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瞳の奥の秘密

  瞳の奥の秘密

 

 アルゼンチンと聞いてもディエゴ・マラドーナ とかフォークランド紛争とかしか思い浮かびませんけれど(無知だよなぁ)、しっかりした才能を持った映画監督がちゃんといるんですねぇ、フアン・ホセ・カンパネラはすごい。もちろん合衆国は才能に対しては貪欲ですから、彼は既に“偏屈な正義の医師”「Dr.HOUSEドクター・ハウス」 (海外ドラマあんまり見ないけど、アレは好き)を作っている。

 

 また中南米という大ざっぱな括りなら、ここ数年才能ある監督が次々に出てきて大活躍。フェルナンド・メイレレス(「ナイロビの蜂」「ブラインドネス」)、アルフオンソ・キュアロン(「トゥモロー・ワールド」)、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(「バベル」)。ただ合衆国側から描かれた作品ばっかり観てきましたから(「サルバドル−遥かなる日々−」「ボーダータウン 報道されない殺人者」)あの辺は怖いなぁという印象があります。スティーヴン・ソダーバーグの“チェ2部作”は偉人伝ですからそれほどクローズ・アップされませんけれど、「トラフィック」もおっかなかったし、「特攻野郎Aチーム」もずいぶんとメキシコの出鱈目さは利用している。

 

 ところがそんな偏った見方をずいぶんと修正することになる本作、外枠はサスペンス・クロニクルっぽいんですけれど、大人の鑑賞に応える恋愛映画です。アルゼンチンに生まれたからってサッカー場の喧騒が嫌いな人はいるし、情熱の国ではあるけれど、それを内に秘めるシャイな男は決して少なくない(チェ・ゲバラもアルゼンチン出身 )。そんな主人公を演じるリカルド・ダリンは素晴らしい。

 

 現役バリバリの頃から退職して枯れた風貌まで演じきってしまう。柔和なアラン・リックマンを思わせるこの人の作品は観てみたくなりました。また彼が実に25年もの間想いつづける“上司”のイレーネを演じるソレダ・ビジャミル、しっかりした美人なんだけど、“運命の女”を体現。「キングス&クィーン」のエマニュエル・ドゥヴォスとか「愛のめぐりあい」の頃のイレーヌ・ジャコブのような感じで、芯がしっかりしていて男が適わないのを承知で想い続ける人。

 

  外枠とはいえ、主人公が追う事件は実に生々しい。裁判所の書記官が証拠を集めたりするところは逸脱行為にも見えますけれど、アルゼンチンではやっちゃうんですねぇ。日本だと「HERO」でやってることがしっくりこなかったんだけど・・・。時代背景もキチンと盛り込まれていて、アルゼンチンの政変が彼らの仕事に暗い影を落とす。政変によって正義がおもちゃにされるけれど、屈することなく立ち向かおうとする主人公は男を感じさせます。しかし運命は否応なく・・・、ぜひご覧になってご確認を。事件の結末はすこがったなぁ。また駅のシーンは予告でも使われていましたけれど素晴らしい。

 

 退職し、時間があるからではなく、もう残り少ない時間を後悔と共に生きるわけにはいかない、という男の決意と実は待ち続けた女の物語。恋愛映画を観ていなかったんだなぁと痛感。劇場は大人でいっぱいでした。この際だからこの作品の監督と主演の二人の作品をレンタル屋ストレートにしてくれないものかと思ったりして。

 

現在(8/27/2010)公開中
オススメ★★★★☆

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  愛のめぐりあい

 

 ジョン・マルコヴィッチ扮する映画監督が、旅の途中でインスピレーションを得るかたちでエピーソードがつづられるオムニバス形式の恋愛劇。若い男女のすれ違いから、老いたカップルに至るまで様々な“男と女”を垣間見ることが出来る。最初のエピソードに登場するキム・ロッシ=スチュアートは絶世の美貌で、びっくりした。語り手であるジョン・マルコヴィッチも1エピソードを担っていて、お相手がソフィー・マルソー。彼女のヌードが確かアホな論争の争点だったようだけれど、どうってことはない。更にパリで「レオン」のジャン・レノと「ロボコップ」=ピーター・ウェラーまで出てくる豪華さ。老いたカップルのところで登場するのが、マルチェロ・マストロヤンニとジャンヌ・モロー。

 

 大女優ジャンヌ・もローを前にするとジョン・マルコヴィッチが“坊や”に見えるところは微笑ましい。最後のエピソードに登場するイレーヌ・ジャコブは“芯の通った”憧れの対象としてその魅力を見せつける。どのエピソードでも“窓”が印象的で、マルコヴィッチが気だるい余裕の演技を披露しているのも貴重。巨匠ミケランジェロ・アントニオーニはまるで知りませんでしたけれど、ヴィム・ヴェンダースが共同監督だったから、観に行った。ところがなにせ公開当時は“男と女”も分からん若者だっただけに、最初のエピソードしかピンとこなかった。しかし中年になってみると確かに愛の映画であることがしみじみ伝わってくる。“映画の記憶”があればもっと堪能できたのだけれど。

オススメ★★★★☆

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