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ソルト

  ソルト

 

 “どーせ知っているオチのどれかだろ”などと侮っていると見事に足をすくわれ、引き込まれてしまう。予告編が「アデル ファラオと復活の秘薬」と同じく“ブラフ”の役目を果たしていて侮れません。グイグイいく展開は「パリより愛を込めて」「イーグルアイ」に負けてない。アンジェリーナ・ジョリー演じる“ソルトの正体”がどうのこうのと考える隙を与えず、スピーディーに物語は進行。しかし絶対にその部分に触れるわけにはいかないので割愛。ぜひ“どーせたいしたことないだろ”と思いながらドカッと席に座って、疑わしげにスクリーンをご覧になることをオススメ。やられてしまいました、身を乗り出して観ちゃった。

 

 ま、面白かったのは監督のフィリップ・ノイスの“娯楽作でしょ、任せておきなさい”という技量が第一にあると思います。ジャック・ライアンシリーズの第二弾(「パトリオット・ゲーム」 )、第三弾(「今そこにある危機」 )を難なく仕上げ、デンゼル・ワシントン アンジェリーナ・ジョリー共演の「ボーンコレクター」 も過不足なくちゃんと娯楽作にしている。また合衆国版“座頭市”、「ブラインド・フューリー」(ごめんなさいDVDレンタルありません)なんか珍品なんだけど面白い。ただ彼の実力は「裸足の1500マイル」 のような母国オーストラリアで撮る感動作で発揮されるのではないでしょうか?(アレ大好きなんですよ)。

 

 で、肝心なのが脚本のカート・ウィマーではないかと・・・。エンドクレジットで彼の名を見つけて「おおっ奴か」となってしまいました。彼の監督作「リベリオン」「ウルトラヴァイオレット」もB級アクションの佳作で大好き。またA級のクライム・アクション「フェイクシティある男のルール」の脚本も担当。黒髪のアンジェリーナは「ウルトラヴァイオレット」ミラ・ジョヴォヴィッチをほうふつとさせます。同じにするのは間違ってるかもしれないけれど「007/慰めの報酬」の脚本担当ポール・ハギス(「クラッシュ」 )ともども“面白い作品に一枚かんでる”人として要注目かも。

 

 さて今回マット・デイモンの看板シリーズ“ジェイソン・ボーン”に肉薄するキャラクターを演じたアンジェリーナ・ジョリー。マジ映画「マイティ・ハート愛と絆」とか「チェンジリング」に比べてアクション大作は漫画チックだから“力入れて演じる”と笑っちゃうんですけれど、根性入りまくりですごい。「ウォンテッド」とか「トゥームレイダー」 に見られなかった凄みがあります。

 

 観ていて「ニキータ」 を思い出しちゃったんですけれど、単純に細身で黒髪だからではなく、銃火器の扱い方が堂に入っていたし、旦那が優しい感じだし(女性が絶対口にする理想型)。もちろん似ているのはスタイルだけで、「ニキータ」のように“愛する人と任務との間に引き裂かれる”って内容ではありません。また共演のリーヴ・シュレイバー(「ニューヨークの恋人」)にしろキウェテル・イジョフォー(「2012」)にしろ実に良い配置。ただ残念ながら彼らのキャラにも触れられません。

 

 チョット古臭い感じがあるかもしれないけれど、やはり合衆国は世界の頂点で、スパイ映画のネタとして有効なものはちゃんと持っている。それを使って緊張感を盛り上げる手法は今でも十分通用します。キチンとした無駄のない脚本と、切れ味鋭い演出で一級の娯楽作は出来上がる。たぶんそうとう編集段階で切りまくったんじゃないかな?確かに「インセプション」は一歩リードだけど、引き込まれて、アッと言わされて、「すげぇ最後まで読めなかった」などとつぶやきながら劇場を後にできる。アンジェリーナ・ジョリーはスパイ・アクションで代表作を獲得。彼女の役を20代の若手女優さんたちはやりたいだろうなぁ、かっこ良かったです、実に。

 

現在(8/12/2010)公開中                 
オススメ
★★★★☆

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  ボーン・コレクター

 

 頭脳の人デンゼル・ワシントンと行動の人アンジェリーナ・ジョリーが、コンビを組んで連続猟奇殺人を解決していく。「羊たちの沈黙」よりまともなタッグで、異常な印象より推理に重点が置かれているから、ビギナー向けのサイコ・サスペンス。職人監督フィリップ・ノイスが実に観やすく、手堅い仕上がり。クィーン・ラティファがちょっと残念だったけれど。
オススメ★★★☆☆

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