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ガールフレンド・エクスペリエンス

  ガールフレンド・エクスペリエンス

 

 良い映画の上映期間が短く、上映館数が少ないのは嫌ってほど知っているクセに、うかつでした。スティーヴン・ソダーバーグの最新作「ガールフレンド・エクスペリエンス」はたまらない魅力のミニシアター系。高級コールガールの日常を、ソダーバーグならではのテイストで描き、見惚れます。

 

 登場人物が少ないから彼の「イギリスから来た男」を思わせるんだけど、見せ場がないワリにはぜんぜん退屈しない。撮影も担当の映画青年、ニューヨークの描き方はスパイク・リーやジム・ジャームッシュと違って都会の雰囲気が醸し出されている。しかしただの“観光スポット”になっていないのはさすがでしょう。その辺は「ニューヨーク、アイラブユー」に通じるんだけど、もはやあの若々しいオムニバスの一編には参加できないとこまできちゃいました(ま、もはや新人ではありませんからねぇ)。

 

 コールガールが主人公の作品で一番分かりやすいのはもちろん「プリティ・ウーマン」ですけれど、コメディ「ラブ・イン・ニューヨーク」(ごめんなさいDVDレンタルありません)にしても“お仕事”の方にスポットは当てられていない。むしろ我が国の“数少ない海外に通じる映画”、村上龍監督作品「トパーズ」に近く、彼女たちの実像に迫りつつ都会を描く手法といった感じでしょうか。

 

 ですから2作品を見比べるとニューヨークと東京の違いが見えてくるかも。ただ同じなのはいくら不景気になっても“お金持ち”は確実に存在していて、洒落たホテル、洒落たカフェ、洒落たレストランは永遠に不滅。高級コールガールだってしかり、大っぴらにしていないだけで港区にもちゃんといる。ロシア、ブラジルから来た恐ろしくキレイなおねぇさんたちは、芸能人とはまた異なる美貌の持ち主たちでした。

 

 主演の現実的なコール・ガールに扮したサーシャ・グレイ嬢は素晴らしい。彼女を獲得したことでこの作品の成功は約束されたようなもの。ポルノ出身とはいえ女優さんですから、お芝居ができるのは当然なんですけれど、彼女から発せられる雰囲気はとても演技力では出せない生々しさがある。醒めているようで、インテリジェンスで、なぜか本当は優しくて母性すら感じさせる。

 

 高級コールガールですから、顧客は一流どころの男たちで、金融のこととかちゃんと話を合わせなくちゃ仕事にならない。二十歳そこそこでさすが、でもホントにいるんですよ、港区にはああいう雰囲気のかっこよい人。また彼氏に扮したジョン・レグイザモと平井堅を足して2で割ったような二枚目、今後は出演以来が殺到しそう。

 

 都会に漂う空疎さはサスペンスの舞台として利用すると「アメリカンサイコ」 とか「彼女が二度愛したS」になるんですけれど、上手く描かないとどこか笑っちゃう結果に終わってしまう。しかしこの作品は“都会の無機質さ”を描くことに成功。その種の映画が大好きなので大満足。

 

 既にオールスター映画伝記映画も撮ってきて、結構自由な製作環境が約束されているハズなのに、デビュー作に近い“映画青年魂”を忘れていないようなこの作品は嬉しかったですね。当たり前ですけれど、新人がなかなか出せない経験を積んだ後の洗練は年季の違いを見せつけている。公開終了間際でギリギリセーフ、観られて良かった。久しぶりにミニシアター系の秀作に当ったって感じです。

 

現在(7/26/2010)公開中、でも今週で終わってしまいます。リリースされたらぜひどうぞ。     
オススメ ★★★★☆

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関連作

  イギリスから来た男

 

 テレンス・スタンプ主演のスタイリッシュな復讐劇。なにせ「プリシラ」 くらいしか観たことなかったから、あんなにすごいヤクザな親父に変身するとは驚き。娘の死の原因である、いかにもカリフォルニアにいそうな音楽業界成金にピーター・フォンダが扮していてソダーバーグ の“映画青年らしさ”炸裂。2人の対決は本来なら“男臭く”なるはずなのに変わった趣で、彼の“試み”が垣間見られます。なおスタイリッシュな描写を目指しているので、常連の役者をルイス・ガスマンだけに抑えている。 
オススメ★★★☆☆

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  トパーズ/TOKYO DECADENCE

 

 注目を集めたのは世界でも稀な“ケータリングのSM嬢”東京の妖しいアンダー・グラウンドの様子と都会の空疎さが見事に描かれている「KYOKO」と共に映画監督村上龍の代表作。監督の人脈で集められたようなキャストは生々しく、加納典明にしろ島田雅彦にしろ作品世界に貢献。港区の雰囲気を出すにはもってこいだけに、印象的なホテルのシーンは「東のエデン」 で頂いちゃってます。
オススメ★★★☆☆

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  アメリカン・サイコ

 

 タイトル通り“アメリカの狂気”がテーマ。もっとも笑える側面があるから余計怖いのがこの作品の特徴。バブリーな人はこの国にも沢山いましたけれど、アメリカにもやれ“ブランド品”やら“社会的地位”やらに執着するピカピカ・ツルツルのお坊ちゃんはいたわけです。で、アメリカ現代文学の代表的作家ブレット・イーストン・エリスが著した問題小説を映像化。シャワーを浴びながら延々と商品説明したり、BGMがホイットニー・ヒューストンだったりフィル・コリンズ だったりでかなり笑えます。ただこういったCMから抜け出てきたような男が名刺の形状に逆上、一気に殺人鬼になるという進行が可笑しいようで空恐ろしい。今から20年前の滑稽さをサスペンスという形態を借りて描いたエポック的作品。なお完璧なボディを披露したクリスチャン・ベイルは今や四代目“バットマン”を襲名。
オススメ★★★☆☆

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