 

 彼女に目が釘付けのおかげで、ずいぶんと粗いお話だったような気がしたけれど、さにあらず。久しぶりに見たらネットの検索システムを、ロシアマフィアも既に取り入れている。まぁキーボードは“スパイの七つ道具だぜ”っぽいけれど。「ザ・インターネット」しかりで、やはり合衆国ではこの時期にもう半日常だったわけだ。プロデューサーがジョエル・シルバーだけに極めて簡潔にまとまっている。もちろん“デート・ムービー”としてバッチリ。タフな刑事が出来るなら、誰でもよさそうな役ながらウィリアム・ボールドウィン(「バックドラフト」)は捨てがたい。顔は優男なれどアクションに体当たり。元カノ役がなんとサルマ・ハエック。
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  フォース・エンジェル

 

 公開された日付が引っかかる、フランスでは2001年の8月25日だけど、合衆国ではレンタル屋ストレートになっていて、しかもリリースされたのは2003年の8月19日。大げさに考えれば題材が“9.11”を思わせる内容は、ことごとく忌避されていた時期ゆえのリリース形式なのか?出来がイマイチによるものか?は判然としない。パッケージが“B級宣言”しているし、素通りされても仕方ない。しかしながら棚にあってずっと気になっていた1本。だってジェレミー・アイアンズとフォレスト・ウィテカーが出ているんだもの。で、レンタル屋ストレートの外れギリギリのラインながら、悪くない。最近(2012年)も「マージン・コール」 に出てくれば悪役がキマッているジェレミーだけど、仕事中毒なのに家族想いの父親もキチンと演じきってしまうのはさすが。テロリストにハイジャックされた飛行機に乗り合わせてしまったジャーナリスト一家。特殊部隊突入の時、家族は1人息子と主人公のジャーナリストを残して殺されてしまう。更に生き残ったテロリストは“政治的圧力”で釈放されてしまう。

 

 政治を優先して、正義をもてあそぶ連中(「フェア・ゲーム」)に業を煮やしたジャーナリストは家族の復讐を・・・。もう実にB級映画のパターンながら、英国で展開するので、2012年に見ても見応えあるものになっている。かの国にはもちろん移民がたくさん住んでいる。全員がワルではないけれど、テロリストがやすやすとアジトを作る環境もある。またロシア系のマフィアも欧州に様々な形で根を張っている(「イースタン・プロミス」「インストーラー」)。国家が当てにならない以上、自分で戦うしかないのは「スリーデイズ」もそうだし、「ルート・アイリッシュ」などもそうだ。ジャーナリストが一線を越えてしまうのは「ブレイブ・ワン」に近いかもしれないけれど、捜査現場のプロが見逃さないのもご同様。で、ここにFBI捜査官としてフォレスト・ウィティカーが、分かりやすくキャスティングされている。彼は「プレイデッド」のハーヴェイ・カイテルと似たような感じで、言葉は通じても協力的でない英国警察の中にあって捜査を進めていく。そしてついに真相に突き当たった時、ジャーナリストと共に・・・、ぜひご覧になってご確認を。

 

 「エグゼクティブ・ディシジョン」は予想される合衆国の悲劇を描いたけれど、未然に悲劇を回避する役には立たなかった。実際に未然に防いだ例もあるのに(「フランス特殊部隊 GIGN(ジェイジェン) 〜エールフランス8969便ハイジャック事件〜」)。テロは犯罪だから、やはりその真相を突き止めなければ被害者は浮かばれない。利用して戦争を始めるのはホントに本末転倒だったのだ(「ブッシュ」 )。
オススメ★★★☆☆

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